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ブログ-施設長の部屋

2023/7/29
認知症道中膝栗毛 第69話 (表現が不得意な認知症)

うちの通所介護を利用されている方でお一人の男性高齢者

認知症を患い失語症を発症

全く言葉を話せない状態である。

意思の疎通もはかれてないように周囲には思われている。

通所介護の送迎時にも、通所介護滞在中も何も問題なく過ごされている。

ただ、当初より家に帰りたいのか、一人で立ち上がり玄関口に歩かれる。

当初はかなり頻繁に立ち歩くものだから、職員も毎回後を追うこととなる。

最近ではめっぽう徘徊(あえてこの言葉を使わせてもらうが・・・)は減少した。

その理由として、少しは環境に馴染んだ。

次に職員は本人が一人でできる活動を提供している。

職員の顔にもなじみが出来て、周囲に関して安心感が形成されようとしている。

時間はかかるが、地道な接点を増やすことが先決。

あとは、言葉を失っても、全ての能力を喪失したわけではないので

その状況を理解し、適切な接遇を心掛けることが求められる。

子供扱いしない!特に幼児言葉で話しかけない!

言葉が出ないから、その人の前でその人の感情を度外視した発言等に配慮すること。

認知症であっても、その人の感情や気持ちは以前同様残っていることを

介護にあたるものすべては認識しなければいけない。

2023/7/27
在宅での生活を守るために

 

在宅での生活を守るために

 


在宅での生活を守るために

~暑い夏をのりきり健康で暮らすために!を希望される皆様へ~

 1.高齢者のフレイルについて

 2. 暑い夏を乗り越えるために

 3.便通をよくし、健康でいるために

 4. もしもの時に備えて

 ⒌ しめくくり

 

高齢者のフレイルとは・・・

フレイルとは、虚弱と訳される医療用語です。今、テレビでも、耳にする言葉ですが、少し具体的にフレイルを考えてみましょう

~暑い夏を乗り切るために~

何よりも水分補給が重要です。人間の体の60%は

水分で成り立っています。

 

 

 

 

人のからだは37兆個の細胞から成り立っています。そして、その細胞を構成するものとしてタンパク質、水、核酸、脂質、炭水化物などがあります。そして、「水」は細胞を構成すると同時に、血液などにも大きな要素として非常に重要な役割を担っています。そして、細胞は再生し続けています。おおよそ4か月で入れ替わると言われています。また、2年で100%が入れ替わり、全く別物になるという説もネットには書かされていました。2年で別物になるなら、私も二年で若返ることとなるのですが、これにはいわくがあって、細胞自体の数十パーセントってのは完全に死滅し再生されなく成ることから老化は始まります。さて、老化現象はともかく、細胞が入れ替わるために人は、どれほどの水分を必要としているのでしょう。その答えは一日1.5リットルから2リットルの水分を必要としているのです。高齢となって活動量が極端に減り、寝たっきりの状態であっても最低1リットル程度の水分は必要です。介護の現場では一日に摂取している水分量を記録に取っています。便秘、尿にまつわる感染症や発熱、血液が濃縮されて血管内の流れを阻害し梗塞や血栓などの体調の異変に対し医療と連携しながら健康維持に向け疾病の早期発見、早期治療に結び付けています。そして夏の季節に最大の危険として熱中症が連日のニュースでも取り上げられているように、水分補給は生きるために非常に重要かつ大切な課題であります。歳を重ねるほど水を飲むことがしずらくなるようです。一つはトイレの回数を気にするため。もう一つは、嚥下と呼吸器の衰えから水を飲むことが苦しくなるからです。高齢者は飲みにくい水分を無理して毎日飲んでいるのですね・・・。

しかし、この苦行とも思われる水分補給ですが、苦しくとも飲んでいただかなければ生命の維持が難しくなります。手を変え品を変え、水分の補給を心掛ける事こそ健康で夏を乗り切る方策です。ここで、お父さんに一言! 幾ら水分補給と言えどもビールは水分補給になりません。ビールやコーヒーには利尿作用があるので、のんだ水分以上に排出してしまう事となるので充分注意が必要ですね。

~便通を良くし健康で過ごすために~

『うんち』って大事ですよ!

毎日健康なうんちしてますか~??!!

 

 

 

 

 

毎日の健康な「うんち」って、意外と難しいのですね。これは年齢に関係なく女性に便秘ぎみが多く、この夏場は特に便秘に陥りやすいと言われています。世間一般的に食物繊維が少ないと便秘になりやすいと言いますが、そればかりではないのですね。まず、定期的に食事を適量食べることが重要です。そして、それと同時にしっかりと水分も補給することが基本となります。この基本プラス睡眠、運動を忘れない事。認知症の人は昼夜が逆転してしまいがちですが、この昼夜逆転に関しては、午前中の紫外線を浴びる事で体内時計の調整を行ってくれます。そして、日中の活動量を確保すること。特にお腹周りを活発に動かす努力は、良質な排便に有効です。それには歩くことが求められています。しかし、残念ながら車椅子での生活を余儀なくされている方にとっては、運動しろといわれるのも心外かと思います。このような場合は、お腹の『のノ字マッサージ』が良いです。いろいろな食事と運動に十分な配慮を行っていても定期的に自立した排便の無い方には、腸閉塞や不穏感情などの発症原因となってしまいますので、やはり少なくとも3日~4日に一度は出したいものですね。


 それでは、自然排便でなく薬剤を使う排便について少し触れておきましょう。薬剤と言っても色々な薬剤があります。大きく分けて機械性下剤、刺激性下剤、その他の3タイプに分けることが出来、うちの施設でもいろいろなタイプの下剤を医師の指示にしたって服用して頂いております。ただ、刺激性下剤に関して言えば、大腸や小腸の蠕動運動を強制的に高めて排便を誘発させるもので、急激な腹痛に伴って突発的に便を排出することがあります。移動動作が緩慢な高齢者にとって、突然の便意に間に合わず、パンツの中で…と言うケースもあります。いずれにせよ、人によって有効なお薬は違ってきますし、特に刺激性下剤を常用することは、体内に抗体を作ることになり、次第にお薬の効果が弱くなることもあります。くれぐれも医師との連携を図るためにも、排便記録を残しましょう。その為にも便の形状と量についても記録し、主治医に確認いただくことも忘れないようにしましょう。参考のために医療関係者が使っ
ているブリストル形状スケールを参考にしてみてください。

 それと言い忘れてしまいましたが、便秘が続くと、高齢者の方に多いのですが、突然の意識消失があります。便秘を解消しようとする身体の血流が胃と腸に集中し、脳に流れるべき血流が不足して意識がもうろうとなり、呼びかけにも応答しなくなるのです。突然の意識消失は周囲の人を慌てさせることとなり、最悪の場合は救急車の要請につながることがあります。以前、イタリアンレストランで美味しい食事を食べた後に、トイレに入った高齢の女性が意識をなくして救急搬送された場面に出くわしたことがあります。便秘と言えど、簡単に考えずに普段か

もしもの時に備えて・・・

もしも貴方に・ご家族に緊急的な医療処置が必要と

なったら・・・どうしますか?

ら注意して健康なウンチを心掛けるようにしましょう!

 

 

 

 

 

私の事をお話ししましょう。一昨年の夏の日曜日の午後に妙に視野の狭さくと動悸・息切れを感じて自分なりに異変に気付きました。そのまま横になっていれば治まるかと思いながらも症状は一向に改善しないため、総合病院の救急外来に電話して受診することにしました。自力で救急外来には行ったものの、そこで医師の問診を受けている最中に痙攣をおこし意識がなくなり、心停止になったそうです。問診を受けているところまでは覚えているのですが、痙攣と心停止以降の記憶は全くありません。さて、そこから緊急オペを受け、何とか蘇生されて今に至っています。つまり私の症状は心筋梗塞だったのですが、突発性の心筋梗塞の発症が病院の中だったこと、循環器の医師が当直で勤務していたこととラッキーにも命拾いしたわけです。

 さて、この緊急的な体調の異変に際し、私自身も将来を懸念することとなったわけで、今後の救急処置に際し自分なりの「意向」または「要望」を家族で共有する必要性を強く感じました。そこで重要となるのが、今、社会的にも話題となっているエンディングノートの作成です。

 エンディングノートとは、自分自身に、もしもの事態が生じたときに、どこまでの医療と介護を求めるかについて書き記す要望書の事です。まさか死ぬことを想定して、誰も先の事を考えないと思われるかもしれませんが、もしも貴方に人工呼吸器の設置が必要と医師が判断した時、その処置をあなたは望みますか?もしも貴方が認知症となった時に、どの様な介護を望まれますか?いざ、そのような状態となった時に、医師も介護職も、その人の意向は読めないのです。死に際を生前より決めておくことは迷いもあり、なかなか決断できないかもしれませんが、このエンディングノートは何度も書き換えても良いのです。ただ、生きている間に、自分自身の最期をどうするかについて、ご家族を含めてお話ししておくことが重要です。記録に残さなくとも家族間で要望を共有しておくだけでも、大切な人生のエンドステージを自分の思うように終えることが出来れば幸せかと思います。勿論、何としても生きたい!と言う要望も有りですから、エンディングノートには、完璧な『延命治療を望む』と書いてくださいね!

 それと、エンディングノートには、自分の葬儀の仕方や残される家族への最終のメッセージなどを記すことが出来ます。人間、いつかは死ぬ事を考えれば、どの様な終末を演出するか・・・もう時代は「死」を恐れるのではなく、自分の人生を精一杯演出する時代なんでしょうね。

 

・・・・まとめ・・・・

いろいろな事を書いてみましたが、今回は基本的な人の命の大切さを含めて、医療介護に携わらない人でも理解できるようなお話を書かせて頂きました。その人の立場によって、または人生観によって生き様は違います。皆さんの『思い』が最優先されます。良くも悪くも、皆様の意識の中に一石を投じることが出来れば幸いかと思います。一度っきりの人生、全ての人に悔いが残らない人生でありますよう、少なからずお役に立てれば嬉しいです。

 


 令和57月吉日

 

  太陽の家 施設長  玉田浩一

 

2023/7/27
認知症道中膝栗毛 第68話 (環境の変化に敏感な認知症)

今日、デイサービスを利用される一人の認知症の方。

うちのデイサービスでは、お席の配列を決めていないのです。

当然日替わりで利用者の顔ぶれが変わるデイサービスですから

席の割り当てなど存在しえないのです。

ただ、毎回、このあたり・・・と言う具合で

その日によって席の位置は決めています。

さて、そのような場面での出来事。

今日は、その毎日の配置と違い、少し離れた場所で

隣に席する面子も変わってしまいました。

すると、いつも興奮されることの無い方にも関わらず

今日は、いつもよりも興奮気味に大声をあげられました。

毎日利用されることもないかたでも、私たちが思う以上に

周囲の環境の変化には敏感なんですね・・・

早速、場所をいつも箇所に移すと、いつもと同じように穏やかに

過されて笑顔もみえました。

認知症の人を理解しているつもりの私たちも、また一つ学びが増えました。

 

2023/7/20
認知症道中膝栗毛 第67話 (あぁ~勘違い)

昨夜は、認知症グループホームの協議会スタッフの方々とZOOMを使った意見交換会を行った。

現場の介護職員さんもいれば、管理者も混ざっていろいろな視点で意見交換が出来た。

その中で面白かった事例として、夜になると全裸で歩き回る男性。

勿論、認知症を患っている。

通常のグループホームってのは9人をマックスとして

ユニットケアを実践している場で、当然、夜勤は一人体制である。

そんな夜勤に女性スタッフが担当する事もある。

うら若き女性スタッフからすれば、施設の廊下やリビングに全裸のオッサンが現れたら・・・

結構恐ろしいのも当然である。

それで、よくよく分けを聞いていくと、その方はお風呂を探しているのではないか・・・?!と言う

認知症となっても、昔からの習慣は残るわけですから

その人が自宅にいたときのように、夜になり全体が寝静まった頃にひっそりと風呂に入る。

そのような生活をしていた人なら、全裸で歩く行為は納得できる。

さて、その原因は理解できた。次に、その人が勘違いを起こさないで済む様な働きかけが必要となる。

その施設のスタッフの皆さんで、しっかりと話し合って、勘違いを正してあげる工夫に行きつけばよいね!と

私たちが奇怪な行動や暴力行為と評価する認知症の人の行動全般に対して

やはり、そこにはいろいろな理由がある。そして、大半はその人の勘違いが原因であること。

そんなことを改めて勉強させて頂いた。

2023/7/18
認知症道中膝栗毛 第66話 (認知症の人のサービス拒否)

認知症の人には、少なからずサービス拒否ってのがあって

お手伝いしたいのに、お手伝いを拒否する!

熱中症を心配するあまり、デイサービスの利用を勧めるも拒否!

汗かいて皮膚炎の危険性があるから入浴を勧めても拒否!

ごろごろ寝てばっかりでは体調もすぐれないだろうと、運動を勧めるも拒否!

そーなんです。何でも自分が必要と思わなければ、、他者の援助を拒むのが認知症なんですね。

さて、私たち介護の担当者としては、それらの拒否に対して

非常に無力である。

その理由は、その人との人間関係が構築されていないからであり

相手から見れば、全くのアカの他人。

他人さんから言われて、素直にその指示に従うことは

一般的な人間の、一般的な対応。

ここの所が、介護に携わると見えてこないのがケアを担当する者たちの一番のウイークポイント。

介護のプロだから、初対面から相手の事をよく牛っている思い込みと

自分の能力に対する邪悪なプライドにモノを言わそうとする、そんな節が介護職員にはある。

勿論、僕にそのような間違った自分本位な思惑が渦巻いている。

今、うちのデイサービスを使ってもらいたい認知症の方がいて

その方をお誘いに自宅まで、無駄を承知の上で通い続けている。

今日も一回、これで5回目のお迎えに行ったこととなる。

その都度、玄関先で何のかんのと口実を言われて通所に来ることを拒まれる。

当事業所に相談があった当初より、拒否の強いのは想定され

そう簡単には通所利用につながらないことは予想されていたが

ここまでひたむきに拒否が続くと、事業所としても、逆に意地となる。

介護保険制度上、通所介護の利用なく、ご自宅に伺ってお誘いするだけだと

何の費用も発生しない。要するにタダ働きである。

しかし、これも一人の認知症の人の人間的信用を獲得する上において

どうしても書くことが出来ない重要な行為なのである。

そして、今日は、この熱波の中、無駄骨と分かりつつ自宅訪問した時に

その当事者が熱中症に似た症状を見せたことによって

救急搬送の手配を行った。救急車が来るまでに、自宅の冷蔵庫からお茶を出し

冷えたペットボトルを使ってクーリングを行い

扇風機を回し、体の冷却を実施した。

何とか、病院について事なきを得たものの、今日の朝の訪問がなければ

その人はどうなっていたか・・・非常に不安定な状態で生きながらえているのが現状である。

本人の拒否があるから、無理強いすることなくサービスを使ってもらえる事を望みながら

これからも空の送迎車を送り続けることとなる。

太陽の家では、あえて無駄と分っている業務も、一人の担当者が地道に継続して行っている。

・・・太陽の家の自慢話のようになってしまったけど、実際の現場は余計なお世話を必要としているのです。


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