認知症の人のケアの現場では、いろいろな地雷が存在する。
プロの現場にもあるし、家庭、地域の中でも、どこにでも存在する。
もう少し詳しく、その状況を説明すると、
軽度の認知症の人と健常な高齢者の混ざった集団の中で見受けられる状況である。
軽度の認知症の人ってのは、日常会話や井戸端会議において、認知症を感じさせることもなく
周りの人が、その人に認知症があると認識しにくいのが災いするケース。
この事例も、似たような事例で、井戸端会議の場で特定に人の悪口、噂話など
それらの内容、発信元、対象となった人物等がごちゃまぜになってしまう事がある。
とても不確実な情報も、さも確実な話として他者に伝えたり
自分には何も関係ないにもかかわらず、自分が受けた被害のように語ったり、訴えたりする事。
これらの行動は、認知症によって管理、計画、判断や問題を解決する能力の低下した症状として
認知症の人の中核症状である記憶力の問題が原因しているのです。
このような状況下で、周囲の人は、時として悪者に仕立て上げられたり、えん罪を負ったり等
精神的にいろいろな痛手を被ることもあります。
相手は認知症の人です。その人の発現の全てを否定し、聞き入れないことはよくないとしても
本人の訴える事象の全てに関して、冷静に客観的に判断することが求められます。
認知症の〇〇さん、80歳、女性、要介護3
ADL(日常生活動作)は自立。記憶の障害だけが著しく日常の生活に影響している。
ぼくは、この〇〇さんが好きで、いつもお話しを共にさせて頂いている。
研修等で取り上げられる「認知症の人」そのままを現実化したような〇〇さんですが
ときどき、周りの人を困らせることがある。
繰り返しの行動である。
デイサービスを利用される〇〇さん、一旦スイッチが入ってしまうと、何度も自分のカバン、コートを確認するため
席を立ってしまう。別に歩行自立だから、歩き回ることは問題ないものの、やたらとコートハンガーにかかっている
他の利用者のコートなどに振れるものだから、コートの所有者からは嫌がられる。
または、隣の席の重度の認知症の△△さんの世話を焼きたがる。
マスクが外れているという指摘ならともかく、その人の容姿についても質問したがる・・・
眉毛が濃いだの、腕が太いだの・・・といった具合である。
相手の方も重度の認知症を持っているので、嫌な顔せずに受け止めてくれているものの
やはり介護する側からすると、他者の事を話題にすることには避けてもらいたい。
これらの問題点も、一日中と言うわけでなく、時としてスイッチが入った時だけ。
普段はおとなしく席について、軽作業にいそしんでもらえている。
他者に対して攻撃的でもなく、自分自身も何にも卑下することなく
とにかく大らか。人間がでかい。と言うのか、おおざっぱな処があって
細かなことを気にしないタイプなのだ。
自分自身でも、主治医を受診して認知症 !と言われた!平気な顔して言うくらい。
残念ながら、ご主人は数年前にお亡くなりになった。
でも、本人の中では、ご主人はまだ存命で、どこかで一人で生活していると思ってる。
今でも、あまり周りの人に関わりすぎると、ご主人に言うよ!と注意すると
笑ながら、助さんはこわいでな~ぁ!と言われる。
認知症となって不安感も強く、そんな自分を卑下して暗い顔している認知症の人に比べると
〇〇さんの認知症はとてもポジティブな認知症だ。
こんな風になりたいと願っても、此ればっかりは、その人の性格や生活歴等が
大きく影響しているので、自分でコントロールしてなれるわけではない。
しかし、世の中には、本当にいろんなタイプの認知症の人がいる。
今日の午後のレクリエーションの場を覗いてみた。
皆さん、必死になって、競い合うように新聞紙を手で切っている。
最初は意味が分からず、その様子を眺めていたが
次第に、皆さんの様子から、新聞紙一枚をつなげて切って長さを競うつもりらしい・・・
時間制限もなく、人によってスピードも違えば、切る方法も異なる中
結果的に認知症のあるなしに関わらず、最長記録を競うことが出来た。
認知症のあるなしに関わらず。と言ったが、認知症でも中度、重度となると
この紙を切る行為を維持できない、また、繋げていく行為も出来ないので
このゲームに参加できる認知症の人は、記憶に多少の障害がある程度の人。
事の経緯を見守りながら、これ結構面白いぞ!と感心しながら見守っていた。
最長記録は約18m。次に軽度の認知症ある人の14m。
この企画、結構面白いと思いませんか?!
高齢者の睡眠について、分かっているようで、なかなか若い者には伝わらないような気がします。
高齢者=私自身も同じくですが、顕著にこの睡眠トラブルに悩まされています。
私自身を例に説明させてもらえば、事務職ですから特にハードな肉体労働はありません。
小さな事業所ですから、一日を通して歩く距離、歩数も多くありません。
かろうじて一日を通して酷使するのは、パソコン画面を見ている時間長く
目の疲労は人よりも強いのではないかと思える程度です。
普段、就寝時間は夜の10時から12時の間に眠くなって寝てしまう。
しかし、夜中の3時、4時には目が覚める。
サッカーのワールドカップを観るためでもなく、
何となく目が覚めてしまう。
ここから二度寝したとしても、しっかりと睡眠をとるわけでなく
何となく意識が遠のいていったレベルの睡眠ですから、夢を見る。
結果的に熟睡している時間は、数時間程度。
これでは、体の疲れはとれません。当然のように寝起きがスッキリしない。
スッキリしなくとも仕事ですから、起きなければならない。
私たちは、高齢者の要介護者の睡眠障害に対して、日中の活動量を増やしましょう!と、
言っていますが、活動量と言っても、本当にヘトヘトの状態まで運動することは
高齢者、特に後期高齢者や要介護者には厳しいハードルです。
頭を使う体操を増やしたところで、余計に覚醒してしまい。寝つきが悪くなる。
歳をとると言うことは、本当に身体・メンタルの両面でコントロールが難しいのが実情です。
適切な睡眠をとれる人は長生きする。なんとなく分かるような気がします!
椿の草餅です。これ最高にうまい!ですね。
MCIとは、英語の軽度認知症状の略文字です。
Mild Cognitive Impairment から頭文字をとって略語として使われています。
昨日、三重県連携型認知症疾患医療センターの一つ
一般社団法人 信貴山病院分院上野病院の病院長の講演を聴かせて頂き
このMCIの認知症に関して、適切な治療やリハビリを行うことで
30%強の方が軽度の認知症状から元に戻ると言うお話を聞きました。
やはり認知症も他の疾患と同じように、早期発見、早期治療が要かなと痛感するところでした。
しかし、先生のお話の中で、専門病院に受診相談にみえる方の大半が
認知症も中度の状態で受診されるそうですから
言ってみれば「すでに手遅れ!」の感はゆがめないそうです。
普段と違った様子、言動、顔つき等
少しでも今までと違うと思ったら、専門医を受診する方が良いですね。
なかなか認知症と診断されることを素直に受け入れることは難しいと思います。
しかし、真正面から受け止めて、適切なリハビリを行う。そして症状を改善させる。
そのように前向きに捉えて頂ければ、皆さんが恐れている『認知症』は遠のいていくのです。
そして、もしも認知症と診断をされたなら、ぜひ私共にご相談ください。
以前のお父さん、お母さんに戻ってもらえるよう努力します。
MCIのお話をするつもりが、自己PRになってしまいましたね?!笑