太陽の家

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ブログ-施設長の部屋

2009/9/3
うちの丸子さん  第七弾 

 丸子さん、今日もご機嫌斜め! 今日は特に愛想なし!って様子。朝方のお散歩には参加。9時ちょっと過ぎには入居者の二人と一緒に帰ってきた。普段だと『ただいま・・・!』の言葉があって、笑顔が見れるけど、今日もなし。そのままお友達の三子さんのところへ寄り添うように歩み寄り、職員が差し出した椅子に腰かける。他者の方々と一緒に機能訓練を受けるのは受けるが、どこか楽しくなさそう・・・

 で、お友達の三子さんにお風呂の順番が回ってきた。三子さんから一緒にお風呂に入ろう!と誘われていたけど丸子さんは断っている。見るに見かねて看護師が入浴を勧めるが、ガンとして拒否! それとなく丸子さんの肩に手を回すと身震いする。言えば言うほど、頑なに拒否する。三子さん、仕方なく。と言うか、それでも後ろ髪を引かれるように脱衣所方向へ歩き始めた。それでも、丸子さんは知らぬ存ぜぬ!って様子。

 は~ぁあ・・・困ったなァ・・・・でも、また先日の様にペルー人職員が声掛けすれば、何の問題もなく入浴するのでしょうか・・・?まあ、放っておこう!っと。

さて、丸子さんは、入浴を拒否し、三子さんをふろ場に残して、とっとと自分の居室へ戻ってしまった。

 三子さんは入浴後に必ずお化粧をする。口紅もぬって、おめかしをする。そこへ、デイ利用者のお~い!さん、今日は珍しく活発で行動的。三子さんが席に戻るなり口説き始める。「昔から、あんたのことベッピンやって思とった!・・・ひひひ・・・」 まぁ、なんとスケベそうな笑い!と思いながら会話を聞いていたが、さすが三子さん、怒りもせず上手にいなしてしまう。流石のお~いさん、一本取られてしまった。

 さて、それから事もなくお昼ごはんも終わり、お昼からの予定を終了し、そろそろ帰宅準備という頃になって、三子さんが事務所を訪れる。

「ちょっと宜しいですか?お話が・・・・」という調子で私の顔を見る。「どうしました・・・?」と答えながら、三子さんに椅子をすすめ、その横に自分も移動する。私が横に腰かけてお話を聞くと、ここへ来るのも今日が最後ということを また話し始める。    来たきた!いつもの奴だ!と思いつつ、シッカリとお話に傾聴する。ご主人に先立たれたこと。年金生活であること、家族とは別棟で同居している半一人暮らしであること等など。繰り返しお話しする。どうも三子さん、年金生活であることとご主人が先だったことから将来的に経済的な不安があるようだ。三子さんには、ここのサービスを継続しても必要な経費はごくわずかで、残りはお国が支払ってくれるのよ!と、専門家らしからぬアドバイスをさせてもらった。介護保険だの社会保障だの、専門的なお話は高齢者には複雑すぎて理解できないだろうし、特に認知症の方々には余計な不安感を扇ぐことになりかねない。だから、単純明快に分かりやすく、利用者負担は大きな問題ではない、心配する必要もないことを伝えた。 三子さん、何度も何度も同じ問題意識に戻ってしまうのです。一生懸命説明して、理解してもらったように思うが、結局はまた振り出しに戻ってしまうのです。おおよそ30分程、同じ悩みごとの相談、同じ内容の回答、同じ相談、同じ回答を繰り返してようやっと本人さんも納得(本当は納得できていないと思うが、彼女なりの僕への心配りなのでしょう。分かった振りして、「お時間をとらせてしまって・・・ごめんなさい!」と言ってご自分の席に戻られました。

 認知症の方の問題は、なかなか物事をスムーズに理解するには至らないことがあります。三子さんが自分の実の母親なら、僕も冷静に対応できたでしょうか?とても難しいと思います。実母であれば遠慮もなく、繰り返しの内容に面倒な気持ちが先に立ちそうです。認知症高齢者ケアは親族には非常にきびしいモノがあることも、この件を想像していただければ理解していただけると思います。

2009/9/1
うちの丸子さん  第六弾

  今日の丸子さん、どうも調子が出ない。いつものように笑顔がない。そっと近付いて行っても何の反応もない。『丸子さん・・・今日は体調悪いの?』と聞いても『何にもない!』と素気ない。普段なら、僕の顔を見ると「久しぶりやなぁ・・・あんたの顔を見ると嬉しいわ!息子みたい!」と言ってくれるのに、今日は何も言ってくれない。

そう言えば、今日は朝から神経内科クリニックを受診したんだった・・・・その時、診察室での会話が影響してるのか・・・・?ちょっと、明日、担当者に診療の様子を聞いてみよっと!

認知症って、本当に難しい。本人を前にして会話する内容に十分注意を払わないと、後でとんでもない結果になってしまう。

そう言えば、先日、僕も一度(一度に限らないほどの数々の失敗の中の一つ・・・はははは・・・・)やってしまった!経験があるのですね。サービス担当者会議の席上、利用者を前に、ご家族と一緒にお話をしていたのですが、本人には十分と説明を行い納得していただいたつもりなのですが、時間の経過とともに鼻っしの内容が部分的に記憶の中から欠落していき、次第しだいと本人を不安感情に陥れていく。そして、本人は困り果てて、ほかの職員に相談する。他の職員とて、寝耳に水の話。まったく話の筋が見えてこない。どうやって本人の不安感を払いのけてあげるか????!!!!と悩んでしまうのですね。僕は、その頃、のんびりと何食わぬ顔で、一人優雅に裏口の喫煙所でたばこ休憩。僕の居ない事務所では、困ったちゃんを囲んで右往左往・・・

 認知症って、この点が家族介護の難しさなんですね。意見の食い違いなあんて朝飯前。挙句の果ては、お互いが悪者で罵倒の対象となり険悪なムード。なんて家庭環境は、認知症高齢者を抱える家庭ではよく耳にします。でも、よくよく考えたら、これが自分の立場に置き換えたら・・・やはり怒り出すかもしれない。だって、自分の聞いている内容と現実が違っていれば、または、何かの話を聞いた覚えはあるけど、その内容までしっかりと覚えていない。自分の記憶にとどまらない程度の事象だから重要でもないだろが、何も知らされていなくって今晩寝る場所が無かったら・・・どうしよう・・・?ってな具合に。

 認知症でなくとも不安になるよ!  だから認知症の高齢者には、あまり複雑な説明は避けて、わかりやすく理解しやすいように噛み砕いて伝えないといけないよね。(と、いつも反省はするのですが。)

2009/8/31
ホームページ アクセス数・・・・ありがとうございます。

何だか妙なタイトルのブログですが、今回、このホームページのアクセス数が2584件に達しました。実は、皆さんには見えないのですが、私の方では、このホームページへのアクセス数が見えるようにシステムを組んでもらいました。

8月7日よりカウントし始めて、今日の時点で表記のように2500件を超えてしまいました。一日100件以上のアクセスがあるということですが、その中でも私のブログを見に来てくださる方の数が311件。古いブログの閲覧などを足していけば、倍近くの方々の閲覧があったということです。それほど大した文章力も無いのですが、皆さんの閲覧数の増加はブログを書く意欲に直結しています。本当にありがたいことです。

 また、ブログ自体の更新も数が徐々に増加傾向にあり、今月は21のブログをアップしました。以前のブログにも書きましたが、これで皆さんからのご意見やご要望を聴くことが出来れば、尚のことうれしく思います。ブログに関してでも結構ですし、なんでも結構です。このホームページに付属されている「お問い合わせ」窓口を使っていただき、送信ボタンを押していただければ私の手元に届きます。ぜひ、皆さんからのご意見などをお待ち申し上げております。

2009/8/31
うちの丸子さん、第五弾

 今日は、ちょっとさみしい丸子さんのお話。

 今日の夕暮れ時というより、あたり一面はとっぷりと日が暮れてしまった頃ですが、僕は外出から帰り、車を降りて自宅に戻る頃のお話です。皆さんはご存じない方も多いと思いますが、私の自宅は施設の真横にあり、丸子さんの居室の窓が、我が家の玄関側にあるのです。中央道路の喧騒からちょこっと中に入った、少しだけ静かな位置に居室を持つ丸子さん。何気なく彼女の居室を見上げると、部屋の中に電灯の明かりはなく、暗がりの中で一人、窓から外を見つめる丸子さんの姿を見ました。ただ、遠くの方を見つめながら一人で呟いているように、口が動いていました。彼女の眼下に僕がいることも目に入らず、ただジッと外を眺めています。

 昔のことを思い浮かべているのでしょうか、彼女の眼には今の周りの情景は一切入らないようです。ただ、ひたすら見つめ続けている丸子さん。彼女の眼に何が映って、何を思っているのでしょうか?僕には丸子さんの気持ちは計り知れなかったのですが、その姿を見た時、声をかけて現実の世界に僕の勝手な意思で引きずり下ろすことに抵抗を感じ、そのまま、何も声がけもせずに自宅の玄関を押しました。

 太陽の光が世界を照らさなくなる夜は、僕たちでもセンチメンタルな気分になります。昼間は情緒も何も無いほど騒いで元気だった自分も、夜の帳が下りる頃には、とても感傷的になります。丸子さんにしても同じなんでしょうね、きっと。 遠くに輝くお店のネオンや街路灯の明かりを見つめながら、昔、彼女が暮らしていた世界の一部を思い起こしているのかもしれません。僕が認知症になって、窓越しに思い出に浸る時には、きっと一番素晴らしい時代の街の明かりを思い出しているのかもしれません。

2009/8/29
丸子さんのお友達の話

 丸子さんの大の仲良しさんのお話です。

 三子さんって元々は頭脳明晰、とても育ちの良い良家の娘さんでしたが、年齢と共に認知症がすすんできました。物忘れ以外は特に身体的に障碍を抱えているわけではないので、気の向くまま行動しています。ただ、日中、よくうたた寝をすることがあります。三子さんは週のうち4日間、うちのデイサービスを使って見えます。今日も一日、明るく、気丈に振舞ってみえました。歌を唄い、色塗りをし、しりとりに元気に参加されていました。いよいよ、帰宅時間が近くなってきて、私の顔をみると急に立ち止り、背筋を伸ばして私の前で深くお辞儀をされました。そして、「今日で、私、こちらも最後となります。長い間、いろいろとお世話をおかけしました。」と言われるのです。

 急に、そのようなご挨拶をされ内心では「俺は、そんなこと聞いてないぜ・・・!」と思いながらも笑顔でご挨拶をさせていただきました。「そうですか・・・・今日が最後ですか・・・残念ですね!」 「また、いつでもお越しください。お待ちしていますよ!」とお願いして、その場を離れました。いよいよ、送迎バスに乗っていただきシートベルトを締め。バスは三子さん宅にむけて出発してゆきました。

 それから、一時間ほどして送迎担当の運転手さんが帰ってきました。運転手さんには、自宅に着くまで再三、今日が最後ですから!と繰り返し話をしていたらしいのですが、自宅に到着するなり、今度は私は次、いつ来るの?と聞いたらしいのです。運転手さんには来週の送迎予定表も配布されているのですが、三子さんの迫真の言葉に惑わされてしまったようです。運転手さんの頭の中は三子さんの言葉でグニャグニャの寒天状態となったようで、頭を抱えて帰ってきました。

 認知症って、こんな状態なんですね。これが自分の家族なら怒れてきますよね!または、自分に注意を向けさす為に作り話をしてるとか、いい加減なことばかり言って・・・!と叱られそうな場面です。でも、この場合は怒って、相手を戒めない様にしてくださいね。黙って、話だけは聞いてあげてください。そして、ゆっくりと間違っている部分を確認しながら、訂正してみてください。言っても言っても、聞き入れてくれない場合もあろうかと思います。そのような場合は、一旦、その話題には触れないで、他の話題に切り替えて精神の安定を図った方が良いでしょう。


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