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ブログ-施設長の部屋

2022/7/5
認知症道中膝栗毛 第二十三話(心を添えるとは・・・)

認知症ケアの中で、よく言われるスキルの一つとして

「心を添える」があります。

さて、この「心を添える」とは?どう言うことを言うのでしょうか?

随分以前にリッツカールトン日本支社長として、日本に初めて

リッツカールトンなる5星ホテルを立ち上げた高野登氏の著書を読ませて頂いたのですが

その著書の中で、高野氏はリッツカールトンのサービスの主軸に

お客様サービスにスタッフの心を添えたサービスを言われていました。

同じように、認知症ケアの主流となっている [パーソン・センタード・ケア」でも言われています。

さてさて、前置きが長くなりましたが、この言葉の意味はと言いますと、

私たちケアする側にすると、介護って結構重労働になりがちで

身体的にも、精神的にも負担は大きくなりがちです。

これは対人援助と言われる業務全てにおいて言えることで

だから、ホテルでのお仕事においても顧客満足を求める事業には

常に働き手の心と肉体に係る負荷が大きな問題となります。

人間だれしも、疲れてくると他人を思うことが希薄になりがちで

どうしても保身に走ってしまいます。

しかし、だからと言って、我々介護者の目線、都合を優先してしまうことは

支援を受ける側(要するに要介護者)にとって、介護してもらう逆の負荷がかかります。

気の弱い人は、自分の要望を言い出せず黙ってしまったり、

逆に気の強い人は、要望を拡大させ喧嘩になってしまったり。と、人間関係に大きなダメージを負うこととなります。

そこで、私たちは、常日頃から、相手の思いを想像し、気持ちを汲み取り、相手の思いに添えるような支援。

そのような訓練を積んでいきます。

相手を理解するということは、相手を理解しようとする気持ちがない事にはすすみません。

はなっから相手を否定し、色眼鏡で相手を見ていては「相互理解」なんてできません。

特に認知症の人は、自分の思いを表現することが苦手です。

だからこそ、私たちが相手の心に私たちの思いを込めて、支援の手を添える。

それが「心を添える」と言う意味と理解しています。 


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