太陽の家

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ブログ-施設長の部屋

2009/9/10
秋空の下、千代崎海岸へドライブ

空も澄み渡ってきれいでしょう!空も澄み渡ってきれいでしょう!   波打ち際までおんぶ波打ち際までおんぶ

知多半島まで良く見えます!風が強いのです千代崎海岸堤防から伊勢湾をのぞむ

  今日は秋晴れの一日、風は強かったのですが波は穏やかな千代崎海岸へドライブしてきました。

 午前中にグループホームの利用者の皆さんとお話をしていて、こんな良いお天気の日に家の中でおとなしくしてるのは辛いよね!の一言で海を見に行くこととなりました。太陽の家から千代崎海岸までは車で約15分。伊勢湾を知多半島から鳥羽まで見渡せるクリアーな景色に、皆さん大喜び! 昔、子供のころに貝殻を浜辺で集めたことを思い出し、浜辺までおぶっていくこととなりました。波打ち際で波と戯れ、浜に打ち上げられた貝殻を拾い集めてきました。

 強い西風に吹かれたり、大はしゃぎしたこともあって喉が渇いたようで、持参したポカリスエットを皆さんに美味しそうに飲んでいただきました。また連れてきてね!と言われて、何時でも連れてくるよ!とお約束した以上、また近いうちにドライブを計画しようと思っています。

 追記・・・わざわざ説明の必要はないと思いますが、ばあさんの手にしてる白い物は私のたばこです。悪ふざけをしてうちのばあさんが吸っているようなイメージで写真を撮りました。このばあさんはタバコは吸わないのです。誤解のないように・・・!

2009/9/9
うちの丸子さん  Vol。10

  久しぶりの丸子さんの登場です。先週末には所用で上京していた関係から施設を留守にしておりました。数日間、本に週末だけ施設を留守にしただけですが、久しぶりに丸子さんとお会いすると、「あんたぁ、久しぶりやなぁ・・・」と一年もお会いしていないような言葉を頂戴してしまいました。認知症の方々は、本当に一日でも顔を見ないと、この言葉を頂戴する。一日、二日なら「久しぶり」だけど、これが一カ月ともなると「あんた?誰?」になってしまうのでしょうね・・・(笑)

 さて、今日はお散歩の時間を変更してみました。いつも朝方にお散歩に出かけるのですが、今日は午後、それも夕食前に出かけることとなりました。夕食前にお散歩と言っても、まだまだお天道さんは頭上高く、日も長いのですが、一番不安なことは仕事帰りの家路を急ぐ車が増加することです。こn太陽の家のロケーションが幹線道路沿いにあることもデメリットであることもあって、車の通行量が非常に多いということが挙げられます。今のところ、特に交通事故に遭遇するとかの問題はないのですが、今後、全く皆無ということは言えないのではないかとも考えています。これから先に、交通事故を回避しながら、どのように自由なお散歩時間を確保するか・・・?が問題です。

 丸子さんも、健康意識と気晴らしも兼ねて毎日お散歩に出かけます。交通事故や遭難事故を恐れるがあまり、丸子さんを施設内に閉じ込めてしまってはどんどんと認知症が悪化してしまいそうです。

 好きな時に、好きなことを自分が思うまま行動できる施設って、理想ですよ!

 今日のお知らせでも書きましたが、うちの丸子さんだけではなく、ほかの利用者の皆さんにも自由な意思決定をし、自分の思うがままの行動を可能にするためにも、多数のボランティアさんを募集いたしました。興味ある方は、ぜひ一度お電話をください。お待ちしております。

2009/9/9
ボランティアさんを求めています!

太陽の家では、グループホームやデイサービス事業所におけるボランティアさんを募集しています。 私たち介護職員では補いにくい部分を補っていただけるボランティアさん。特に太陽の家の職員さんは全体的に若い職員が多いです。利用者の皆さんのお孫さんに相当する年齢の者たちです。

 1.囲碁や将棋を教えていただいたり、利用者さんとの対戦が可能な方。

 2.お話し相手のボランティアさん。昔話で結構です。

 3.利用者さんとのショッピング補助やお散歩のお手伝い。

 4.折り紙や切り絵などを教えていただける方。

 5.音楽やコーラスを歌っていただける方。

 特別なおもてなしはできませんが、職員の知らない分野でのご協力をいただくと非常に助かります。

 ボランティアに協力できるよ!と思われる方は、ぜひ担当の高木までお電話、またはEメールをお送りください。詳細をご連絡申し上げます。

 

2009/9/4
うちの丸子さん Vol .9

 今日の丸子さん、お買い物に職員と共に道を挟んだ施設前の大型スーパーへ行くこととなった。玄関を出るには事務所前を通るが、その時お小遣いを要望してきた。

「買い物に行ってくるんで、お金出して!」と丸子さん。

「何を買いに行くの?」と事務所

「薬!」と丸子さん。

丸子さんには、事務長が一生懸命、薬は昨日の病院受診の際に貰ってきた事を伝えるが、本人には伝わらない。そりゃそうだよね。薬を受け取るのも職員、管理するのも職員。本人さんは実際のところ薬をもらったという意識がはたらかないのは当然だ。いろいろと説明しながら、お金を本人に渡す。

 さあ、お金をもって、数人の利用者さんと共に出発!と言う時に、私の方からお願いを言ってみた。

「丸子さん、僕にお菓子を買ってきて!あられで良いんで、一袋買ってきて・・・!」

「どんなあられ?」といぶかしげに答える丸子さん。

「あのな、これくらいの大きさで(と言いつつ、両手でサイズを示す)ねじってあるあられ!」

と説明する私を横目に「ふ~ん・・・知らん・・・!」と一言残して歩きだしていった。

 職員の皆さんに読んでほしいのは、認知症ケアって、本当に細かな気配りが必要であることを知ってほしいのです。病院受診、お買いもの、ドライブなど外出したり、また施設内の日常活動の中でも説明が不足しているように感じる。デイサービスの職員にもお願いしたのですが、自分達は介護をする=イコールお世話をするに徹しすぎる傾向にある。お世話するのではなく共に生活する。感覚がほしいのです。薬は切らすことなく常に病院から貰ってきて施設内で個別に管理されている。お買いものに行ってもお金の苦労や商品の袋づめなど一切心配しなくて良い環境が介護でしょうか?全て、痒いところに手が届く介護は認知症ケアには不適切であると考えます。自分自身に置き換えても日常的な活動の中で不便に思うことはあるはずです。認知症だから、そういった不便は感じないように支援する。という理論は絶対に間違っていると思うのですが如何ですか?

2009/9/3
うちの丸子さん  第八弾

diapoa_314.jpg 

今日は久しぶりにデイサービスの送迎車両の運転手をやった。僕の運転は施設一番安全でスムーズな運転で有名である。(と、少なくとも自分は思っている)アクセルとブレーキングのステップ操作はスムーズで、発進、停車の折の衝撃は一切感じない運転を志している。と、まぁ、自慢話はこれくらいに・・・

 今日の丸子さん、車中では他者との会話がはずんでいる様子。ベンチシート隣に座っているM子さんが咳く度に「大丈夫ですか?風邪でもおひきになったの?」を繰り返している。決して悪気があるわけではないが、ただ単に自分の会話を忘れてしまうのである。最初はM子さん、「私の持病みたいなもんで・・・気管支が弱いんでしょうね・・・!」と返答していいたもの次第に返答することが面倒になってきたのか、数回目以降からは何も答えなくなった。それでも、丸子さん、M子さんが咳する度にまた聞くのです。「お風邪ですか?大丈夫ですか?」  『・・・・・・』とM子さん。

 まあ、そんなこんなの車中ですから、会話は弾んでいるものの、意思の疎通はまったく取れていない。皆さんが勝手な会話をしながら適当に話がすすんでいく。そんな送迎車両も丸子さんの自宅に近くすすんでいくが、今回の私の送迎は、本当に久しぶりの事で我ながら恥ずかしい話が、丸子さんちの場所を忘れてしまっていた。大よその所在は覚えているが、住宅密集地の中の一軒を路地を回りながら探そうとするが見つからない。う~ん、困った。こんな時は直接当人に聞いてみる。「丸子さん、お家がわからなくなりました。場所を教えてください!」すると丸子さん、辺りを見ながら「ここは違いますよ!この先を右に曲がってください」彼女が指示するとおり路地の先を右に曲がる。言っておくが私たちが使っている送迎車両は商用タイプのバン車両よりも一回り大きく幅も広いスーパーロングである。住宅地の路地を苦手とする車両を右に左に操りながら、車両の角が無くならない様に四方に神経を張り巡らせ、おまけに交通事故を起こさないような細心の注意と同時に車内の同乗者の安全にも注意を払っての運転です。最初に書きましたが、アクセルワークに注意する理由に、送迎車両に同乗する認知症の方々は、特に頻繁にシートベルトを勝手に外してしまう。何度お願いしても、その時は分かりましたと言ってくれてベルトを締めさせてくれるのですが、数分も経つとカチャっと、シートベルトをはずす音が聞こえてくる。まぁ、とにかく送迎車両を運転するということは単に安全運転に心掛けるだけで終わらないところが難しいところです。シートベルト無しに急発進、急停車は危険です。

またまた話が脱線してしまったのですが、結局路地を右に曲がっても丸子さんちは見えてこない。「あ~ら、ここも違うわね・・・何処だったかしら???!!!」と丸子さんはまったく当てにできないお返事。これは困った、困った。とうとう恥を忍んで事務所に電話して場所を聞くか・・・?こんな事を事務所に電話でもしようものなら、電話口ではきっちり教えてくれるだろうが、電話を切った瞬間から職員同士が僕の無様な姿を取りざたして笑いこけるだろうなぁ・・・・と考えている時に偶然にも丸子さんちの玄関。見覚えのある建物を発見。事なきを得た。って感じでした。

 このように、認知症を患っている人には目線が変わると途端に見覚えのない場所として迷ってしまうようです。認知症の人が徘徊しながら自宅とは違う方向へ歩き、次第に行方不明になる事故も多く起きている。これは、認知症高齢者の記憶障碍というより失認の方が大きく影響している。例えば私たちが馴染みの薄い都心のデパートでウインドウショッピングに明け暮れ、いよいよお買い物も終わって外に出た時に、いつもとは違う方向へ出てしまった時など、一瞬ですが自分の居場所や方向が分からなくなることがありますが、認知症の方は常にそういう状況の中に暮していると想像してください。私たちは偶然。そういう障碍もなく普通に暮らしていますから、一瞬の迷いとして状況を処理出来ますが、認知症の方は一旦方向が認識できなくなると、途中での修正が効かなく、そのまま迷子になってしまいます。

 普段、自分の住みなれた地域でも目線が変わると、全く違ったように認識されると理解してください。決してバカになったわけではないのです。目に映る映像を自分の馴染みとして認識できない様になってしまっただけです。だから支援が必要なんですね。

2009/9/3
うちの丸子さん  第七弾 

 丸子さん、今日もご機嫌斜め! 今日は特に愛想なし!って様子。朝方のお散歩には参加。9時ちょっと過ぎには入居者の二人と一緒に帰ってきた。普段だと『ただいま・・・!』の言葉があって、笑顔が見れるけど、今日もなし。そのままお友達の三子さんのところへ寄り添うように歩み寄り、職員が差し出した椅子に腰かける。他者の方々と一緒に機能訓練を受けるのは受けるが、どこか楽しくなさそう・・・

 で、お友達の三子さんにお風呂の順番が回ってきた。三子さんから一緒にお風呂に入ろう!と誘われていたけど丸子さんは断っている。見るに見かねて看護師が入浴を勧めるが、ガンとして拒否! それとなく丸子さんの肩に手を回すと身震いする。言えば言うほど、頑なに拒否する。三子さん、仕方なく。と言うか、それでも後ろ髪を引かれるように脱衣所方向へ歩き始めた。それでも、丸子さんは知らぬ存ぜぬ!って様子。

 は~ぁあ・・・困ったなァ・・・・でも、また先日の様にペルー人職員が声掛けすれば、何の問題もなく入浴するのでしょうか・・・?まあ、放っておこう!っと。

さて、丸子さんは、入浴を拒否し、三子さんをふろ場に残して、とっとと自分の居室へ戻ってしまった。

 三子さんは入浴後に必ずお化粧をする。口紅もぬって、おめかしをする。そこへ、デイ利用者のお~い!さん、今日は珍しく活発で行動的。三子さんが席に戻るなり口説き始める。「昔から、あんたのことベッピンやって思とった!・・・ひひひ・・・」 まぁ、なんとスケベそうな笑い!と思いながら会話を聞いていたが、さすが三子さん、怒りもせず上手にいなしてしまう。流石のお~いさん、一本取られてしまった。

 さて、それから事もなくお昼ごはんも終わり、お昼からの予定を終了し、そろそろ帰宅準備という頃になって、三子さんが事務所を訪れる。

「ちょっと宜しいですか?お話が・・・・」という調子で私の顔を見る。「どうしました・・・?」と答えながら、三子さんに椅子をすすめ、その横に自分も移動する。私が横に腰かけてお話を聞くと、ここへ来るのも今日が最後ということを また話し始める。    来たきた!いつもの奴だ!と思いつつ、シッカリとお話に傾聴する。ご主人に先立たれたこと。年金生活であること、家族とは別棟で同居している半一人暮らしであること等など。繰り返しお話しする。どうも三子さん、年金生活であることとご主人が先だったことから将来的に経済的な不安があるようだ。三子さんには、ここのサービスを継続しても必要な経費はごくわずかで、残りはお国が支払ってくれるのよ!と、専門家らしからぬアドバイスをさせてもらった。介護保険だの社会保障だの、専門的なお話は高齢者には複雑すぎて理解できないだろうし、特に認知症の方々には余計な不安感を扇ぐことになりかねない。だから、単純明快に分かりやすく、利用者負担は大きな問題ではない、心配する必要もないことを伝えた。 三子さん、何度も何度も同じ問題意識に戻ってしまうのです。一生懸命説明して、理解してもらったように思うが、結局はまた振り出しに戻ってしまうのです。おおよそ30分程、同じ悩みごとの相談、同じ内容の回答、同じ相談、同じ回答を繰り返してようやっと本人さんも納得(本当は納得できていないと思うが、彼女なりの僕への心配りなのでしょう。分かった振りして、「お時間をとらせてしまって・・・ごめんなさい!」と言ってご自分の席に戻られました。

 認知症の方の問題は、なかなか物事をスムーズに理解するには至らないことがあります。三子さんが自分の実の母親なら、僕も冷静に対応できたでしょうか?とても難しいと思います。実母であれば遠慮もなく、繰り返しの内容に面倒な気持ちが先に立ちそうです。認知症高齢者ケアは親族には非常にきびしいモノがあることも、この件を想像していただければ理解していただけると思います。

2009/9/1
うちの丸子さん  第六弾

  今日の丸子さん、どうも調子が出ない。いつものように笑顔がない。そっと近付いて行っても何の反応もない。『丸子さん・・・今日は体調悪いの?』と聞いても『何にもない!』と素気ない。普段なら、僕の顔を見ると「久しぶりやなぁ・・・あんたの顔を見ると嬉しいわ!息子みたい!」と言ってくれるのに、今日は何も言ってくれない。

そう言えば、今日は朝から神経内科クリニックを受診したんだった・・・・その時、診察室での会話が影響してるのか・・・・?ちょっと、明日、担当者に診療の様子を聞いてみよっと!

認知症って、本当に難しい。本人を前にして会話する内容に十分注意を払わないと、後でとんでもない結果になってしまう。

そう言えば、先日、僕も一度(一度に限らないほどの数々の失敗の中の一つ・・・はははは・・・・)やってしまった!経験があるのですね。サービス担当者会議の席上、利用者を前に、ご家族と一緒にお話をしていたのですが、本人には十分と説明を行い納得していただいたつもりなのですが、時間の経過とともに鼻っしの内容が部分的に記憶の中から欠落していき、次第しだいと本人を不安感情に陥れていく。そして、本人は困り果てて、ほかの職員に相談する。他の職員とて、寝耳に水の話。まったく話の筋が見えてこない。どうやって本人の不安感を払いのけてあげるか????!!!!と悩んでしまうのですね。僕は、その頃、のんびりと何食わぬ顔で、一人優雅に裏口の喫煙所でたばこ休憩。僕の居ない事務所では、困ったちゃんを囲んで右往左往・・・

 認知症って、この点が家族介護の難しさなんですね。意見の食い違いなあんて朝飯前。挙句の果ては、お互いが悪者で罵倒の対象となり険悪なムード。なんて家庭環境は、認知症高齢者を抱える家庭ではよく耳にします。でも、よくよく考えたら、これが自分の立場に置き換えたら・・・やはり怒り出すかもしれない。だって、自分の聞いている内容と現実が違っていれば、または、何かの話を聞いた覚えはあるけど、その内容までしっかりと覚えていない。自分の記憶にとどまらない程度の事象だから重要でもないだろが、何も知らされていなくって今晩寝る場所が無かったら・・・どうしよう・・・?ってな具合に。

 認知症でなくとも不安になるよ!  だから認知症の高齢者には、あまり複雑な説明は避けて、わかりやすく理解しやすいように噛み砕いて伝えないといけないよね。(と、いつも反省はするのですが。)


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