今、鈴鹿市の高齢者施策推進会議では、身寄りのない人の入院・入所に関するガイドラインを
完備するために話し合いを継続している。
人は歳を重ね、次第に医療の支援を必要とする状況になっていく。
想定外の救急搬送のケースもある。
その時に、家族が身近に生活する場合は、特段に問題は存在しないものの
家族や親族のいない、独居高齢者の場合は非常に複雑で難解な問題に直面することとなる。
入院の手続、医療行為への同意、経済的負担など
それも緊急性を要する時に煩雑な手続きを経ていく必要もあり、
これらの諸問題を抱えて、当人も安心して病院にかかれる状況ではないのが現実だ。
全ての人が、健康なうちにエンディングノート、リビングウイル等の意思表示を残してもらえれば
多少なりとも手続きは、その人の意向に沿った処置を行うことが出来る。
日本人として、この国で暮らすものとして、何とか自分の最期くらいは
自分の意思に従てケアしてもらえるよう、
出来れば、健康なうちに家族で余生の過ごし方でも話し合ってもらえればありがたい。
今日は、太陽の家デイサービスの利用者様の外出支援の日。
外出支援とは、当事業所の近隣にあるコーヒーショップまで
歩いて出向き、自分で 欲しいものを決めて、発注し、自分で清算する一連の行為を支援することです。
なかなか障害を抱えて気軽に喫茶店に行くこともできない人も多く
年に一度くらいは、このような外出支援も良いと考えての企画です。
新型コロナ蔓延前には実施していた支援ですが、このコロナ禍で3年ほど休止してました。
この度、本当に久しぶりに実施したのですが
皆さん、非常に喜ばれてみえました。
重複しますが、この企画の意図を再度ご説明します。
認知症があっても無くっても、この企画には
その人の意志をしっかりとまとめること、意思を伝える事。
オーダーの品が届くまでの時間を、どの様に共有できるか?
(他者とのかかわり方など)
自分で非日常の雰囲気とテイストを味わうこと。
持参した代さんの範囲内で生産できることと、自分でお金を払うこと。
つり銭を受け取って、自分でつり銭をしまうこと。
安全に歩いて、または移動することが出来ること。
皆さんは、この日の為に、ここ数か月、歩行訓練を実施して頂きました。
最後になりますが、この企画の趣旨をご理解いただき
場所の提供と個別清算を認めて頂いた喫茶店【シルビアコーヒー店】さんに感謝申し上げます。
そして、同行した職員さん、コーヒー一杯も飲まさず。ゴメンナサイ!
認知症も重度となると言葉が出てこなくなる「失語」
今まで出来ていた一般的な行動が出来なくなる「失行」
そして、人の顔やモノを認識できなくなる「失認」と言う障害が出現し始める。
認知症と診断されてから、どれくらいの年月で重度になってしまうのか?は
それぞれの人によって違うし、投薬の開始時期によっても違いは出る。
さて、これらの状態を客観的に考えてみると
一般的な普通の生活を送る上で、ご本人にとってはとても不便なことと思われる。
説明しようにも言葉が出てこない。思い出そうにも頭の中でグルグル回るだけで何も思い出さない。
だから、認知症の人は、自分の思いを正確に伝えることが出来ない。
伝えることが不得手となると、そこで自分の恥ずかしいところを悟られないためにも
作話が増える。要するに作り話であり、自分が思い描いてきた素晴らしい話が口からこぼれる。
失行に関して言えば、調理することが出来なくなる。火にかけたお鍋に、次は何を入れて炒めるのか?が
分からなくなる。又は、パソコンで文章を書くことが出来たお爺ちゃんが、パソコンの立ち上げから戸惑うようになる。
失認として一番困るのが、子供の顔を忘れてしまうこと。
浴、グループホームの入居者のご家族が面会に来て、全く赤の他人と接するような母親の素振りに
娘さんや息子さんが嘆く。そんな場面に遭遇することがある。
結局、認知症も重度となると、その人の若い、良い時代の記憶に満たされ
其のころの記憶だけが生き残っている状態であり、今の現実には受入れ難い状態なんである。
自分の親が、子供の顔を忘れた!と嘆くお気持ちは充分に理解できる。
でも、逆に古い、昔の記憶の中でゆったりと生きているのであれば
それはそれなりにお幸せなのかもしれない。と僕は思っている。
いずれにせよ、認知症の人の様々な障害に対して、周囲の人の理解と配慮があれば
認知症を患っていても、不足部分を補いながら生活を継続する事は可能です。
僕は、それが我々の仕事と考えている。
最近、アメリカのアルツハイマ―協会の冊子を読んでいるのですが、
結構、興味深い内容が書かれています。
その中で、アルツハイマー病に関して遺伝子要因について書かれている項目で
非常に面白い記事を目にしました。
それが、タイトルにも書きましたタンパク質の一つであるアポリポたんぱく質Eについてです。
アルツハイマー病の原因としてベータ―アミロイド蓄積による脳の器質変化が言われてますが
そのβアミロイドに絡んで、遺伝子の結合におけるアポリポプロテインE2、E3、E4のいずれかが
血中のコレストロールによって運ばれ、遺伝子の組み換えに関与しているという学説です。
まあ、これについては、かなり専門的な話で、私にはチンプンカンプン。
偶然、うちの事業所に専門医が往診に来てくれたので、質問してみたのですが
まだしっかりと研究しつくされていないとのことで、多少の影響は言われているという話でした。
ですから、ちょっと知ったかぶりして、この表題でブログを書き始めましたが、
其れよりも何よりも、親兄妹の親等の近いものにアルツハイマー病がある者は
アルツハイマー病となるリスクが高く、そして、合わせて喫煙者は更にハイリスクとなる。と言う
その学説を読んで、私自身、こりゃ確実にアルツハイマー病になるわ!と確信を持った次第です。
そう、そう、喫煙に関しては、認知症のリスクもそうですが、脳血管疾患、心臓血管疾患共に
ハイリスクだよ!とも書かれていました。
写真上;カラマリフライ(Calamari Fly)
写真下;クラムチャウダー(Clam chowder)
※添付写真とブログの関連性は全くありません !!
カラマリのフライは美味しかったです。でも、コレストロールと尿酸が気になって・・・
認知症の診断に、時計の絵をかいてもらうテストがある。
初期の認知症でも、定番の丸い時計を思い描いてもらう時に
いろいろなヘンテコリンな時計を描く場合がある。
こんな時は、要注意!速やかに認知症専門医を訪ねてみてください。
しかし、わざわざ、認知症が疑われる人の気持ちを傷つけるかもしれない
このテストには、細心の配慮が必要です。
ゲームに参加してもらうような流れから、簡単な丸時計を描いてもらうよう促しましょう。
これがきっかけとなって、専門医の早期診断に結び付き、適切な治療が開始されれば
その人にとっても幸せなことです。ただ、お薬は副作用もあります。
服薬に伴い、変化した状態をしっかりと記録し、主治医にお伝えください。
状態の変化を加味して、薬剤の調整を行ってもらいましょう。
では、先生に何をお伝えすれば良いでしょうか?
①いつもと違う行動、言動があった場合の日時、継続時間、その時の状態を簡単に記録する。
②怒りっぽくなったり、逆にふさぎ込んだりしていませんか?
③日中の過ごし方、夜間の状態、特に睡眠時間に関する情報があれば、どれくらいの頻度で変化したか?
お薬は医師の処方をしっかりと守って服用できるように心がけてください。
この時計の描画テストに際し、以下の点にご注意ください。
①数字のヒントを出さない。
②周りに時計を置いておかない。
(認知症の人は、盗み見することが得意です!)