夕方と言うよりもトップリと日も暮れて、あたり一面にネオンが輝く頃ともなると家路を急ぐビジネスマンの多くが特急電車の指定席に腰を下ろす。ビジネスマンと言う以上、この対象者は男性である。それも私と同じ頃合の年齢の俗に言う「オッサン」。席について一息つくなり、かばんと一緒に持ち込んだビニール袋をガサガサいわせながら何かを取り出した。缶ビールと裂きイカだ!窓際の小さな出っ張りに缶ビールを置くと、まずは裂きイカの袋を破り始めた。中から一片の裂きイカを取り出して、おもむろに口にくわえると、次に窓際に置いた缶ビールのプルタブを引きあける。
先ほどの裂きイカを噛みながら、十分にイカのエキスを口に溜めたところで、缶ビールを流し込む。「プふぁ~~!」今日一日、嫌なお客相手に孤軍奮闘、働いた自分に対するささやかなご褒美なのか。実にうまそうにビールを飲む。漆黒の闇の中を電車は突っ走り、幾度も幾度も踏み切りで電車の通り過ぎるのを待つ自動車の列を飛ばしながら特急電車は快適に走り続ける。そして、僕の横のオッサンは一本の缶ビールを大切な命の水のごとく、なめるように口に含みながら、その至福の時を楽しんでいるようでもあった。
私は、横のオッサンのビールをすする音とイカを噛む音を無視するように、I-podから流れる音楽の音量を上げ、軽く目を閉じて眠った振りをする。目を閉じて音楽に集中しようとするが、時間の経過につれて電車の室内にはイカの臭いとビールの臭いが入り混じって、いささか居酒屋の片隅に目を閉じているような錯覚すら感じる。おまけに、このオッサン、私の方向に足を組み、営業で履きつぶすほど使い込んだ薄汚れた靴底が私のパンツに触れそうに近い。電車の横揺れに同調して体が揺れると、靴底がパンツに触れる。少しくらい触れても、後で手で払えば汚れは落ちる程度だが、だって見過ごすべきか否かで悩むこととなる。
偶然乗り合わせた乗客に配慮に欠ける場合、これは不運として諦めるしかないのだろうか? 諦めないにしても、わざわざ相手に対してけんかを売る必要性も、それによる更なる不快感を想像すると眠った振りが一番良いのかもしれない。と考え目を閉じている。
しかし、ある大きな揺れの時に、明らかに彼の足が私の膝をけったほどの力であたった。・・・・・ここまでくると、黙って見過ごすわけにはいかない。とうとう私も堪忍袋の緒が切れた。閉じていた目を開けて、そのオッサンを睨み付ける。 少しでも詫びる素振りが見えなければ言ってやろうと!思いをこめて相手をにらみつける。さすがにビール1本では泥酔までは到達しないだろうオッサン。私を見て、少し申し訳なさそうにつぶやいた「ごめんなさい!」 ・・・・ほほウ・・・意外と常識的じゃないか!と感心しながら相手を簡単に許している自分がかわいらしかった。
その時からオッサンは足を行儀正しく揃えて前に、両腕を組んで目を閉じ始めた。飲んでいたビールは空。イカを噛む顎も疲れてきたのか、時たま歯にはさかったイカの身が苦になるのか口をもごもごさせながら黙って眠った振りをしていた。それから、いくつかの駅を飛ばし列車がすすむ頃、このオッサンは本当に寝入ってしまったようである。異常なほど大きなイビキ。周りの乗客がお互いの顔を見合わせながらヒソヒソと小言を言い始めるほどである。 イカの臭いをプンプンさせながら、耳に痛みを感じるほど高鼾のオッサン。どこまでいっても迷惑至極。
日本のビジネスマン達。シッカリ働き日本の経済を支えてきたおっさん達。なんだか怒る気持ちにもなれずに、自分の席を離れて出口近辺の通路で立ちながら目的地の駅を待った。
【【懸賞王国】】様からメッセージが届きました♪
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このようなメールが届きました。もちろん、200万円が当たるような懸賞に応募した覚えもないし、数奇なお人が私にタダで200万円をくれる訳がないし・・・結構怪しいサイトなんでしょうね!しかし、私のメールアドレスに送信されてくるからには、何処からか個人情報が漏れているのでしょうね! 卑猥なサイトにアクセスした覚えもないのです。最近、U-Tubeをひろげて動画を見ることが多いのですが、このあたりで私のアドレスが盗まれているのでしょうね!
ネットが盛んになればなるほど、一般的な常識が通用しにくい世の中になっていくようです。現に韓国ではネット中毒に対する防衛策を行政をあげて対策を練り始めたようです。インターネットをうまく利用すれば、非常に有効な情報ツールでもあるのですが、その反面、恐ろしい事件に巻き込まれかねない危険性も持っています。
このようなメールが届いても、決して中をのぞくことのないようにご注意くだされ!
今月の私のブログ更新が、今までに無いほど頻繁に行われているのです。もちろん、過去には一月に21回更新を行った月もあるのですが、この調子で更新を繰り返せば最多記録の更新となるようです。(それだけ、暇ってことか・・・・?!)それはそうと、先日、太陽の家の玄関口の模様替えを紹介したのですが、その写真の中にコックさん人形が写っていました。このコックさん、なんで高齢者介護の事業所の玄関口に居座るの?と、その存在の意味を疑問視される方も多いと思いますが、実は、このフィギュアは私が以前にゴミ捨て場から拾ってきたものなのです。何気なく歩いているときにゴミ捨て場に捨てられているフィギュアを見つけたのです。その時は薄汚れて汚らしいコックさんでしたが、何とはなく持ち帰って洗剤を使って洗ってあげました。そのときのコックさんフィギュア、今では太陽の家の玄関口に居座り続けています。
それと、太陽の家の玄関先に咲く梅の花。この長雨の終わる頃には若葉が芽を吹き出しそうです。新緑の若葉が枝に生い茂るには、それ程の時間は必要としません。ほんの数日もあれば新緑に包まれた梅の木となります。それと同時に、若葉に群がるアブラムシの繁殖の時期でもあるのです。雨が上がり次第、消毒を行わないと悲惨な状況となってしまうのです。毎年、この時期は、農薬を入れた容器を肩から下げて木々の消毒を行っている私が居るはずです。
梅の花が終わり、次に桜の花が咲きます。この頃になると、草花も活気を取り戻し太陽の家の南側の田園風景も緑色が一層濃くなる時期です。田んぼには水が張られ田植えの準備が整えられ、それに連れて蛙の鳴き声が響き渡り、その蛙をめがけて蛇が動き始めます。私は蛇が大の苦手で、テレビに映る姿を見るだけで恐ろしくなってしまいます。私を拷問するには、蛇を多量に入れた穴の中に突っ込んでしまえば事は足りるのです。それ程、私にとって蛇は恐ろしい生き物なのです。
そんな恐ろしい蛇が冬眠から目覚める頃と言うのは、山菜の旬と言われる時期と重なるのです。ふきのとう(まだ蛇は出てこない時期だけど)、たらの芽、ノビルやゼンマイ、天ぷらにすればすごくおいしい食材の宝庫なのですが、蛇を苦手とする私に限って遭遇する機会が多いのはなぜでしょう・・・?うちの婆さん達に話をすると「蛇」はお金に関係する生き物、お金が儲かるから粗末にしたらあかん!と言われます。いくらお金が儲かるとしても、出来れば目にしたくない生き物です。
以前、私の友人のアメリカ人たちと一緒に岐阜の山の中で天ぷらパーティーをしました。鍋と油を持っていって、山で採取した山菜をその場で天ぷらにして食べたのですが、これがまた最高においしい天ぷらでした。偶然、そのときには蛇の姿は見なかったのですが見なくて正解だったのかもしれません。なんせ、私の友人達は食欲だけでなく好奇心も旺盛な連中です。蛇を見つけようものなら、その場で捌いて天ぷらにしてしまいかねない連中だからです。まぁ、それほど屋外で味わう山菜の天ぷらは美味しいものなのです。
昨晩、東京の山手線や埼京線が一時不通になった。同軸ケーブルとの接触事故で架線が切断されたことによる停電が原因のようであった。世の中、どんどんと便利になり、いたる場所でもインターネットの無線ランが張り巡らされ無制限に情報のやり取りを可能としている。しかし、これらの便利モノも電源があってはじめて有効となるモノばかり。停電ともなると電車すら単なる「箱」となってしまう。帰宅を急ぐサラリーマンが二時間以上も動かない電車の車内に閉じ込められ、椅子に座っている人なら兎も角、つり革にぶら下がる乗客にとって立ったままの数時間は辛い。私も都内の移動には地下鉄や山手線を利用することも多いが、旅行中に、このような事故に遭遇することは、直、自分の上京の目的に遅れが生じることとなり考えるだけで恐ろしくなる。
電車ばかりではなく、普段から何気なく使っていて生活の一部となっている携帯電話でも同じことが言える。バッテリーが切れてしまっては電話の役目すら果たせない。車にしてもガソリンが無くなってしまえば非常に重いお荷物となってしまう。普段から便利さに浸りきって、その便利さが永遠に続くものと勘違いしている文明の利器もエネルギーソースが在って初めて役に立つ代物。デジタル文化に犯されアナログを馬鹿にする今の世代の人々に、改めてアナログの有用性を証明する事件であったと思う。
カットボランティアの竹田さんです。毎月二回、太陽の家の利用者様の頭髪をカットして頂いております。竹田さんには、いつも安価なカット代金で協力して頂き、本当に助かっています。
竹田さんは、セミプロのアスリートとして色々な大会に出場するスポーツウーマンですが、そんな強靭な研ぎ澄まされた筋肉からは想像できない繊細な指先を駆使して、利用者の皆さんの整髪を行っていただいています。認知症の特異な周辺症状を持つ利用者の方に対しても、今まで整髪拒否もなく、また事故もなく、素直に整髪させていただけるのも竹田さんの人間性に起因しているものと想像できます。とても優しい接遇は、利用者の皆さんも自然と従えるような雰囲気にさせる技術を持ち合わせている方なのです。竹田さんのお陰で、利用者の方々の整髪に際し、ご家族の負担軽減に役立てて頂けることは、施設としても喜ばしい限りです。これからも、うちの利用者の皆さんのこと、よろしくお願いします。