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ブログ-施設長の部屋

2013/6/7
連続する訃報

今朝早く、もうお一人の方が亡くなられた。この方もご家族の希望で延命医療をされなかった入居者の方で、家族さんの見守りの中、静かに息を引き取った。本当に静かな最後だったようである。今回のケースでも、ご家族の見守りをいただいていたお蔭で、深夜の呼び出しはなく、朝の6時に施設から電話連絡を受けた。夜勤者の配慮だと思う。

逆に、それ程静かな最後であったと想像できる。私が居室を訪れたとき、ご家族の皆さんと会話させていただいたが、本当に蝋燭の火が消えていく時のように、何の苦痛もなく息が消えたそうである。

長年、この太陽の家でともに暮らしてきた人々が順に亡くなり始めた。入居から10年。長いようでいて短い10年であった。

この数日にお二人の方を亡くしてしまう。順番とはいえ寂しいものである。しかし、私たちの使命は入居者の死を悲しみ、嘆くだけではない。世の中の認知症で悩む高齢者やご家族への専門性の活用である。お亡くなりになった方々に最後のお別れを告げると同時に、次の認知症の高齢者の方々を支える側に気持ちをシフトしなければいけない。

冷たい様であるが、これが我々の職務である。

太陽の家に長く住まわれ、寝食を共にさせてもらってきたお二人に、心を込めて合掌!

2013/6/6
しばしのご無沙汰でした。

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先月はブログ更新が多く、ほぼ毎日のようにブログを書いていた記憶がある。先月から、ブログには写真を入れる方が読みやすいし、それなりに読む気にもさせる!とアドバイスを受けて、毎回、必ず何か画像を入れるようにしている。かと言って、常に恰好の写真が撮影できるわけでもなく、最近では少しネタ切れ状況が続いている。

さて、ここ数日間のブログ更新の停滞には若干の理由があって、うちのグループホームの入居者の方お二人が終末期を迎えられたことにある。うち一人は昨日、もうお一人は今、若干持ち直しているものの毎日、毎晩ご家族の付き添いを受けながら、周り一同が静観しているという状況ってわけ。

ご家族のたってのご希望で、全ての延命医療を受けないという硬い意思のもと、ほんとの意味で自然の姿で対応させていただいている。連続して同じように入居者の方の変化は、どう表現したらよいのか分からないが、見守る我々としても辛いところである。今日の午後、先に旅立たれた入居者の方の霊前に、他の入居者さんとともに弔問に伺った。入居者の方々とともに霊前で手を合わせ、お別れの言葉を述べてきた。

残された入居者さんは、それぞれ故人を懐かしむ気持ちと寂しさで涙される方も多く、認知症となっても感情は豊かにのこることを証明してくれた。職員は入居者さんを葬儀の会場にお連れすることに反対する者も居たようではあるが、僕は敢えて入居者の方々に真実を知ってほしいと考えた。

人の死を自分の命が亡くなる時と重ねるかもしれない。また、恐怖心に襲われるかもしれない。が、しかし、そんな感情の変化に際し、適切に支援し支えていける職員に成長したと、家の職員を信じて決断した結果である。案の定、皆さんは、悲しみも寂しさも辛さも分かち合い、それでいてしっかりと自分自身の生を捉えることができている(今のところ・・・・(-”-))

人が生きることの意味を、こんな業界にいると毎日考えてしまう。僕自身が生きる意味、そして社会に多くの人が同じように生きている意味・・・そして、その中でも命を終えていく人がいること。もしも機会があれば、この死生観について酒を酌み交わし語り合いたい気分でもある。

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2013/6/1
治療より生活の質を

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厚生労働省研究班や日本老年医学会などが高齢者への適切な医療提供の指針をまとめた。

表題の通り『治療より生活の質を』とし高齢者の重複する疾病に対し、副作用などを避ける意味においても投薬を5種類までにおさえる。

長期間の寝たっきりを防ぐためにも転倒防止を促進する。

感染症にもろく重篤化させやすい高齢者にはワクチンの接種を行い感染症を予防する等の指針である。

もうすでに、この時点で、先日のブログで紹介した自民党の国会議員の質疑にあったような、オレンジプランの再検討を求める意見はゴミとなってしまったわけで、まったくもって不謹慎な発言であったことが露呈したようなものである。

私はこの指針を歓迎する。その理由として、高齢者に必要以上の延命を医療面から与えることは、より一層の不安と苦痛を与えることにつながると考えるからである。高齢者のすべてが不遇の余生を過ごしているわけではないが、ただ生きているだけと言うより(生かされている)楽しく過ごせる時間内に終わらせてあげたいと願うからである。

毎日、違う病院を巡り歩き、長い時間診察を待ち続け、一向に快方に向かわない疾患を思い不安になり、夜も寝付かれない時を過ごさせるくらいなら、楽しく過ごせる「時」を大切に考えてあげたいと思うのである。

昨日、家の親父を尋ねて行った。久しぶりに実家を訪ね、親父と話をするものの、そこには今までに見たことのない気弱な親父が居た。今を生活することの不安な気持ちや苦しみが伝わってくる内容の話をし始める親父に向かって、「何にも心配はいらん!大丈夫や!僕がいつも気にかけとる!」と伝えると、親父は涙を流した。

自分にとって常に力強く、スパルタンで頑固だった父親が初めて見せた涙。

僕は、歳を重ねることの苦悩を改めて感じ、悲しくなった。yama-8-700.jpg

2013/6/1
年齢とともに深く思い出す故郷

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この写真は、サンフランシスコをゴールデンゲートブリッジを越えて10分ほど走った、ダウンタウンの対岸にあるサウサリートという街。こじゃれたお店や家が多く、ちょっとしたセレブの街ってところです。サンフランシスコ湾を眺めながら、テーブルに灯るキャンドルの明かりのもとシーフード料理を楽しむ。もちろん、食事のお供にはカリフォルニアワインのシャルドネでも・・・

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そんなサウサリートで食事する頃には、夕日に沈むゴールデンゲートブリッジが・・・湾内を通過する大型貨物船の汽笛の音が聞こえてきそうです。

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サンフランシスコの玄関口。国際空港のエントランス風景です。到着、出発ウイングも上下に分かれてループ状の誘導路が作られています。学生の頃は、このエントランスから、空港に頻繁に遊びに来ていましたねえ・・・切符も持っていない、鞄も持たずにふらっと立ち寄って、飛行機に乗って各地に飛び立っていこうとする人々を眺めてました。別れを惜しむ人、再会を喜ぶ人、いろいろなドラマがありました。

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最後の写真はゴールデンゲートの料金所の写真です。こちら側がダウンタウン、反対に写真の奥方向に先ほどのサウサリートやワインで有名なナパ方面となります。60年代のキャデラックが写っていますが、アメリカって国、特にカリフォルニアには車検ってものがない。どんな古い車でも整備不良車でも走行しています。すべては自分自身の責任のもと・・・

古くは30数年前、僕は、その当時のアメリカでの生活に終止符を打って帰国した。滞在を延長しようと思えば可能であったわけで、時間の経過とともに市民権も取得できたと思う頃、自分の死に場所は日本が良い!と考えていたのです。確かに、アメリカでの生活に何の不便も感じていなかったのですが、それでも日本が恋しい気持ちが強かったのです。あの時はそんな気持ちでした。

そして、年齢を増して今の歳となり、急にアメリカが、特に故郷と言えるサンフランシスコが恋しくって仕方ない!このように写真を見ていると、自分の青春時代がありありと蘇ってくるのです。この道の先、この建物、この道路サイン・・・すべてが実物のように、自分の記憶の中に映し出されてくるのです。望郷の念と言うのでしょうか?日本で死ぬまでに、もう一度訪れてみたい。そんな気持ちに、心がはやるのです・・・


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