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ブログ-施設長の部屋

2009/10/27
実習7日目

今日で実習も七日目。毎日、毎日、荒波の中で翻弄される難破船の如く、目の回る体験を重ねさせてもらっています。当初、実習をさせていただく前までは、はじめての我が施設以外の、それも未経験分野での相談援助実習い戸惑いもありましたが、ここにきて、ようやく周りが見えるようになってきました。

 さて、今日は実習とはまったく無関係な事柄についてお話をしましょう。

 実習もともかく、今月で普通自動車の運転免許証の有効期限が切れるというので、実習先に無理を言ってお昼休みに地元の警察に行ってきました。これでも私は優良運転手でして、受ける講習も最短の30分。おまけに講師の教官は、私たちは安全運転の模範者として評価してくれて、ちょこっとだけお尻がむず痒い感覚でした。かく言う私も、ずいぶん昔ではありますがスピード違反を犯し免許所の停止処分を受けたことがあります。車を運転できないことは、とても不便であり免停を回避すべく必要な講習を受講した経験があります。この時は教官に犯罪者扱いされ、非常に嘆かわしい気分になったものです。あの時以来、二度とこんな免許停止処分猶予するための講習に出なくて済むよう、交通違反は行わないと強く思ったものでした。そのお蔭で今日の優良運転手の更新講習だったのでした。

 そして、警察から出て実習先へ向かう途中、この地域の某タクシー会社の車両が私の隣の右折レーンに入ってきました。黒のクラウンです。後部座席の窓に外からステッカーが貼ってありました。「禁煙車両」 そして、次に運転手が目に入りました。・・・・煙草をくわえながら窓を少しだけ開けてハンドルを握っています。「  ・・・・・・へ? 禁煙車両って・・・・・?」 お客さんが乗っていないからか?って考えながら横を見ていましたが、面白い図柄でした。

2009/10/26
実習六日目

あれ~っ・・・・五日目が抜けているぞ・・・と言わないでください。五日目はしっかりと受講しましたが、ただ単にブログ化できなかっただけの話です。この実習は本当に肉体的にも精神的にも疲れています。毎日、実習の場で向き合う人々は、前にも書きましたように知的な障害を持つ人々です。言葉も、理性も、常識も何も習得できていません。でも自分自身の気持ちにはとても正直です。それは、ある意味、動物的かもしれませんが、非常にピュアーな存在です。そして、私たち職員に向かう姿勢は全力を出してぶつかってきます。

 私たちの生活する世界では、自分自身を100%全力で出し切ろうとすると、夏目漱石じゃあないけど「情に棹差せば流され、智に働けば角が立つ!」と成りかねませんし、出る杭は打たれる式に打ちのめされることでしょう。そんな世界を巧みに泳ぎきるためには悪知恵も裏腹な言動も、必ずしも悪ではないという認識も必要不可欠な要素であるのです。そんな彼らのストレートな行動に伴って見守りをするには、こちらも全力疾走でぶち当たる必要があり、それが肉体的に疲れる原因となっています。

  まァ、年齢も年齢ですから、体がついてこん!ってわけでしょう・・・はははは

 

2009/10/22
実習四日目

  今日も朝から実習の開始。目覚ましなくとも朝は時間通り起きられる今の年齢を嬉しくも、寂しくも感じる。若いころは目覚ましが3個では足らずに5個くらい使って、それも時間設定を五分くらいずらしながらの設定で起床していたものだ。

 さて、そんな事はどうでもいい・・・。今日が4日目。実習も4日が過ぎてしまった。長いようで短い実習期間。毎日、施設の利用者には明日も来るのか?と聞かれる。その都度、明日も来るよ!と返答すると、必ず嬉しそうな顔を見せてくれる。おまけに指きりまでせがまれると、何だかこちらも嬉しい気分となる。

 本当に、彼らは純真で、素晴らしい人間である。言葉は無い。理性も働かない。その代わり打算がない。超が着くほどピュアな人間なんである。僕達のように知性を(それ程、あるとは思えないが・・・)前面に社会生活を送っている者ほど、人間の汚い部分だけが残った「カス」のようにも感じてしまう。

 彼らが、僕のくる日を期待してくれるから贔屓目に見てるわけではない。彼らと一緒に行動して一緒に飯を食えば理解できると思う。施設の方々が御話ししてくれた事で、胸に突き刺さった言葉がある。

「世間の人は、知的障害と聞くと引いてしまう。」という言葉でした。社会全体の中では知的障害を抱える人々の数は少数です。(知的障害者がマジョりティーであるとすれば、我々のような一般者が逆に施設に収容されている事になるわけですから・・・)子供のころから差別され、いじめられ、虐げられてきた障害者の気持ちを考えると、今、実習を受けさせて頂いている施設にお世話になる彼らの受ける誤解を少しでも晴らしてあげる事が私の役目と考えます。

 それと、忘れてはいけない事に、私には太陽の家という高齢者施設とそこに生活する認知症利用者の方々の生活を守っていかなければいけない事です。

 とても単純な思いで、この愚くし業界に参入しました。一番のきっかけに「介護保険制度」の施行があります。きっかけは兎も角、一度やり始めて、この腕に利用者の生活を抱えてしまうと、この人たちの一生を上手く締めくくるお手伝いをする義務があります。今回の実習で体験し、経験する事柄を今後の自分自身の仕事に活かせていければ良いかと思います。

 明日で実習5日目。4週間のうちの1/4が過ぎようとしています。たった一か月。施設に住む彼らにとっては、通りすがりの人物と言うだけかもしれません。しかし、ただ単に自分に都合よく通りすがりだけの実習生に留まらないよう、何か恩返しを行いたい。と思って毎日を勉強させて頂いているのです。

2009/10/21
実習三日目

 今日の実習では、朝礼の時に昨日の利用者の興奮状態に関して話し合いが行われた。昨日のブログをお読みの方々には、その時の状況が理解いただけると思うが、状況は私の声掛けの仕方が悪かったという問題ではなそうである。つまり、このA氏が逆上する以前に、同じ施設利用者N氏がからんでいた。N氏はA氏同様、知的障害を抱えている方で、人をからかう事に喜びを感じる性格らしく、どちらかと言えば仕掛屋的な存在である。彼は、食堂で利用者が食事をとる段階から、少し離れたテーブルに座るA氏をからかっているようである。

 そのことが、午前中の作業(彼らの仕事)のときにも助長され、次第しだいとA氏の感情は興奮の度合いを増していくのであった。

 この点を考察し、今日はN氏の席を替えてみようと言う意見が出た。

 昼食の時に、手洗いを行い、手指のアルコール消毒を終えた利用者は流れ込むように食堂へ入っていく。私も朝礼で話し合われたことなので注意深くN氏の行動を観察していたが、勝手に新しい席に就いてくれる。その後は何も問題を起こさず、A氏に関わることもなく食事を終え、勝手に自室に戻って行った。

 僕が素晴らしいと感じた事は、職員さんの対応策が功を奏したことだけではなく、この席替えに関して指導員がN氏に事前に十分な説明を行っていたことである。パーソンセンタードケアと認知症介護の中ではよく言われる、その人を中心に置いた介護手法であり、人間としての尊厳と人権を守りながら支援を行っていく。まさしく、そのままの支援方法である。簡単に思われるかもしれないが、太陽の家でこのような目立たない地道な支援が行われているのか?と考えてしまった。 沢山の知的障害者を抱えて、一日中、何をしでかすか分からない利用者の対人援助に振り回されている職員さんが、どこの時点で、どのように話したかは分らないが、とても思いやりある気づきであると感嘆した。

 毎日、不慣れな障害者施設での実習は、本当に疲れます。如何に普段から、真面目に仕事をしていなかったのかが良く分かると思いましたが、実習三日目ともなって、少しづつ利用者の方々が、明日も来るのか?と聞かれることに喜びを感じてしまうのである。彼ら(彼女も含め)は、本当に純真で真白な人たちです。その分、些細なことでも傷ついてしまう繊細な部分を持ち合わせています。自閉症の方は特にそうです。言葉を持たず、自分の小さな世界に潜んでいるように思えます。彼らは毎日を怯えて生活をしているようです。施設で暮らす以上、誰も危害を加えないのですが、それでも自分の世界にい閉じこもって、他者との交流もままなりません。そんな彼らを見ていると、何とかして守り続けてあげたいと考えるようになります。うちの丸子さん同様、彼らも一生懸命生きようとしています。知的障害者も認知症高齢者も自閉症児も、みんな私たちと同じ人間です。痛みも悲しみも楽しみも感じます。可愛い人たちです。

2009/10/20
実習二日目 

のべ180時間の実習の二日目。まだ16時間しか経過していない。しかし、沢山の生徒さんには馴染みをもって接していただいているが、今日はとても痛い経験をすることとなった。知的障害を舐めていたわけではないが、今日の実習では午後の部では部屋の中での活動が主体となった支援を行っていたが、利用者A氏は、僕の担当する居室の隣の生徒さんであった。午前中の軽作業のときに、私の作業を手伝ってくれる生徒さんが、別棟にいる彼と目が合って、お互いに作業しながらであるがアイコンタクトやアかんべーなどを行っていたようである。それが原因かどうかは分からないが、午後の部に入ろうかと言う時に、そんなA氏が自分の居室ドアを思いっきり叩いている場面に遭遇した。やさしい口調で接したつもりで、彼にドアをたたくと手が痛くなるよ!と諭したつもりが怒りの刃がこちらに向かってきた。両手をあげて攻撃態勢である。まぁ、この手の暴力なんて、うちの高齢者施設でも偶に経験するのでそれほど恐怖心はなかった。が、しかし、彼は違っていた。

思わず自分の顔面と頭を両手で覆ったほどである。右手をきつく殴られ、おまけに右の耳と頭部にパンチを食らった。非常に痛かった。でも、何も反撃することも考えずに身を引いたが、それでも執拗に追いかけてくる。挙句の果ては宿直室の窓ガラスを彼は素手で殴り始めた。ガラスが割れて怪我でもしたらどうしようと!いう恐怖心が、何とか彼の興奮を制止しようと声掛けをしたら、もう数回殴られた。あまりにも興奮が激しいのと音を聞きつけて指導員の先生が駆けつけてくれた。救われた気持ちが正直なところであった。

 知的障害を抱える人々は、何かの微妙な違いでスイッチが入ることがあるらしい。彼は心臓病を抱えているので過度な興奮は避けなければいけないらしい。その言葉を聞いてから、僕は至極反省をした。知的障害者への対人援助なんて、十年は早いわ!と言う風に自分なりに猛烈に反省をしている。対人援助の難しさがここにあるようである。指導員の先生曰く、暴力行為に際しても普段からの信頼関係が大きな力を発揮するそうだ。知的障害があっても月日をかければお互いの新r内関係の構築につながり、それで相手の行動を抑制することができるそうだ。たかだか一か月の実習で、そこまでの力量をつけることはできなくとも、それなりの勉強はしたいと改めて感じた一日であった。

 それにしても彼のパンチはきつかった。一日を終えて帰宅して腕の痛みに、シャツの袖をめくったら腫れていた。痛い教訓であった。(笑)

 


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