僕は、今もまだ巨額の借金を支払い続けている。
借金の支払い終りの年齢は75歳である。
残すところ9年。
つまり残す9年間は死ぬに死ねない。
辞めるに辞められない。
働き続けなくてはならない。
恐らく、あと9年で全ての借金を払い終える頃には
建物補修やら設備の買い替えで
また借金の上乗せが必要となるだろう・・・
つまり死ぬまで僕は借金の為に働き続けなければならないのだろう・・・
先日、デイサービスの忘年会に参加した。
デイの運転手さんたちは、僕よりは若干若いが
すでに企業を退職して年金暮らし。
年金プラスうちの薄給がお小遣いとして懐に転がり込む。
趣味のゴルフや飲み会や旅行に老後を謳歌しているようである。
そんな人生もある。
そして僕のような人生もある。
今、人一倍働いて、自分のプライベートな時間もなく、ただひたすら働く。
僕は、この自分の選んだ道が好きだ!
ゴルフもいい・・・旅行もいい・・・
でも、僕は、そのような人生にはすぐに飽きてしまうタイプの人間なようだ・・・
生涯現役と言えば格好いいが、僕の場合は生涯貧乏が性に合っているのかもしれない・・・
社会福祉を実践するうえで、行政に対して制約を交わすことの一つに
反社会的勢力の者ではない事を誓約させられる。
要するに反社会的勢力や暴力団は社会福祉を行なえない。と言うことである。
さて、突然、なぜこのような話題を前振りとしたのか・・・
今日の午後、警察がやってきた。
僕を逮捕しに・・・でなくて、捜査協力の依頼に訪れた。
訪れた刑事と話をしていて
うちの前の中央道路を毎晩、我が物顔で走り回る暴走族の話から
何とか止めさしてくれ!と頼んだところ
何処にも属さない暴走族は、何の遠慮もなく怖いものなしの存在と
手におえない内容の話を聞いた。
一般人はなにがしかの看板を背負いながら生きている。
暴力団も同じ、組の看板を背負っているだけでも
個人の勝手な行動は抑制されるが、族の連中は一匹オオカミ
失うものが無い分、怖いと言う。
それなら、今、警察が必死になって追いかけている暴力団って
社会にとっての必要悪なんじゃないのか??!!と思った。
任侠の世界とは縁遠いが
ハラスメントでギスギスした社会
昔気質のヤクザも、ある意味、それなりの存在理由があるのかもしれない・・・
そんなことを、刑事と話をしながら思っていた。
先日、貴重な男性スタッフが突然、出勤してこなくなった。
今はやりの代行業者に依頼して辞めていった。
おかげで、僕まで現場で早番、遅番の業務についている。
最初は慣れない環境で、慣れない作業に疲れ果てていた。
職員数が少ないので、一人の職員が担当する時間が長くなる。
毎日が残業の連続だ。(そんな労働環境に、今いる職員は文句も言わず協力してくれている)
だから、僕も文句言わず ともに現場作業を受け持っている。
さて、今まで現場での業務をこなしたことが無かった僕だから
現場作業に慣れていなく、最初は非常に不安だったが
それでも、続けるうちに、次第に慣れが出てくる。
身体はシンドク疲れ切っているが、意外と元気な自分に驚いている。
認知症となって人格が変わった老人、記憶障害で一日中同じ質問をする婆さん
夜のトイレ誘導に藩王なく、朝になるとベッドシーツがびしょ濡れの爺さん。
認知症ケアって大変だ!でも、慣れる。
僕は、今一番、仕事が充実している。
やはり認知症の人の持つ、底知れないパワーは
介護者のストレスにもなるが、別の意味でいろいろと学ぶところ多い。
そのように開き直らないと続けられない認知症ケアのようだ・・・
認知症を持つ二人の婆さん。
うちのグループホームに入居している。
二人とも同い年、同じような体型、同じような短期記憶障害によって
数秒後には同じ不安感からくる確認言動が朝から夜まで続く。
話をしている中から、すでに最初に言った内容は、会話の終わりには忘れている。
忘れてしまっているから、また、繰り返し質問してくる。
この認知症の人の確認作業を聴いていると疲れる。
Aさんは、実の息子の成長が60数年前から止まってしまっている。
自分の年齢はある程度理解できている。
しかし、息子はまだ保育園に行っている。
実際の息子さんは僕の一歳年上。
当然、保育園などに入っていない。(笑)
Bさん、年齢88歳。
この人の方が要介護度は重度だ。
確かに文字の読み書きは苦手になっている。
記憶障害には、極端な正常な部分と喪失している部分が完全にわかれる。
こんな二人が抱える問題は
家に帰りたい。家族と共に生活し、子供のために何かをしてあげなくてはならない。
いま、主治医と連携を取りながら、薬剤の量を調整し始めた。
一昨日から抗認知症薬を倍に増量してもらった。
若干の不安感情は緩和したようにも思えるが
この安定にも波がある。
今日の夜は、特にAさんの不穏感情はすさまじかった。
着ていたパジャマを脱ぎ捨て、普段着に着替えて室内を徘徊。
この二人がタイプこそ違っても、帰りたい訴えを両サイドから波状的に訴えてくる。
波状攻撃だから、お互いの気持ちが落ち着くことなく、定期的に相手の訴えを聴いて
増長され、パワーが増強されてしまう。
認知症の初期の状態は、本当に介護職員泣かせ
南東も打つ手がない。
この状態には、介護する側が説得することをやめる事しかない。
あいての思いに同調し、何とか安心できるように上手い口実を作らなくてはならない。
対応策を考え続けなくてはならない分、休む暇なく心労が祟る。
でも、向精神薬は投与したくない。
だとすると、何度も何度も、同じ質問に対し、本人が納得できる言い訳を考えていくしかない。
認知症ケア…かなり辛い業務である。
ハラスメントは良くない!
それは理解できる。
しかし、最近の社会では、何でもかんでも「ハラスメント」をつけた口害が多いような気がする。
忘年会の在り方に関しても「パワーハラスメント」として取り上げられるこの頃、
社会全体がギスギスしているようで、どうも年配の私に住みにくくて仕方がない。
テレビでも、今の世相を取り上げることが多く、
メディアを通じて「〇〇ハラスメント」の分木点を報道することが増えている。
我々の目指すものは、社会全体が孤立化している状況を、
向こう三軒両隣のつながりある社会の再構築が
認知症の人たちを地域で支えていける!と活動の輪を広げている中
其れとは真逆の方向に若い世代を中心に孤立化が急速に進んでいくように思う。
人間関係の構築に努力することなく、そこにまつわる全ての壁や軋轢(本人の感じる部分として)を
覆すことのできない精神的に成長しきれていない大人を感じてしまう。