介護職員全般の質が問われている。同時にケアマネジャーの質も問われている。要介護者が年々増加する一方の日本の現状を考えると、質を求めて介護職員を採用している場合ではないというのも施設側に問題があるのかもしれない。なにせ、年々高齢者介護関連施設は増加傾向にあり、団塊の世代の高齢化による介護施設の拡充が求められる中、次から次に高齢者専用の施設や住宅等の供給が始まっている。大手建築会社では、介護施設を起業する一般営利法人等を対象とした経営セミナー等の開催を行いながら、新規の建築主の掘り起こしに躍起になっている。介護保険制度が創設されて以降、営利法人の介護ビジネスへの参入が、ある意味、供給過多を生みだし、それと同時に介護の質に歴然とした格差が生じ始めている。
営利法人だから介護の質が悪化していると言う訳ではなく、長い介護施設での経験と経歴を携え営利法人として起業する方々も多く存在する中に、全くの未経験でありながら有資格者を採用し、その力を基に介護ビジネスへの参入を実施してる実業家も多い。ビジネスとしての受け皿が増加し、そこに働く人材を求めて求人合戦が行われる。介護労働者としては、今までになく働き手の市場となり資格に関係なく、兎に角働ける人を求めて求人広告の常連客となっている。
数年前にリーマンショックによる金融不安から波及した製造業全般の者の売れない状況から期間従業員や外国人労働者の解雇が行われ、それらの働き手が職を求めて介護職に転身するケースがそこら中の介護施設に集まる現象があった。と言う私達の施設でも外国人労働者を雇用し、結果として製造業の再興によって高給が保障される製造現場に労働者は戻っていく事となる。
介護事業には、人員配置なる規制枠がはめられており、利用者の数によって職員の配置は厳しく監視されている。人員配置を守れない場合は、介護保険給付額から30%からの減額が行われ、悪意を持ってこれらの状況改善が行われない場合は、介護保険事業所の指定の取り消しなどの罰則規定も存在する。雇用者は罰則を恐れて、資格の有無よりも頭数の確保に躍起になり、その結果として無資格、未経験、挙句の果ては介護者不適格な者まで採用せざるを得ないケースも存在する。
要するに、私達の介護ビジネスは、営利法人の参入により競争原理を誘発し、市場の活性化と提供するサービスの向上を目指してきたものの、介護理念をやみくもに利用しながら営利を追求してきた事業所にも問題はあり、また、安易な気持ちで介護業界に就労し、周りから受けるストレスから虐待や拘束などの非人道的行為が潜在化する傾向になりつつある。当の私達の太陽の家も営利法人として設立を許可され運営を継続している。設立から8年が経過し、それなりに介護理念や人間としての尊厳を保ちながら介護を行えるようには成長してきた。私自身、必要と考えられる資格を取得し、高齢者介護だけではなく社会福祉全般の知識を取得した。頭では理解できているが、実際に行動に移す場合に、時として立ち止りながら考えなければいけない場面も経験してきた。それと、この施設で働いてくれる職員の資質の向上に際しても、他の事業所に劣らないよう継続的に研修や勉強会を開催し、職場内外を問わず、機会あれば研修を受けるように租力している。
介護の仕事はヒューマンサービスの一種であり、対人援助を主としたサービス業である。前回の岐阜県で行われた研修に講師として参加していた和田行男氏曰く、サービスの悪いレストランにいけば客も腹を立てる。ぶっきら棒なタクシーの運転手に遭遇すれば乗客として気分を害することも多々ある。そんな状況と同じ状況が今の介護施設にみられる。私達介護の専門職として、適切なルールとマナーを守った介護を実践できているのか?幅広く自分自身を見つめなおす時期に来ているようである。
朝晩、めっきり冷え込むようになって、何処からともなく金木犀の香りが感じられる季節。この時期が、日本におけるF-1世界グランプリが、この鈴鹿で開催されます。僕が、このF-1の業務に関わるようになって17年。毎年、毎年、何がしかのドラマが展開されてきました。今年も沢山の思い出を残して、この鈴鹿を終えてF-1サーカス軍団は次のレース地へと飛んで行きました。さてさて、私の鈴鹿におけるF-1での業務は、基本的に英語の通訳を行っています。まあ、英語の通訳と言っても、色々な場所で通訳を必要としてる国際規模の大レースですから、通訳も何十もの通訳が臨時に雇用されるのです。それで、私の場合は、実際にレースを行うチーム関係者や海外からの物資や情報伝達などのサポートを実践する部署である「グランプリ・オフィース」と言われる部署に所属します。簡単に言えば、海外から鈴鹿に来て頂く関係者の受け入れ窓口であり、レース運営に際しての困りごとなどトラブル等の調整や解決を目指す部署となります。
まず、このGPオフィース(グランプリ・オフィース)で働きながら、同時にF-1開催中に行われるトラックイベント(日本語で言うコースイベント)のディレクションも担当しています。一番大きなイベントとしては、F-1ドライバーズ・パレードの準備と進行・運営を行っています。さて、このイベントは国内のクラッシクカーオーナーの方々の協力を頂きながら、それらのクラッシックカーに適した、つまりF-1ドライバーのチームまたはエンジンサプライヤー(フェラーリやメルセデスなどのエンジンメーカー)に応じた市販車輌を選んで、レーシングコース上にて、F-1ドライバーを同乗してコースを一周するイベントです。今から30年や40年前やもっと古いクラッシックカーもあって、今では現存して尚且つエンジンが始動できる車輌は数台と言われる希少車もあって、それだけに思わぬアクシデントが発生することも多いのです。例えば、F-1ドライバーを助手席に乗せてパレード実施中に突然のエンジンストップ。イベント直前のメンテナンス準備中のオイル漏れ発生、ラインナップに向けてコース走行中にヒートアップしたエンジンブロックにもれたオイルが引火して火災を起こしたり・・・・まあ、いろいろなハプニングが起こります。
もっとも最悪な問題として、私達がF-1ドライバーをクラッシックカーに向かい入れる前に、レーシングコース メインストレートに真直ぐに赤のパンチカーペットを敷設します。映画関係者のその年の優れた人を選ぶオスカーでも、会場入り口近辺は赤い絨毯で敷き詰められますが、あのイメージと同じで、アスファルト舗装のメインストレートの真ん中を赤いカーペット敷設し、そのカーペットを挟んで、二列にクラッシックカーを整列させます。全ての車両が並び終わると同時に、F-1ドライバー達は自分の名前のステッカがはられた車両に乗り込み、フルコース一蹴をマーシャルカー先導のもと行います。
文章で書けば、たったこれだけの事ですが、これがF-1ドライバー24名、クラッシックカー26台(スペアーカーを含め)、そして一番の曲者が時間です。このイベントはF-1の運営ルールブックにも記載されている国際的なイベントで、F-1開催時に必ず行われなければいけない行事なのです。ですが、このパレードの後にF-1の決勝レースを控え、それ程余裕ある時間は存在しないわけです。もちろん、この時間枠は国際映像の宇宙中継の時間枠として多額の費用がかかっている中ですから、パレードが原因で決勝レースの開始が遅れるような事故が発生した場合には、それこそ数億円では効かない賠償金を求められるのです。ですから、運営している我々も、必死です。私なんて、沢山のスタッフに助けられてパレードを完成させているものの、この時間帯はとても大きなストレスで、体中に汗をかきながら、心拍数も最高値を記録するほどの緊張を味わいながら、コース一周のパレードを終えて戻ってきたクラッシックカーからF-1ドライバーを降車させて、本当の意味で安堵のため息をつく事となるのです。
今年は、そんなパレードの中で、小林カムイ選手が自らの応援席の前でパレード車両から降りて観客にご挨拶することとなり、その停車位置、タイミングをクラッシックカーの運転手(パレードの参加車両を運転するのは、それらの車両のオーナー様が自らが運転しています)に伝える必要性があり、私は今回、一番最後尾で追尾するマーシャルカーに同乗しパレードに参加する事となりました。カウイ選手を乗せたジャガーは、コースサイドに陣取る多くの観戦客からの声援を受けて、その後ろをマーシャルカーに乗って走る私でさえ、その声援の大きさや観客のふる応援旗や日の丸が振られる情景を見ていると鳥肌立つ思いがしました。
まあ、全体的に細かなトラブルはあったものの、今回のF-1GP、スムーズに終了していきました。毎日早朝から夜遅くまで休みなく10日間つめて業務を行ってきた毎日が、済んでみると意外と早く終わってしまった。そんな感じがします。
前のブログにも書いたように、F-1の業務は、僕にとって一年に一度の業務ながら、それを行うことが生きがいのように感じ、その場所に毎年入れることに喜びを感じています。あの巨大なサーキットを何度も何度も往復し、期間中に歩く距離は数十万歩に匹敵するほど体力も必要としますが、それでも、この体が動く限り続けていきたい。それが僕が元気で生きていける原動力となっているのです。
いよいよ鈴鹿におけるF-1世界グランプリが始まります。すでにニュースでも航空貨物でマシンが到着と報道されていましたが、この鈴鹿サーキットでも、ピットロードやコース上に大きなコンテナが置かれて、ピットクルーの到着を待っています。
写真は上から、レース場のパドックの様子。各チームのホスピタリティーテントが設置され、その内にダイニングセットなどが置かれ立派なレストランになります。さらに、コース上、ピットレーン上に置かれた荷物は、これから次々と到着するチームスタッフ達が梱包を解き、今は空っぽのピットの中を時代の最先端をすすむF-1テクノロジー満載の戦略本部と変えていくのです。そう言えば、ピットの中には、輸送用タイヤをつけたマシンが二台づつ鎮座してました。F-1は、モータースポーツの中でもテクノロジー技術やあらゆる情報の扱いには神経質なところがあり、チーム関係者以外には、全てを公開したがらないところがあります。全てがシークレットのベールに包まれるだけあって、すでに各チームのピットには、個別にセキュリティー担当者が張り付きでガードしてました。
今日は私の58回目の誕生日です。今朝が太陽の家の事務所に出掛けたら、僕のデスクの上に写真の「物」が置かれていました。スタッフのみんなが手作りで作ってくれたフォトスタンドです。
嬉しいではないですか・・・・! このようなプレゼントは、本当に心に響くものです。朝から心ウキウキしてしまう気分でした。僕にとってエルメスのブリーフケースをプレゼントされるよりも嬉しいもの・・・・いや? やはりエルメスの方が・・・・???!!!しかし、本当に、このプレゼントは嬉しかったですよ!
スタッフの皆さん、ありがとうでした。メッセージに書いてもらったように「イタリアンなちょい悪オヤジ」を目指して、これからも一生懸命、熱い(暑苦しい・・・?)オヤジでいれるよう頑張ります。そして、みんなの業務を後ろからサポートしていきますね。