「レカネマブ」という薬剤名は、結構一般の方々にも浸透しつつあると思いますが
昨日の夜、鈴鹿市文化会館第二研修室にて、真鈴川先生による新薬の講演会が行われた。
「ケアスタッフのための早期認知症後援会」として
「認知症の新しい治療とは?~早期アルツハイマーについて考える~」
一昨年、大いに注目を浴びた認知症新薬の今現在の治療の進捗状況を含め
認知症初期から重度化する過程を、脳細胞の変質から学ぶというお話でした。
ご存じのようにレカネマブは、非常に高額な治療薬であり、その薬の適応を受けるにあたり
いろいろな検査を必要とするのですが、開発から一年が経過する中で
少数ではあるのですが鈴鹿市においても、治療を開始しているそうだ。
治療費に関しては高額治療費への補助が出るため、患者負担はその人の所得に応じてかなり負担減となっているようだ。
但し、このお薬は現段階でアルツハイマーにだけ適応することからアミロイドPETの検査は必須で
MMSEテストにおいても22点以上あることが条件となる。
そしてこの薬の副作用として、一部の人には微小ではあるが脳出血の可能性も言われていることから
それらに対する検査も必要ということである。
結果的に、希望者すべてに適応できない場合もあるらしい。
そして、一番肝心かなめの効果については、2週間に一回の点滴での薬剤投与を18か月継続することで5.3か月アルツハイマー発症を遅延させることができる。
36か月継続することで8か月の遅延につながるというお話だった。
この薬剤の適応を受けるにあたり、真鈴川先生としては70代のMCI又はプレクリニカルな方々に受けてもらいたいと言う。
薬剤の投与期間と価格、そしてそれから得られる効果をどのように理解するかは人によって異なるわけで、
僕個人的には、そこまでのつらい検査を行いながら、定期的な点滴治療を継続し、その間3か月毎に脳のMRI検査をうけるってのは
どうしても二尾足を踏んでしまう。しかし、真鈴川先生や当日の受講者の大半は、僕の思いとは違って多くの者が治療役を試してみたいと言う。
いずれにせよ、人生長く生きれる時代となり、食生活や生活習慣もかわり認知症発祥のリスクは
次第に高まりつつある時代。今はアミロイドβの蓄積を除去するだけの新薬ではあるが
今後は多雨の除去を実現できる新たな新薬の開発も近いそうだ。
あと数十年もすれば、認知症は治せる病となるのかもしれない・・・