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ブログ-施設長の部屋

2023/7/17
認知症道中膝栗毛 第65話 (認知症に効果あると言われるものについて)

昨日、僕のアメリカにいる友人からメッセンジャーを使ってある質問がきた。

それには、日本ではアルツハイマー型認知症にCBDとTHCは使っていないのか?!と言う内容であった。

CBDとTHCって薬剤については、初めて聞いた事もあって、何のことを言っているのか

全くつかめないと返信し、早速、ネットで検索してみた。

つまりは、CBDとTHCってのは、大麻草から抽出される物質を取り出して

それをアルツハイマ―の人や、パーキンソン病の人に効果があるということで

アメリかのFDAが承認している薬物を言うらしいことまでは分かった。

CBDってのは、気持ちを安定させて落ち着かせる効果があり

これには覚醒症状と依存性がないために、日本でも輸入品が出回っているらしい。

しかし、THCってのは意識を高揚させる作用があり、依存性もあるために

日本では承認されていない。また、法的にも大麻取締法に抵触するらしい。

さて、何はともあれ、アメリかにおいては認知症の新薬として、ある製薬会社の開発した薬剤が

近いうちに日本でも承認されるという話である。

認知症となって中重度の患者には効果のない薬剤であり、非常に高額な薬剤でもあるので

これが一気に認知症の人を救えるとは思いにくい。

認知症の人の基本的な諸症状を受けて、本人が一番不安になり、その感情がもととなって

日常生活に支障をきたすことから、今の支援者たちは、認知症の人の抱える弱点を補い

その人の思いに添った支援を行うことにシフトしている。

 人間だれしも年をとる。そして、長生きすれば、それなりに生きることに支障が生じる。

この生きるために支障となる部分を緩和してあげる、またはそこを補ってあげることで

不便だけど、それまでの生活に近いものは得ることが出来る。

僕は、認知症に対しては、お薬で抑え込む事より

生活支援をもって普通の生活をおくれるよう応援してあげることが

一番優先されると考えている。 

2023/7/13
認知症道中膝栗毛 第64話(アメリカにおける認知症グループホームの費用)

認知症の人が基本人数9名で共に共同生活を行いながら暮らす施設に

グループホームが日本にはある。

当太陽の家にも1ユニット(9名を一つの単位としてユニットを構成している)

を持ち、24時間365日、認知症の人のお世話をしている。

費用的には、介護保険料の給付金(要介護状態に応じて費用は算出される)に

対して、個人の自己負担割合によって毎月の支払金額は変更となり、

そこに居住費、食費、医療に係る投薬代などを含んで月額の使用料が決まる。

介護保険から支給される額を含め、一人の認知症の人に係る費用は40万円から

50万円程が日本の全ての地域にある施設に支払われている額となる。

ただ誤解の無いように追記するなら、この40万~50万と言う額面には、

介護保険から支払われる額も含まれているため

個人が負担する額は10万~20万程度である。

この額が高いか低いか・・・?!は、此れから皆さんにお話しする

アメリカ合衆国の認知症の人の施設入所に係る費用をみて考えて頂きたい。

先般、訪問したアメリカ合衆国カリフォルニア州のサンタクララ群。

要するにシリコンバレーとして有名な地域にある。

認知症の人の暮らす施設の費用がネット上でも紹介されているが、

そこには一人月額$7,500~$12,600と記載されている。

日本円に換算して(今現在の為替相場$1=140円で計算)

1,050,000円~1,764,000円であり

ざっと計算した平均費用額が$10,050=1,407,000円。

介護保険制度もなく、医療保険制度も日本のような皆保険制度でもないアメリカでは

多額の資産や預金がない限り、このような施設入所は非常に困難である。

では、そこで行われている介護の質は?と問われるが、

給料が良いだけに、そこに集まるスタッフの知識とスキルは当然、

上質な者が多いのは確かである。

今、日本の介護の現場では専門的なスキルを求められつつ、

なかなか介護職の社会的立ち位置が欧米のような

専門職として認められていない点が、私としては介護職員に対して

社会全体が認識を改めてもらわないといけないと思っている。

特にアメリかでは、認知症の人だけでなく高齢者ケアを行う人々は、

医療ケアワーカー同様のステータスをもって認識されている。

アメリか程の給料はムリとしても、日本の介護保険制度も一律の給付額で、

決められた金額しか得ることが出来ない社会では

働くモチベーションもベクトルも働かないのも、ある意味当然である。 

2023/6/28
認知症道中膝栗毛 第63話 (近時記憶と即時記憶)

認知症の人は物忘れが、一般的に多くの方に知られています。

認知症=物忘れと言われる程、大概の人は物忘れが始まると認知症を疑い始めます。

これは本人においても同じことで、自分の中で覚えられない、思い出せない。ことに非常に敏感に不安感を覚えてしまいます。

だから、認知症になるとイライラしたり、時々わけもなく(周りからはそのように思われる)怒りっぽくなったりすると思われています。

これらの症状は、近時記憶(しばらくたった記憶)一般的に1分から3分程度~数か月程度の以前の記憶)

即時記憶(直前の記憶)一般的に数秒から1分程度の記憶の障害への拡大につながる状況があります。

認知症の初期には、思い出せたことが思い出せなくなる。しかし、何かヒントを与えることで思い出すこともある。

しかし、中度に進行し始めるとヒントを与えても思い出せない。それだけ記憶の容量が小さくなり始めているからです。

私たち専門職は、この初期から中度にかかる認知症の人達に対して、どの様な支援をすれば不安感が減少するかを考えて実行します。

①叱らない

②時間をかけて急がせない

③思い出せなくても安心できる対策を行う

④感情を動かす声掛け

⑤身振り手振りで視覚を活かす支援を行う

⑥忘れても良いことを伝え、記憶を肩代わりする支援を行う

簡単に思いつくだけでも、これだけの支援方法があります。

記憶障害は、本人にとっても非常に辛いことですし、不安なものでしょう・・・

自分自身が変化していくことは、そのまま廃人となりつつあると思い込んでしまいます。

問題はこの感情の揺れ動きです。

だから、周りの者が『忘れてもええのよ!」と、そして「忘れてもいいように対策しましょう!」と声掛け出来れば

しっかりと本人の思いを支えることが出来るでしょう。

これが、認知症の人に寄り添うケアです。 

2023/6/27
認知症道中膝栗毛 第62話 (雑草のごとく)

雑草と言われる植物は強い!

どこでも場所を問わず生きながらえる。

人間も、昔は、雑草のごとくたくましく力強く生活していた。が・・・

細菌の若い人たちは、滅菌生活のために、ちょっとした雑菌にも反応してしまう傾向にある。

高齢者もしかり。私自身も贅沢にも近代的な生活をおくらせてもらっている影響で

ちょっとしたことで体調が崩れてしまう事もある。

しかし、このオブラートに包括されて生きる姿勢も

ちょっとした手加減、さじ加減で状態の改善に結び付けることが出来る。

すっこし以前の話、うちのデイサービスを利用されるAさんは

最近では、、もっぱら車椅子での移動を余儀なくされてしまった。

慣れない車椅子の生活はとても不自由で、一日中、椅子に座っている時間も増え

お尻や腰の痛みを訴えることが増えてきた。

クッションを替えたり、色々と手をつくすも

一項に腰痛とお尻の痛みは改善されない。

そこで考えたのが、一日のうちで定期的に立ち上がりの訓練、立位保持の訓練、

お尻を動かす訓練を取りいれた。

すると、それまで立位保持も不安定で、脚がぶるぶる震える状態だった人が

立ち上がりスピードも速くなり、立位も安定してきた。

おまけに最近では、お尻の痛みも腰痛の訴えも全くなくなった。

だれしも、椅子に座りっぱなしではケツも居たくなるわな!!と

我ながらこの訓練を取りいれて良かったと思ている。

人間、必要以上に甘やかすと、弱腰になり、ちょっとしたことにもめげ易くなる。

何事も雑草のごとく!しぶとく生きなければいけないね!と思っている。

 
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2023/6/22
認知症道中膝栗毛 第61話 (認知症を楽しむ)

昨日、日本の認知症の第一人者である和田行男氏を三重県にお招きしてお話を伺った。

和田氏だけでなく、広島の戸谷先生(医療法人社団聖仁会副理事長)とNHKの番組制作 福祉班チーフディレクター

の川村氏。認知症では、全国に名をはせたプロフェッショナル達の豪華メンバーでパネルディスカッションを

開催した。

ハイブリッド方式で、会場で対面式プラスZOOMミーティングで配信した。

なかなかハイブリッドってのが難しく、開始早々から大きなトラブルに見舞われ

結構なブーイングを受けながらの開催。(笑)

さてさて、この中で、和田氏は認知症の人の行動心理症状の捉え方について

「次に出る行動心理症状を楽しめ!」と言われた。

和田氏自身も、認知症ケアにおいて、いろいろな症状が出現し驚かされる中、

それを嫌なものとしてとらえるのでなく、

「こう来るか・・・・!!」と感心することも含めて、変化や思いもよらない奇行に

興味を持つことで逆にストレスではなく楽しめる!と言い切っていた。

ストレスとならない。ってのは、凡人の僕には非常に難しい。

だって、夜も寝ないで歩き回る。同じものを買ってきて、冷蔵庫の中には生卵ばかり・・・。

繰り返し、家に帰ると言い出して、外に出ようとする。

そんな状態を楽しめなんて無理じゃない・・・?!

しかし、よくよく考えてみれば、和田さんが言うように

そんな突飛な言動の主を客観的にみることが出来れば

意外と簡単に、その様な症状を苦にはしなくてすみそうだ。

客観的に相手を見るということで。それらの行動に対し冷静に笑って済ませることがk脳となる。

客観的とは、決して無視することではないし、非常にプロフェッショナルな思考ではないか・・・

家族さんにしろ、介護職員にしろ、認知症を観るのではなく、人として相手を観れば

突飛な行動に笑え、許すことが出来るんではないかと考える。

簡単な例として、人ごみの中で鼻くそほじっている人を見て腹は立たないよね。

むしろおかしくって仕方ない。

発想の転換ってのが、燃え尽きそうな人に重要なんだよね! 


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