太陽の家

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ブログ-施設長の部屋

2011/1/10
デイサービスを利用する高齢者の気持ち。

 先日、太陽の家デイサービスセンターを利用する、ある方の問題について家族と担当ケアマネと話し合った。お年寄りを取り巻く問題は千も万も幾重にも重なり、非常に難しい問題を抱えている。単に風呂に入りたくない!布団から出たくない!という単純な問題ではない。問題は、その人の性格、環境、生活暦、現病または障害の程度に加え、家族の感情や思い等が複雑に絡み合っている。大半のお年寄りの抱える問題は、言うなれば「八方塞」である。これと言って明確な解決策が見えてこないのである。〉今日も、そのような複雑な問題に如何に対処すべきかを話し合った。前述の通り、このような四面楚歌な状況は、いたって当たり前な問題と言えばそれまでではあるが、僕は、このような問題を抱えた利用者を見つめることで、今のデイサービスが提供しているサービスを考えてしまう。

 またこれらの状況を自分に置き換えてみれば当然のごとく、デイサービスなどに行きたくもない気持ちは十分に理解できる。特に自宅で自由に気の向くままの生活をしているお年寄りにとって「管理」される事を嫌うのは当然である。しかし、管理されない生活は管理を必要とする状況を生みだす。例えば薬の過剰摂取や服薬忘れ、血糖値や血圧のコントロールに不可欠な食事制限などがそれである。人によっては管理される事を嫌うあまり、慣れてきた職員に八つ当たりする利用者も存在する。職員が口をそろえるように訴えていたが、最近一人の男性利用者の口調が荒くなってきた。と言うのである。理由はいくつか存在するかもしれないが、その中の一つに先ほども言ったような「慣れ」が関係しているのではないかとも思える。今までは職員との関係も他人的で社交辞令も交わしながらのお付き合いも、次第しだいと旧知の友となり、素直に感情を表にだしてしまう。もちろん、これも、その利用者の錯覚ではあるが、そこは少なからずも認知症を抱える高齢者でもある。良く理解してあげたい。そして、同時に、ここでもう一度、対利用者への接し方について見直す必要性もあるのかもしれない。

 なぜこのように考えるかと言うと、また、これも今日、一人の職員が提出してくれた自己評価を読んでからである。彼女は利用者が多い日に限って、何でもかんでも職員の方が率先して仕事として介助してしまう事を反省していたからである。僕は、彼女の自己評価にアドバイスとして、このように書いて返した。「利用者の介護をするという意識を変える必要があるのではないのでしょうか?困っているからお手伝いするのは、一般的な介護職員が行うのであって、私達は、もう一段上の支援を行ってみる。つまり、困っている原因を探し、その原因を排除するように支援する。例えば、認知症の利用者には一日の個別スケジュールを話し合って決め、それに従い自己管理をお願いする。脳梗塞で麻痺のある利用者には、その一番の原因である麻痺を改善できるようリハビリを集中的に組み込んだ介護を実践するなどである。もちろん、そう簡単には進まないのが現実であり、そこが現場にいない施設長の机上の空論と言われるかもしれないが、しかし、考えてみれば、利用者の方々が、なぜデイサービスに拒否をするかと言えば、そこに自分の意思が関与していないからである。自分の意思でこうしよう!こうなりたい!と思えれば必然的に利用者は率先して参加する事となる。私達は専門職として、このお手伝いをするべきであり、決して「排便排尿支援、食事介助、入浴介助」だけが重点項目では無いという事を認識しなければいけないと思う。

 この考え方を皆が持ってもらえれば、それだけ介護の資質は向上すると言えるのです。机上の空論。結構!太陽の家を利用して良かったと思ってもらえる為には、ここまでのことを推進したい。と願っています。そして、最終的には、この太陽の家に来てもらえる人々は、勝手に自分を管理でき、勝手に一日を楽しんでいってもらえ、私達のすべきことは、全てにおいて見守りだけの生活にしたい。そう願っているのです。その道は遠く険しいかもしれませんが、いつかきっと!

 

2011/1/8
久しぶりのブログ更新です。

今年は新年早々からの「年頭所感」などと気取って書き始めたこのブログですが、案の定、そのれから以降にパッタリ。まあ、僕的には色々な事が起こった年始ゆえ、どうかご理解を・・・

さて、今日はデイサービスの意味を考えてみたいと思っています。太陽の家では、今年の年始は4日からのサービス提供を行っています。今日で5日目ですが、久しぶりに朝から送迎運転手を担当していました。今年初の運転業務。運転する事に別段の苦は無いものの、その中で今日感じたこと。それは、我々デイサービスの事業者が提供できるサービスの限度を感じたのです。

利用者によって生活環境はマチマチです。一人住まいの要介護者もあり、老人夫婦二人で住まいし二人とも認知症であったり、家族は居るもののデイサービス以降は部屋に籠りっきりの要介護者など。本当に沢山のケースで溢れています。まず、この利用者の皆さんの精神状態を考えると、昼間にデイで騒いで楽しく振舞うのは良しとして、その反面、自宅に帰った以降のギャップを思うと、果たして今のままで良いのか?と考えてしまうのです。昼間は気分も高揚して楽しい、しかし、夜、一番高齢者にとって不安な時間帯に一人ぼっち。尚の事、夜の眠りに影響があるのではないか・・・?私達は利用者の皆さんの昼夜逆転現象を防ぐためにも昼間楽しんで頂いているのですが、それだけで夜ぐっすりと休めるのでしょうか?と言う疑問が一つ。

 そして第二に、認知症状の進んだ要介護者を介護する家族の苦労を考えると、果たしてこのままで良いのか?と言う疑問が起こってくるのです。この家庭は奥様が気丈な方で、甲斐甲斐しい介護を献身的に実施してみえるのですが、当の要介護者には、意思の疎通はまったく取れない状態で、夜間の介護を奥様一人で負担する事が出来るのだろうか?昼間でもデイサービスの職員数名で更衣を手伝い、トイレ介助を行っていることから考えても、重度認知症高齢者の介護を女性一人で介護するには、少々の厳しさを感じずにはいられないのです。

 介護保険の制度の問題ではなく、施設の出来ることが限定される中で、もう少しフレキシブルな支援が出来るようなシステムの構築が必要なのかもしれない。と同時に、職員さんも人間ですから、それぞれ24時間休みなしの労働は不可能です。職員にも負担が少なく、家族支援が出来るシステム。それは殆ど机上の空論のレベルでしょうが・・・

 制度が確立されればされるほど、「人間の生き方」に矛盾と言うかねじれが生じてきます。私が今日のブログで書きたいのは、このねじれです。社会福祉援助を専門とする立場としてふさわしい話題ではないかもしれません。しかし、社会の中には「生きる」と言うことを考え悩んでしまう事が多く存在します。僕は、人の生死を審判でませんし、自分の生死に関しても無力です。これが人間の性であれば、その性をより複雑に無闇な苦痛を負わせているのも性なのかもしれません。

 新年早々、暗いブログですが、次回は面白い話を書けるようにしますね。

2011/1/1
平成23年 年頭所感。

 みなさま、新年明けましておめでとうございます。本年が皆様にとって幸多い年でありますよう心よりお祈り申し上げます。

 平成23年となり、太陽の家は8年目に突入いたします。当初、訳分からず我武者羅に出帆した太陽丸ではありますが、ここにきてようやく方向性が定まってきたように思います。職員全体の資質も伴い、提供サービスも年々向上してきております。特にここ数年の全体的な活動は活発化しており、それに伴い利用者の皆様の意欲や期待感も非常に大きく変化してきてるように思います。これは、デイサービス事業所に限らず、グループホーム事業所でも同様、提供されるサービスが大きく改善されているように感じます。一番大きな変化として、グループホーム事業所においては「職員の笑顔」が増えたことがあげられます。そして、事業所の中が明るくなった。訪れてみて感じるイメージとして、家庭的な印象が出てきたように思います。もちろん、それまでのグループホームに家庭的なケアが行われていなかった訳ではないのですが、今の雰囲気は、そこに生活する場を感じることが出来ます。デイサービスが通いの寄り合い所と表現するなら、グループホームは、人が生きる家を感じるようになってきました。

 太陽の家では、利用者の方々を交えて食事を調理する作業を当初より、専門業者に委託してきました。其の分、利用者との関わる時間が増加すると考えたからです。しかし、ただ闇雲に利用者との時間を確保することは、そのまま良いケアに結びつかないこともありました。逆に職員への負担が増えるともいえるようでした。つまり、入居者の皆さんと一緒に、自分達の食べる食事を工夫する時間は、毎日の生活の中で大きな時間を占めるわけですが、その大きな時間枠が完全にフリーとなる分、その時間のケアを考えなければいけない職員の負担は大きなものとなっていったようです。必然的に覚醒している必要性を与えることが出来ないまま時間が過ぎてしまったように反省するのです。もちろん、過去の職員が何もしていなかったわけでは無いのです。職員に適切なアドバイスもできず、当然、其の革新的な問題点も見出せないまま今に至っていた点で、事業運営する側として反省をしております。そして、この期において、グループホームが変わろうとし始めた今を好機として、もう一つのステップを踏み出せるよう努力したいと考えています。三度の食事を業者委託することに変わりはありません。今までどおり、月に一回だけでも利用者の皆さんと楽しみながら献立を考え調理する日があるだけでも良いと判断しています。しかし、今年の目標は、それ以外の時間を持て余すことなく有効に活用できるよう支援する。そして、少なくとも昼間、病気でもないのにベッドに寝ていることの無い様な支援を心がけたい。其れで居て、ただ単に毎日の入浴だけが取柄とならないように努力したいと考えています。9人の方が個別に入浴するためには、少なくとも半日の時間が必要となります。職員にとっては半日ですが、個人にとっては半日のうち入浴している時間はわずか10分程度です。それ以外は、ただ単に待っている時間であってはいけないと考えます。今まで行ってきた支援を見直し、改善できる点は改善し、さらに利用者の方々が生きがいを感じることが出来るよう職員の一人一人が真面目に考える必要があると思います。そして、私はこの方向性を維持するために必要な決断はしてゆくつもりです。

 次に、デイサービス事業所に関しては、今までどおり個別機能訓練の充実を目指したい。これまでの機能訓練でそれなりの効果が見え始めてきています。利用者の気持ちの中に「期待感」が現れるようになってきました。しかし、問題はここからです。一つ担当する職員には認識してほしいのは、個々までの機能回復は比較的簡単に実現できます。それこそ、通常の機能訓練を継続すればよいのです。しかし、この先の機能の改善は今までのようには進まないことを充分に職員が自覚していないといけません。これからは忍耐との勝負です。ある程度、機能を向上させることに成功したら、次には利用者の自発的で地道な努力も必要とします。デイサービスですから、この太陽の家から帰ってからの生活も重要なリハビリの一環となります。この間を『沈黙の成果』と呼びたいのですが、同時に職員にとっても遣り甲斐を感じれなくなる時期でもあります。自分の突っ込む努力の割りに改善が見られなくなる時期です。しかし、この時期を疎かにすると将来的な機能回復に大きな差が生じてきます。結果を信じて、ただひたすらとなるかもしれないのですが、地道な努力と忍耐を薦めることとなります。今までのリハビリが機械的な機能訓練であるならば、今後のリハビリは拠りメンタルな、精神的な支援と言えるカもしれません。もちろん、この領域に達していない利用者の方も増加してきます。よって、職員として、同時進行で個別機能訓練を進化させ学んでいかなければいけません。今年は、言ってみれば新たなる改革の年といえるかもしれません。それは、利用者に限らず職員自身のレベルアップを目指すと言う意味においても言えるのでは無いでしょうか。

 総体的に、太陽の家は完熟期を迎えようとしています。高齢者介護に長年関与されている所先輩も居る中とても生意気なようですが、少なくとも職員の意識レベルは「完熟期」に差し掛かっていると考えてもらいたいのです。いつまでも教えてもらう受身の体制ではなく、自ら学んでいこうとする姿勢が必要です。昨年で成長した職員は、今年は更なるステップに登ってもらいたいのです。事業所としてもステップアップを目指す年、職員もそれぞれのステップアップを目指してもらいたい。また、職員間の調和に関しても、今ようやく職員の和が成長してきている。この「ハーモニー」を揺るがないモノに変える努力も必要と考えています。まったくの垢の他人同士が太陽の家に集まり、それぞれの考え方も生活習慣も違う中、高齢者介護を目的として集っています。どの様にすれば働きやすい遣り甲斐を感じることの出来る職場にできるか?この長年の私の夢を実現させるためにも、職員全ての協力が必要となります。今年一年を後に振り返るとき、後悔しないですむよう、最初から職員と話し合って、協働に努めていきます。

利用者のご家族は元よりご本人の生きがいを育てること、其の生きがいを糧に第二の人生の花を咲かすことが出来るような支援を行って生きたい。と考えています。利用者の皆さんと同じ時をシェアーする者として、この「時」を大切にしていきたい。

 

平成23年1月1日 元旦 

                                           太陽の家 施設長

                                            玉田 浩一

 


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