太陽の家

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ブログ-施設長の部屋

2009/8/31
うちの丸子さん、第五弾

 今日は、ちょっとさみしい丸子さんのお話。

 今日の夕暮れ時というより、あたり一面はとっぷりと日が暮れてしまった頃ですが、僕は外出から帰り、車を降りて自宅に戻る頃のお話です。皆さんはご存じない方も多いと思いますが、私の自宅は施設の真横にあり、丸子さんの居室の窓が、我が家の玄関側にあるのです。中央道路の喧騒からちょこっと中に入った、少しだけ静かな位置に居室を持つ丸子さん。何気なく彼女の居室を見上げると、部屋の中に電灯の明かりはなく、暗がりの中で一人、窓から外を見つめる丸子さんの姿を見ました。ただ、遠くの方を見つめながら一人で呟いているように、口が動いていました。彼女の眼下に僕がいることも目に入らず、ただジッと外を眺めています。

 昔のことを思い浮かべているのでしょうか、彼女の眼には今の周りの情景は一切入らないようです。ただ、ひたすら見つめ続けている丸子さん。彼女の眼に何が映って、何を思っているのでしょうか?僕には丸子さんの気持ちは計り知れなかったのですが、その姿を見た時、声をかけて現実の世界に僕の勝手な意思で引きずり下ろすことに抵抗を感じ、そのまま、何も声がけもせずに自宅の玄関を押しました。

 太陽の光が世界を照らさなくなる夜は、僕たちでもセンチメンタルな気分になります。昼間は情緒も何も無いほど騒いで元気だった自分も、夜の帳が下りる頃には、とても感傷的になります。丸子さんにしても同じなんでしょうね、きっと。 遠くに輝くお店のネオンや街路灯の明かりを見つめながら、昔、彼女が暮らしていた世界の一部を思い起こしているのかもしれません。僕が認知症になって、窓越しに思い出に浸る時には、きっと一番素晴らしい時代の街の明かりを思い出しているのかもしれません。

2009/8/29
丸子さんのお友達の話

 丸子さんの大の仲良しさんのお話です。

 三子さんって元々は頭脳明晰、とても育ちの良い良家の娘さんでしたが、年齢と共に認知症がすすんできました。物忘れ以外は特に身体的に障碍を抱えているわけではないので、気の向くまま行動しています。ただ、日中、よくうたた寝をすることがあります。三子さんは週のうち4日間、うちのデイサービスを使って見えます。今日も一日、明るく、気丈に振舞ってみえました。歌を唄い、色塗りをし、しりとりに元気に参加されていました。いよいよ、帰宅時間が近くなってきて、私の顔をみると急に立ち止り、背筋を伸ばして私の前で深くお辞儀をされました。そして、「今日で、私、こちらも最後となります。長い間、いろいろとお世話をおかけしました。」と言われるのです。

 急に、そのようなご挨拶をされ内心では「俺は、そんなこと聞いてないぜ・・・!」と思いながらも笑顔でご挨拶をさせていただきました。「そうですか・・・・今日が最後ですか・・・残念ですね!」 「また、いつでもお越しください。お待ちしていますよ!」とお願いして、その場を離れました。いよいよ、送迎バスに乗っていただきシートベルトを締め。バスは三子さん宅にむけて出発してゆきました。

 それから、一時間ほどして送迎担当の運転手さんが帰ってきました。運転手さんには、自宅に着くまで再三、今日が最後ですから!と繰り返し話をしていたらしいのですが、自宅に到着するなり、今度は私は次、いつ来るの?と聞いたらしいのです。運転手さんには来週の送迎予定表も配布されているのですが、三子さんの迫真の言葉に惑わされてしまったようです。運転手さんの頭の中は三子さんの言葉でグニャグニャの寒天状態となったようで、頭を抱えて帰ってきました。

 認知症って、こんな状態なんですね。これが自分の家族なら怒れてきますよね!または、自分に注意を向けさす為に作り話をしてるとか、いい加減なことばかり言って・・・!と叱られそうな場面です。でも、この場合は怒って、相手を戒めない様にしてくださいね。黙って、話だけは聞いてあげてください。そして、ゆっくりと間違っている部分を確認しながら、訂正してみてください。言っても言っても、聞き入れてくれない場合もあろうかと思います。そのような場合は、一旦、その話題には触れないで、他の話題に切り替えて精神の安定を図った方が良いでしょう。

2009/8/29
うちの丸子さん(不連続シリーズ 第三弾)

 今日もうちの丸子さん、ご機嫌ななめな様子。朝のお散歩は出かけたものの、帰ってきても口数が少ない。それどころか、こちらの問いかけにも答えてくれない。う~ん・・・・こまったなぁ~と職員と一緒に悩んでしまう。

 太陽の家では、一階がデイサービスがあるので、丸子さん、散歩帰りから直にデイサービスへ向かう。

 実は、うちのデイサービス利用者の中に話し相手がいるのですが、このお話し相手も認知症を患っている女性である。二人の会話は延々と続くのですが、毎回、同じ話題。繰り返し、繰り返し、同じ話題にふれてはお互いが神妙な顔をして涙を流す。実は、お二人とも、ご主人を病気で亡くしている。丸子さんのご主人は、10年ほど前、デイサービス利用者は昨年。ご主人に先立たれ、さぞ悲しかったことと思うが、経過時間は悲しみの量と格段、比例するわけでもないようで、10年たっている丸子さんも同じように、つい先日の悲しみのように思い出を語る。

  う~ん・・・・夫婦って不思議なもんだ・・・・と思いながら二人の会話を聴いているうちに、繰り返しの連続に、こちらは飽きてきた。そんな時に、職員がデイサービス利用者の入浴の順番を告げに来た。デイサービス利用者は、お風呂に入ってくる!と丸子さんに告げ、さっさと脱衣所へ。残された丸子さんに、私から「一緒にお風呂入ったら???」と聞いてみる。

 すると、今日で5日目の欠浴中の丸子さん、体を小さく震わせながら「はいらへん!」の一言。

 「今日、息子さんが面会に来てくれるそうやけど、面会の前に綺麗にしとかへん???」と振ってみるが、答えは同じでノー!

丸子さんのノーは、強くプッシュすると逆鱗に触れることとなるので、あっさりと引き下がるが一番。また時間を変えて夕方の入浴でも勧めてみるか・・・と思いなおす。 まぁ、僕だって、お天道様の明るいうちに風呂に入れ!と言われても入りたくはないもんなぁ~と妙に納得してしまう。とにかく、利用者を中心に置いた介護!と言われるものの、普段の業務の中で、遅々として進まない業務を考えると、職員の立場で物を見てしまいがち。分かっちゃいるけど・・・・なんだよね!!!!!

   追記・・・・後で丸子さんを確認したらお風呂に入っていた。職員に話を聞いたらうちのペルー人ケアワーカー君が誘ったら黙って入浴してくれたらしい。僕は彼女がどんな誘い方をしたのか聞いてみた。なんと、彼女はペルー訛りのアクセントで「丸子さん、風呂はいろ!」と言ったそうな・・・・いったい全体、何が違うんだい????!!!!××△?□

2009/8/28
うちの丸子さん(不連続シリーズ と言いながら、第二弾)

 「うちの丸子さん・・・・」 第二弾

 今日は久しぶりにうっすらと雲が覆う、気持の重くなるような天気。鈴鹿の山々もはっきりと見えないほど霞がかかっている。今日のうちの丸子さん・・・ちょこっと調子悪いようである。あまり私の顔を見ようとしない。少しうつむき加減に目は伏せ目がち。

何があったんだろう・・・・?

一瞬、目が合ったんだが、愛想笑い程度の笑みを見せるものの、すぐに下を見てしまう。

   丸子さんの変調に気づいたものの、それから以降に別の問題が発生して、私はあわただしく走り回っているうちに、すっかりと丸子さんの変調にうちて頭から消え去ってしまっていた。

 ふと丸子さんの困った顔を思い出した私は、彼女の居室を訪ねてみることにした。居室のドアは固く閉ざされており、中からは人の気配が伝わってこないほど静かであった。私は居室のドアをノックし、小さな声で「丸子さん・・・居ますか?」と声をかけてみた。すると、中からは、いつもとは違った擦れ声の丸子さんの声で「・・・・はい・・・・何でした?」と答えが返ってきた。

 私はドアノブに手をかけ、丸子さんに入室の許可を訪ねました。「丸子さん、部屋に入ってもいい?」 かすかな声でしたが、私は丸子さんから入室の許可をもらい、ドアを開けて中を覗き込みました。 丸子さんの部屋は、うちの施設でも一番大きな部屋で、窓が北向きに設置された部屋でした。彼女は自分のベッドに普段着の上にパジャマを重ね着して、布団をかぶって横になっていました。今年は暑い気候が短いと言っても、まだ日中の部屋の中の温度は30度くらいまで上昇します。この日も、結構部屋の中は蒸し暑く、こんな蒸し暑い部屋の中で、普段着の上にパジャマまで重ね着して布団かぶって寝ることができるのが不思議でした。

 そんな状況の中、あえて彼女には暑いから布団をかぶらないようにとは言いませんでしたが、逆に「寒いの・・・? 頭痛いの・・・?」とだけ訪ねました。

 すると彼女は、ベッドの中で大きく眼をあけ、私の方を見ながら、寒くはないと答えました。でも、僕には彼女がなぜベッドに横になっているのかがわかりませんでした。いつもの事ですが、何か理由があるはずです。

 しばらくは、ベッドの中の彼女と会話をしながら、適当なところで彼女にベッドから起き上がってもらえるように頼みました。私との若干の会話で何かが変わったのか、彼女はベッドの中から芋虫のように這い出してきてくれたのです。なぜ芋虫のようにという理由は後ほど理解できますが、彼女は体を滑らしてベッドから滑り落ちるように起き上がるのです。何だか妙だな・・・と思いながら彼女に居間まで一緒に行こうと促すと、彼女は黙って私の手を握ってゆっくりと歩いてくれました。

 彼女の今日の女性用パンツはグレーですが、そのお尻の部分が黒く、大きく変色しているのです。 そうです、丸子さんはオシッコを漏らしてしまっていたのです。一連の流れから、ようやく今日の丸子さんの問題が理解できました。プライドの高い丸子さんのこと、オシッコを漏らしたなんて言えないですよね!きっと、色々なことを考え、色々な心配をしていたのでしょうね。私は、職員さんの一人にお願いしてトイレへ誘導してもらいました。そして、汚れたパンツをはき替えてもらいました。

 トイレから出てきた丸子さん、オシッコ漏らして気持ちも悪かったと思いますが、なかなか恥ずかしくて自分のミスをいうことができなかったようです。高齢になると尿失禁が多くなります。丸子さんの失禁が機能性尿失禁か溢琉性か切迫性かは分りませんが、年をとれば、誰だって尿失禁はあることをゆっくりと伝えたのですが、覚えているか否かは定かではありません。しかし、尿失禁を叱るよりは、それに至る原因をしっかりと調べ、できる限りパンツの中に失禁しなくても済むように考えてあげる支援が介護職員に求められているんですね。

2009/8/27
うちの丸子さん。(不連続シリーズ第一弾)

 みのもんたでは無いけど、不連続とは良く言ったものだ!連載となると締め切りやら、定期的に継続するやらの負荷がかかるけど、不連続なら何時だって中止できるしね・・・。まあ、とにかく、「うちの丸子さん」と題して想像上の人物”丸子さん”に認知症を患ってもらって、面白い行動であるけど、それが認知症なんですよ!って皆さんに理解して頂くためにちょこっと特集を組んでみます。

 うちの丸子さん、昼間は快活なんです。朝もはよから洗濯です。両手いっぱいの衣類やら毛布まで抱えきれないほどの洗濯物をもって廊下を歩いています。

「あれ~っ、丸子さん、お洗濯なの?」と僕が声をかけると「部屋中に虫がわいて、痒くって寝てられへんし、天気もええんで洗濯しよ!思うて!」と言い残してランドリー部屋へ向かいます。洗濯機のふたを開けて、手に抱えた洗濯物を一生懸命詰め込んでいます。

洗濯機に入りきらない洗濯物の山を見て、「丸子さん、これ全部をいっぺんには入らんのとちゃう???」と僕は聞いてみました。

丸子さん、そこは長年主婦をやっていただけあって、男の僕には指図されたくないのでしょう。

「そんなこと、あんたに言われんでもわかっとる!  そんなもん、二回に分けたらええだけや!」と人の忠告を無視して洗濯物を適当に分けて、なんとか洗濯機が自動で回る程度まで調整。さて、洗剤や柔軟剤を入れる場所が分からないのか、それとも洗剤を入れなければいけない事も忘れているのか。そのまま、スイッチオン!

洗濯機は素直に言うことを聞いてくれます。自動で水が入り、勝手に右に左に動き始めます。

丸子さんは、一回目の洗濯を始めると、さも忙しそうに居室に帰ろうと、傍で様子観察をしている私を邪魔そうに見つめながら、とっとと歩き始めたのです。

 さて、洗濯機は洗剤も入れられることなく、最初から「すすぎ」状態。丸子さんにはばれない様に、こっそり洗剤を入れてしまいます。これで、時間が経過すれば、一回目の洗濯は十分出来上がっているはずです。ランドリールームを離れ、事務所で仕事をしていると、丸子さんがエレベーターで降りてくるのです。

「あれ?丸子さん、洗濯はどうしたの? もう終わったの?」と、いぶかしげに私が問いただすと

「なに言うとんの?  私の洗濯はM子ちゃん(うちの職員さんです)がいつもやってくれるやんか!私は、そんなことせえへん!」

真剣な眼差しで答える丸子さんに、私は来たぞ!来たぞ!と思いながらも、これから何をする予定なのかを聞いた。すると、丸子さん、今度は、お散歩に行くと言い出す。

 ふ~ン・・・・これは洗濯物自体、忘れたな!・・・と感じた僕は、取りあえず丸子さんと外に出てはみるものの、数歩歩いて立ち止り丸子さんを見て言った。「丸子さん、思い出したよ!洗濯しとったんやった!ちょっと、洗濯物を放ってきたんで、先に見てくるわ!一緒にいってくれへん?」と。すると、丸子さん、黙って僕のあとについてランドリールームまで着いてきてくれました。それは、子供の世話をするお母さんの頃を思い起こしているのでしょうか?!しかたないなぁ・・・とでも言いたげな表情でした。

ランドリールームに着いて、洗濯機の中のものを見て、何だか洗濯物が自分の物のような微かな記憶が・・・でも、なんでこの機会の中に自分の下着やパンツなどが入っているのかが理解できない。不思議そうであり、不可解な現象に不機嫌になりつつもあり、とても複雑な顔をしています。

「これ丸子さんの洗濯物やけど、僕が勝手に廊下に落ちとったんで洗っといたん!」と大ウソこきバリバリの僕の言葉に、丸子さんは少しは納得してくれた様子。「廊下に私の洗濯もんが落ちとったん?・・・なんでやろ????」

「廊下に、なんで洗濯物が落ちとったかは分からんけど、洗濯物が多すぎてこぼれ落ちたんちゃうの?」の問いかけに、丸子さんはすっかりと納得させられて、おまけに洗濯物干しも手伝わされたというお話でした。

 認知症の方は、断片的に記憶が落ちます。自分が意思をもってやり始めたことでも、途中でその目的や意図を忘れてしまいがちです。介助者は、そんなばあさんの姿に慌てず、その人を思いやって言葉かけをしてみてください。相手の力と知恵をお借りするスタンスの接し方は認知症高齢者には、とても受け入れやすい環境となります。決して叱らない。相手の行動であっても諫めない。

 洗濯を失敗しても、特に問題となることは無いのですから、心を大きくもって見てあげてください。


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