さて、まだまだカリフォルニアでの視察旅行の写真は多くありますが
ここで、今までの写真を見て頂いたカリフォルニアの高齢者ケアについて私が得た感想を
皆さんと共有したいと思います。
アメリカ合衆国は、建国240年を超える今、多くの国から移民として渡米した人々の末裔と
新たにITの最新技術をもって移住した人々を交えて、色々な文化や気質が混在する国となりました。
ことSanta Claraに関して言えば、アジア系移民として一番多いのが中国人、次に韓国人と
アジア系だけでもフィリピン、ベトナム、インドネシア系の二世や三世の世代が活躍する時代です。
それぞれの国の文化は、アメリカ風に希釈され、アメリカの風土に合うように変化され受け継がれています。
日本の文化も同様、個人の記憶同様、年月とともに抜け落ち、忘れられ、自分の都合よいように解釈され
受け継がれていく。日本人の三世やその次の世代には、我々、生粋の日本人が持つ気概、歴史、文化の欠片もない。
完全にアメリカナイズ(?と言うか??)された独特の文化と気質をもっている。
これら新しい日本観なるものが、今の日本人の若者旅行者に酔て、日本に逆輸入されているのが
今の日本の都会ではやっている新しいトレンドの様であるが、このように独特の文化や作法は
年代を追うごとに変化していくものなのかもしれない。
さて、さて、 本題に戻り。なぜアメリカでは認知症の人が少ないのか?!ですが・・・
決してアメリカには認知症の人の数が少ないわけでなく
アルツハイマーを主体として、MCIの人、レビー小体、血管性認知症の人も多く存在します。
ただ、日本に比べると認知症で寝たっきりとなる人は少ない。
その要因として、日本人気質にある家族としての思いの違いが大きくあります。
つまり余命に対する意識の違い。延命に対する考え方と違い。そして、住環境にかなりの違いがあることが
要因として上げられると考えています。
写真を見てもらっても理解できるように、アメリカの道路は広い。そして、何よりも弱者優先の風土が浸透している。
訴訟王国として、弱者に対して不都合な点は、即訴えられる社会がある。
当然、企業としては、訴訟階位の為の予備策を講じていかなければ損害が広がる。
このような社会の中で、弱者であっても「普通」の生活を継続できる土壌が存在する。
MCIであっても、自覚症状がなければ車を運転し、「普通」の生活を継続していく。
日本では非常に危なっかしい生活のように見えても、アメリカの広い国土なら
そんな危険性もなく過ごすことはできる。
だから、認知症も急激に重度とならず、軽度のまま過ごしていく。
そのうちに認知症ではなく心筋梗塞、血栓、糖尿病などの疾患で命を失っていく。
食べる量、食べる資質の多さ等々、食生活や生活習慣が起因しての死亡率が多いのが
認知症を長引かせることに繋がらない。
そんな国がアメリカなのではないかというのが私の感想です。
Mt.View市の市役所本館の写真。20年前のMt.View は小さな町でしたが、IT産業の発展により
市役所も斬新なデザインに生まれ変わりました。隣に私立の美術館も併設しています。下の写真は
市役所エントランスと二階、三階へつながるメイン階段の写真です。
市役所にて紹介された市立のシニアセンターの写真です。この施設の役割は自立している高齢者の
コミュニティの場であり、鈴鹿市でいえば社会福祉協議会のような役割を持っています。
自分で通ってきて、他者と交流したり、同じ趣味のサークルで楽しんだり、かなり自由に
老後を楽しめる施設です。このシニアセンターの敷地は、さすがに広く、同じ敷地内に
デイケアセンター(通所型です)、子供のナーシングケア施設の3つの施設が併設されています。
これらの施設利用には、メディケアなるアメリカ流、健康保険に加入していることが必要となります。