太陽の家

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ブログ-施設長の部屋

2023/7/27
認知症道中膝栗毛 第68話 (環境の変化に敏感な認知症)

今日、デイサービスを利用される一人の認知症の方。

うちのデイサービスでは、お席の配列を決めていないのです。

当然日替わりで利用者の顔ぶれが変わるデイサービスですから

席の割り当てなど存在しえないのです。

ただ、毎回、このあたり・・・と言う具合で

その日によって席の位置は決めています。

さて、そのような場面での出来事。

今日は、その毎日の配置と違い、少し離れた場所で

隣に席する面子も変わってしまいました。

すると、いつも興奮されることの無い方にも関わらず

今日は、いつもよりも興奮気味に大声をあげられました。

毎日利用されることもないかたでも、私たちが思う以上に

周囲の環境の変化には敏感なんですね・・・

早速、場所をいつも箇所に移すと、いつもと同じように穏やかに

過されて笑顔もみえました。

認知症の人を理解しているつもりの私たちも、また一つ学びが増えました。

 

2023/7/20
認知症道中膝栗毛 第67話 (あぁ~勘違い)

昨夜は、認知症グループホームの協議会スタッフの方々とZOOMを使った意見交換会を行った。

現場の介護職員さんもいれば、管理者も混ざっていろいろな視点で意見交換が出来た。

その中で面白かった事例として、夜になると全裸で歩き回る男性。

勿論、認知症を患っている。

通常のグループホームってのは9人をマックスとして

ユニットケアを実践している場で、当然、夜勤は一人体制である。

そんな夜勤に女性スタッフが担当する事もある。

うら若き女性スタッフからすれば、施設の廊下やリビングに全裸のオッサンが現れたら・・・

結構恐ろしいのも当然である。

それで、よくよく分けを聞いていくと、その方はお風呂を探しているのではないか・・・?!と言う

認知症となっても、昔からの習慣は残るわけですから

その人が自宅にいたときのように、夜になり全体が寝静まった頃にひっそりと風呂に入る。

そのような生活をしていた人なら、全裸で歩く行為は納得できる。

さて、その原因は理解できた。次に、その人が勘違いを起こさないで済む様な働きかけが必要となる。

その施設のスタッフの皆さんで、しっかりと話し合って、勘違いを正してあげる工夫に行きつけばよいね!と

私たちが奇怪な行動や暴力行為と評価する認知症の人の行動全般に対して

やはり、そこにはいろいろな理由がある。そして、大半はその人の勘違いが原因であること。

そんなことを改めて勉強させて頂いた。

2023/7/18
認知症道中膝栗毛 第66話 (認知症の人のサービス拒否)

認知症の人には、少なからずサービス拒否ってのがあって

お手伝いしたいのに、お手伝いを拒否する!

熱中症を心配するあまり、デイサービスの利用を勧めるも拒否!

汗かいて皮膚炎の危険性があるから入浴を勧めても拒否!

ごろごろ寝てばっかりでは体調もすぐれないだろうと、運動を勧めるも拒否!

そーなんです。何でも自分が必要と思わなければ、、他者の援助を拒むのが認知症なんですね。

さて、私たち介護の担当者としては、それらの拒否に対して

非常に無力である。

その理由は、その人との人間関係が構築されていないからであり

相手から見れば、全くのアカの他人。

他人さんから言われて、素直にその指示に従うことは

一般的な人間の、一般的な対応。

ここの所が、介護に携わると見えてこないのがケアを担当する者たちの一番のウイークポイント。

介護のプロだから、初対面から相手の事をよく牛っている思い込みと

自分の能力に対する邪悪なプライドにモノを言わそうとする、そんな節が介護職員にはある。

勿論、僕にそのような間違った自分本位な思惑が渦巻いている。

今、うちのデイサービスを使ってもらいたい認知症の方がいて

その方をお誘いに自宅まで、無駄を承知の上で通い続けている。

今日も一回、これで5回目のお迎えに行ったこととなる。

その都度、玄関先で何のかんのと口実を言われて通所に来ることを拒まれる。

当事業所に相談があった当初より、拒否の強いのは想定され

そう簡単には通所利用につながらないことは予想されていたが

ここまでひたむきに拒否が続くと、事業所としても、逆に意地となる。

介護保険制度上、通所介護の利用なく、ご自宅に伺ってお誘いするだけだと

何の費用も発生しない。要するにタダ働きである。

しかし、これも一人の認知症の人の人間的信用を獲得する上において

どうしても書くことが出来ない重要な行為なのである。

そして、今日は、この熱波の中、無駄骨と分かりつつ自宅訪問した時に

その当事者が熱中症に似た症状を見せたことによって

救急搬送の手配を行った。救急車が来るまでに、自宅の冷蔵庫からお茶を出し

冷えたペットボトルを使ってクーリングを行い

扇風機を回し、体の冷却を実施した。

何とか、病院について事なきを得たものの、今日の朝の訪問がなければ

その人はどうなっていたか・・・非常に不安定な状態で生きながらえているのが現状である。

本人の拒否があるから、無理強いすることなくサービスを使ってもらえる事を望みながら

これからも空の送迎車を送り続けることとなる。

太陽の家では、あえて無駄と分っている業務も、一人の担当者が地道に継続して行っている。

・・・太陽の家の自慢話のようになってしまったけど、実際の現場は余計なお世話を必要としているのです。

2023/7/17
認知症道中膝栗毛 第65話 (認知症に効果あると言われるものについて)

昨日、僕のアメリカにいる友人からメッセンジャーを使ってある質問がきた。

それには、日本ではアルツハイマー型認知症にCBDとTHCは使っていないのか?!と言う内容であった。

CBDとTHCって薬剤については、初めて聞いた事もあって、何のことを言っているのか

全くつかめないと返信し、早速、ネットで検索してみた。

つまりは、CBDとTHCってのは、大麻草から抽出される物質を取り出して

それをアルツハイマ―の人や、パーキンソン病の人に効果があるということで

アメリかのFDAが承認している薬物を言うらしいことまでは分かった。

CBDってのは、気持ちを安定させて落ち着かせる効果があり

これには覚醒症状と依存性がないために、日本でも輸入品が出回っているらしい。

しかし、THCってのは意識を高揚させる作用があり、依存性もあるために

日本では承認されていない。また、法的にも大麻取締法に抵触するらしい。

さて、何はともあれ、アメリかにおいては認知症の新薬として、ある製薬会社の開発した薬剤が

近いうちに日本でも承認されるという話である。

認知症となって中重度の患者には効果のない薬剤であり、非常に高額な薬剤でもあるので

これが一気に認知症の人を救えるとは思いにくい。

認知症の人の基本的な諸症状を受けて、本人が一番不安になり、その感情がもととなって

日常生活に支障をきたすことから、今の支援者たちは、認知症の人の抱える弱点を補い

その人の思いに添った支援を行うことにシフトしている。

 人間だれしも年をとる。そして、長生きすれば、それなりに生きることに支障が生じる。

この生きるために支障となる部分を緩和してあげる、またはそこを補ってあげることで

不便だけど、それまでの生活に近いものは得ることが出来る。

僕は、認知症に対しては、お薬で抑え込む事より

生活支援をもって普通の生活をおくれるよう応援してあげることが

一番優先されると考えている。 

2023/7/13
認知症道中膝栗毛 第64話(アメリカにおける認知症グループホームの費用)

認知症の人が基本人数9名で共に共同生活を行いながら暮らす施設に

グループホームが日本にはある。

当太陽の家にも1ユニット(9名を一つの単位としてユニットを構成している)

を持ち、24時間365日、認知症の人のお世話をしている。

費用的には、介護保険料の給付金(要介護状態に応じて費用は算出される)に

対して、個人の自己負担割合によって毎月の支払金額は変更となり、

そこに居住費、食費、医療に係る投薬代などを含んで月額の使用料が決まる。

介護保険から支給される額を含め、一人の認知症の人に係る費用は40万円から

50万円程が日本の全ての地域にある施設に支払われている額となる。

ただ誤解の無いように追記するなら、この40万~50万と言う額面には、

介護保険から支払われる額も含まれているため

個人が負担する額は10万~20万程度である。

この額が高いか低いか・・・?!は、此れから皆さんにお話しする

アメリカ合衆国の認知症の人の施設入所に係る費用をみて考えて頂きたい。

先般、訪問したアメリカ合衆国カリフォルニア州のサンタクララ群。

要するにシリコンバレーとして有名な地域にある。

認知症の人の暮らす施設の費用がネット上でも紹介されているが、

そこには一人月額$7,500~$12,600と記載されている。

日本円に換算して(今現在の為替相場$1=140円で計算)

1,050,000円~1,764,000円であり

ざっと計算した平均費用額が$10,050=1,407,000円。

介護保険制度もなく、医療保険制度も日本のような皆保険制度でもないアメリカでは

多額の資産や預金がない限り、このような施設入所は非常に困難である。

では、そこで行われている介護の質は?と問われるが、

給料が良いだけに、そこに集まるスタッフの知識とスキルは当然、

上質な者が多いのは確かである。

今、日本の介護の現場では専門的なスキルを求められつつ、

なかなか介護職の社会的立ち位置が欧米のような

専門職として認められていない点が、私としては介護職員に対して

社会全体が認識を改めてもらわないといけないと思っている。

特にアメリかでは、認知症の人だけでなく高齢者ケアを行う人々は、

医療ケアワーカー同様のステータスをもって認識されている。

アメリか程の給料はムリとしても、日本の介護保険制度も一律の給付額で、

決められた金額しか得ることが出来ない社会では

働くモチベーションもベクトルも働かないのも、ある意味当然である。 


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