太陽の家

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ブログ-施設長の部屋

2009/8/31
ホームページ アクセス数・・・・ありがとうございます。

何だか妙なタイトルのブログですが、今回、このホームページのアクセス数が2584件に達しました。実は、皆さんには見えないのですが、私の方では、このホームページへのアクセス数が見えるようにシステムを組んでもらいました。

8月7日よりカウントし始めて、今日の時点で表記のように2500件を超えてしまいました。一日100件以上のアクセスがあるということですが、その中でも私のブログを見に来てくださる方の数が311件。古いブログの閲覧などを足していけば、倍近くの方々の閲覧があったということです。それほど大した文章力も無いのですが、皆さんの閲覧数の増加はブログを書く意欲に直結しています。本当にありがたいことです。

 また、ブログ自体の更新も数が徐々に増加傾向にあり、今月は21のブログをアップしました。以前のブログにも書きましたが、これで皆さんからのご意見やご要望を聴くことが出来れば、尚のことうれしく思います。ブログに関してでも結構ですし、なんでも結構です。このホームページに付属されている「お問い合わせ」窓口を使っていただき、送信ボタンを押していただければ私の手元に届きます。ぜひ、皆さんからのご意見などをお待ち申し上げております。

2009/8/31
うちの丸子さん、第五弾

 今日は、ちょっとさみしい丸子さんのお話。

 今日の夕暮れ時というより、あたり一面はとっぷりと日が暮れてしまった頃ですが、僕は外出から帰り、車を降りて自宅に戻る頃のお話です。皆さんはご存じない方も多いと思いますが、私の自宅は施設の真横にあり、丸子さんの居室の窓が、我が家の玄関側にあるのです。中央道路の喧騒からちょこっと中に入った、少しだけ静かな位置に居室を持つ丸子さん。何気なく彼女の居室を見上げると、部屋の中に電灯の明かりはなく、暗がりの中で一人、窓から外を見つめる丸子さんの姿を見ました。ただ、遠くの方を見つめながら一人で呟いているように、口が動いていました。彼女の眼下に僕がいることも目に入らず、ただジッと外を眺めています。

 昔のことを思い浮かべているのでしょうか、彼女の眼には今の周りの情景は一切入らないようです。ただ、ひたすら見つめ続けている丸子さん。彼女の眼に何が映って、何を思っているのでしょうか?僕には丸子さんの気持ちは計り知れなかったのですが、その姿を見た時、声をかけて現実の世界に僕の勝手な意思で引きずり下ろすことに抵抗を感じ、そのまま、何も声がけもせずに自宅の玄関を押しました。

 太陽の光が世界を照らさなくなる夜は、僕たちでもセンチメンタルな気分になります。昼間は情緒も何も無いほど騒いで元気だった自分も、夜の帳が下りる頃には、とても感傷的になります。丸子さんにしても同じなんでしょうね、きっと。 遠くに輝くお店のネオンや街路灯の明かりを見つめながら、昔、彼女が暮らしていた世界の一部を思い起こしているのかもしれません。僕が認知症になって、窓越しに思い出に浸る時には、きっと一番素晴らしい時代の街の明かりを思い出しているのかもしれません。

2009/8/29
丸子さんのお友達の話

 丸子さんの大の仲良しさんのお話です。

 三子さんって元々は頭脳明晰、とても育ちの良い良家の娘さんでしたが、年齢と共に認知症がすすんできました。物忘れ以外は特に身体的に障碍を抱えているわけではないので、気の向くまま行動しています。ただ、日中、よくうたた寝をすることがあります。三子さんは週のうち4日間、うちのデイサービスを使って見えます。今日も一日、明るく、気丈に振舞ってみえました。歌を唄い、色塗りをし、しりとりに元気に参加されていました。いよいよ、帰宅時間が近くなってきて、私の顔をみると急に立ち止り、背筋を伸ばして私の前で深くお辞儀をされました。そして、「今日で、私、こちらも最後となります。長い間、いろいろとお世話をおかけしました。」と言われるのです。

 急に、そのようなご挨拶をされ内心では「俺は、そんなこと聞いてないぜ・・・!」と思いながらも笑顔でご挨拶をさせていただきました。「そうですか・・・・今日が最後ですか・・・残念ですね!」 「また、いつでもお越しください。お待ちしていますよ!」とお願いして、その場を離れました。いよいよ、送迎バスに乗っていただきシートベルトを締め。バスは三子さん宅にむけて出発してゆきました。

 それから、一時間ほどして送迎担当の運転手さんが帰ってきました。運転手さんには、自宅に着くまで再三、今日が最後ですから!と繰り返し話をしていたらしいのですが、自宅に到着するなり、今度は私は次、いつ来るの?と聞いたらしいのです。運転手さんには来週の送迎予定表も配布されているのですが、三子さんの迫真の言葉に惑わされてしまったようです。運転手さんの頭の中は三子さんの言葉でグニャグニャの寒天状態となったようで、頭を抱えて帰ってきました。

 認知症って、こんな状態なんですね。これが自分の家族なら怒れてきますよね!または、自分に注意を向けさす為に作り話をしてるとか、いい加減なことばかり言って・・・!と叱られそうな場面です。でも、この場合は怒って、相手を戒めない様にしてくださいね。黙って、話だけは聞いてあげてください。そして、ゆっくりと間違っている部分を確認しながら、訂正してみてください。言っても言っても、聞き入れてくれない場合もあろうかと思います。そのような場合は、一旦、その話題には触れないで、他の話題に切り替えて精神の安定を図った方が良いでしょう。

2009/8/29
うちの丸子さん(不連続シリーズ 第三弾)

 今日もうちの丸子さん、ご機嫌ななめな様子。朝のお散歩は出かけたものの、帰ってきても口数が少ない。それどころか、こちらの問いかけにも答えてくれない。う~ん・・・・こまったなぁ~と職員と一緒に悩んでしまう。

 太陽の家では、一階がデイサービスがあるので、丸子さん、散歩帰りから直にデイサービスへ向かう。

 実は、うちのデイサービス利用者の中に話し相手がいるのですが、このお話し相手も認知症を患っている女性である。二人の会話は延々と続くのですが、毎回、同じ話題。繰り返し、繰り返し、同じ話題にふれてはお互いが神妙な顔をして涙を流す。実は、お二人とも、ご主人を病気で亡くしている。丸子さんのご主人は、10年ほど前、デイサービス利用者は昨年。ご主人に先立たれ、さぞ悲しかったことと思うが、経過時間は悲しみの量と格段、比例するわけでもないようで、10年たっている丸子さんも同じように、つい先日の悲しみのように思い出を語る。

  う~ん・・・・夫婦って不思議なもんだ・・・・と思いながら二人の会話を聴いているうちに、繰り返しの連続に、こちらは飽きてきた。そんな時に、職員がデイサービス利用者の入浴の順番を告げに来た。デイサービス利用者は、お風呂に入ってくる!と丸子さんに告げ、さっさと脱衣所へ。残された丸子さんに、私から「一緒にお風呂入ったら???」と聞いてみる。

 すると、今日で5日目の欠浴中の丸子さん、体を小さく震わせながら「はいらへん!」の一言。

 「今日、息子さんが面会に来てくれるそうやけど、面会の前に綺麗にしとかへん???」と振ってみるが、答えは同じでノー!

丸子さんのノーは、強くプッシュすると逆鱗に触れることとなるので、あっさりと引き下がるが一番。また時間を変えて夕方の入浴でも勧めてみるか・・・と思いなおす。 まぁ、僕だって、お天道様の明るいうちに風呂に入れ!と言われても入りたくはないもんなぁ~と妙に納得してしまう。とにかく、利用者を中心に置いた介護!と言われるものの、普段の業務の中で、遅々として進まない業務を考えると、職員の立場で物を見てしまいがち。分かっちゃいるけど・・・・なんだよね!!!!!

   追記・・・・後で丸子さんを確認したらお風呂に入っていた。職員に話を聞いたらうちのペルー人ケアワーカー君が誘ったら黙って入浴してくれたらしい。僕は彼女がどんな誘い方をしたのか聞いてみた。なんと、彼女はペルー訛りのアクセントで「丸子さん、風呂はいろ!」と言ったそうな・・・・いったい全体、何が違うんだい????!!!!××△?□

2009/8/28
うちの丸子さん(不連続シリーズ と言いながら、第二弾)

 「うちの丸子さん・・・・」 第二弾

 今日は久しぶりにうっすらと雲が覆う、気持の重くなるような天気。鈴鹿の山々もはっきりと見えないほど霞がかかっている。今日のうちの丸子さん・・・ちょこっと調子悪いようである。あまり私の顔を見ようとしない。少しうつむき加減に目は伏せ目がち。

何があったんだろう・・・・?

一瞬、目が合ったんだが、愛想笑い程度の笑みを見せるものの、すぐに下を見てしまう。

   丸子さんの変調に気づいたものの、それから以降に別の問題が発生して、私はあわただしく走り回っているうちに、すっかりと丸子さんの変調にうちて頭から消え去ってしまっていた。

 ふと丸子さんの困った顔を思い出した私は、彼女の居室を訪ねてみることにした。居室のドアは固く閉ざされており、中からは人の気配が伝わってこないほど静かであった。私は居室のドアをノックし、小さな声で「丸子さん・・・居ますか?」と声をかけてみた。すると、中からは、いつもとは違った擦れ声の丸子さんの声で「・・・・はい・・・・何でした?」と答えが返ってきた。

 私はドアノブに手をかけ、丸子さんに入室の許可を訪ねました。「丸子さん、部屋に入ってもいい?」 かすかな声でしたが、私は丸子さんから入室の許可をもらい、ドアを開けて中を覗き込みました。 丸子さんの部屋は、うちの施設でも一番大きな部屋で、窓が北向きに設置された部屋でした。彼女は自分のベッドに普段着の上にパジャマを重ね着して、布団をかぶって横になっていました。今年は暑い気候が短いと言っても、まだ日中の部屋の中の温度は30度くらいまで上昇します。この日も、結構部屋の中は蒸し暑く、こんな蒸し暑い部屋の中で、普段着の上にパジャマまで重ね着して布団かぶって寝ることができるのが不思議でした。

 そんな状況の中、あえて彼女には暑いから布団をかぶらないようにとは言いませんでしたが、逆に「寒いの・・・? 頭痛いの・・・?」とだけ訪ねました。

 すると彼女は、ベッドの中で大きく眼をあけ、私の方を見ながら、寒くはないと答えました。でも、僕には彼女がなぜベッドに横になっているのかがわかりませんでした。いつもの事ですが、何か理由があるはずです。

 しばらくは、ベッドの中の彼女と会話をしながら、適当なところで彼女にベッドから起き上がってもらえるように頼みました。私との若干の会話で何かが変わったのか、彼女はベッドの中から芋虫のように這い出してきてくれたのです。なぜ芋虫のようにという理由は後ほど理解できますが、彼女は体を滑らしてベッドから滑り落ちるように起き上がるのです。何だか妙だな・・・と思いながら彼女に居間まで一緒に行こうと促すと、彼女は黙って私の手を握ってゆっくりと歩いてくれました。

 彼女の今日の女性用パンツはグレーですが、そのお尻の部分が黒く、大きく変色しているのです。 そうです、丸子さんはオシッコを漏らしてしまっていたのです。一連の流れから、ようやく今日の丸子さんの問題が理解できました。プライドの高い丸子さんのこと、オシッコを漏らしたなんて言えないですよね!きっと、色々なことを考え、色々な心配をしていたのでしょうね。私は、職員さんの一人にお願いしてトイレへ誘導してもらいました。そして、汚れたパンツをはき替えてもらいました。

 トイレから出てきた丸子さん、オシッコ漏らして気持ちも悪かったと思いますが、なかなか恥ずかしくて自分のミスをいうことができなかったようです。高齢になると尿失禁が多くなります。丸子さんの失禁が機能性尿失禁か溢琉性か切迫性かは分りませんが、年をとれば、誰だって尿失禁はあることをゆっくりと伝えたのですが、覚えているか否かは定かではありません。しかし、尿失禁を叱るよりは、それに至る原因をしっかりと調べ、できる限りパンツの中に失禁しなくても済むように考えてあげる支援が介護職員に求められているんですね。

2009/8/27
うちの丸子さん。(不連続シリーズ第一弾)

 みのもんたでは無いけど、不連続とは良く言ったものだ!連載となると締め切りやら、定期的に継続するやらの負荷がかかるけど、不連続なら何時だって中止できるしね・・・。まあ、とにかく、「うちの丸子さん」と題して想像上の人物”丸子さん”に認知症を患ってもらって、面白い行動であるけど、それが認知症なんですよ!って皆さんに理解して頂くためにちょこっと特集を組んでみます。

 うちの丸子さん、昼間は快活なんです。朝もはよから洗濯です。両手いっぱいの衣類やら毛布まで抱えきれないほどの洗濯物をもって廊下を歩いています。

「あれ~っ、丸子さん、お洗濯なの?」と僕が声をかけると「部屋中に虫がわいて、痒くって寝てられへんし、天気もええんで洗濯しよ!思うて!」と言い残してランドリー部屋へ向かいます。洗濯機のふたを開けて、手に抱えた洗濯物を一生懸命詰め込んでいます。

洗濯機に入りきらない洗濯物の山を見て、「丸子さん、これ全部をいっぺんには入らんのとちゃう???」と僕は聞いてみました。

丸子さん、そこは長年主婦をやっていただけあって、男の僕には指図されたくないのでしょう。

「そんなこと、あんたに言われんでもわかっとる!  そんなもん、二回に分けたらええだけや!」と人の忠告を無視して洗濯物を適当に分けて、なんとか洗濯機が自動で回る程度まで調整。さて、洗剤や柔軟剤を入れる場所が分からないのか、それとも洗剤を入れなければいけない事も忘れているのか。そのまま、スイッチオン!

洗濯機は素直に言うことを聞いてくれます。自動で水が入り、勝手に右に左に動き始めます。

丸子さんは、一回目の洗濯を始めると、さも忙しそうに居室に帰ろうと、傍で様子観察をしている私を邪魔そうに見つめながら、とっとと歩き始めたのです。

 さて、洗濯機は洗剤も入れられることなく、最初から「すすぎ」状態。丸子さんにはばれない様に、こっそり洗剤を入れてしまいます。これで、時間が経過すれば、一回目の洗濯は十分出来上がっているはずです。ランドリールームを離れ、事務所で仕事をしていると、丸子さんがエレベーターで降りてくるのです。

「あれ?丸子さん、洗濯はどうしたの? もう終わったの?」と、いぶかしげに私が問いただすと

「なに言うとんの?  私の洗濯はM子ちゃん(うちの職員さんです)がいつもやってくれるやんか!私は、そんなことせえへん!」

真剣な眼差しで答える丸子さんに、私は来たぞ!来たぞ!と思いながらも、これから何をする予定なのかを聞いた。すると、丸子さん、今度は、お散歩に行くと言い出す。

 ふ~ン・・・・これは洗濯物自体、忘れたな!・・・と感じた僕は、取りあえず丸子さんと外に出てはみるものの、数歩歩いて立ち止り丸子さんを見て言った。「丸子さん、思い出したよ!洗濯しとったんやった!ちょっと、洗濯物を放ってきたんで、先に見てくるわ!一緒にいってくれへん?」と。すると、丸子さん、黙って僕のあとについてランドリールームまで着いてきてくれました。それは、子供の世話をするお母さんの頃を思い起こしているのでしょうか?!しかたないなぁ・・・とでも言いたげな表情でした。

ランドリールームに着いて、洗濯機の中のものを見て、何だか洗濯物が自分の物のような微かな記憶が・・・でも、なんでこの機会の中に自分の下着やパンツなどが入っているのかが理解できない。不思議そうであり、不可解な現象に不機嫌になりつつもあり、とても複雑な顔をしています。

「これ丸子さんの洗濯物やけど、僕が勝手に廊下に落ちとったんで洗っといたん!」と大ウソこきバリバリの僕の言葉に、丸子さんは少しは納得してくれた様子。「廊下に私の洗濯もんが落ちとったん?・・・なんでやろ????」

「廊下に、なんで洗濯物が落ちとったかは分からんけど、洗濯物が多すぎてこぼれ落ちたんちゃうの?」の問いかけに、丸子さんはすっかりと納得させられて、おまけに洗濯物干しも手伝わされたというお話でした。

 認知症の方は、断片的に記憶が落ちます。自分が意思をもってやり始めたことでも、途中でその目的や意図を忘れてしまいがちです。介助者は、そんなばあさんの姿に慌てず、その人を思いやって言葉かけをしてみてください。相手の力と知恵をお借りするスタンスの接し方は認知症高齢者には、とても受け入れやすい環境となります。決して叱らない。相手の行動であっても諫めない。

 洗濯を失敗しても、特に問題となることは無いのですから、心を大きくもって見てあげてください。

2009/8/25
第二回 新人研修

日時 : 平成21年8月25日(火曜日)午後4時10分より一時間

場所 : 太陽の家 デイルーム

出席者 : 真弓、河合、杉浦し、マリア、江藤、赤瀬、事務長

講師 : 施設長

 内容 : (テーマ)気づきに関して

 1.あなたの思う介護とは、どんな仕事ですか?

   食事、入浴、排泄の介助

   コミュニケーション

   体調管理

   家族・地域などとの連携支援

   相談援助などがあげられた。

   私たちの行っている介護とは、利用者の身体介助だけにとどまらず、生活していくうえで必要な支援を出来るものは実施し、できないものは関連する社会資源に連携を取っていくことなど複数の業務を、その利用者の状態に応じて考え調整する役目を負っている。その中で、利用者の日々の変化を見過ごさないためにも日々の観察を怠らない。利用者のデータは自分の頭の中に入れ、些細な変化にも気づき、適切な支援に結びつけていく努力が求められている。

 利用者の思いや求めを察知しても、連携できる良好な関係が構築されていない場合は、社会資源との連携は困難である。横の連絡を密にとれる関係の構築に、職員間の意思の疎通を密に、関係の改善に努力しなければならない。

 また、利用者への支援を行う中においても、特定の利用者への苦手意識や精神的負荷を放置することは虐待、身体拘束やストレスの要因ともなる。介護する側の自己覚知を行いながら、自分自身の得手不得手を十分に理解、利用者と接する姿勢が求められている。

 他、制度面の説明を行い、日本の社会福祉の変革を紹介。なぜ介護保険制度が必要であるのかを解説する。

 現介護保険制度の中で、利用者主体の契約による介護サービスの提供は、市場原理主義を利用した介護サービスの質の向上を目的としている。われわれの提供できるサービスの質の如何によっては利用者数の減少などに即つながる危険性がある。サービスの質の一部は介護職員のケアの質にもよるところは大きく、今後は職員全体のスキルアップに努力を忘れないでほしい。

2009/8/25
天空を駆ける旅客機

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 私は飛行機が大好きである。飛行機そのものが好きであり、それに乗って旅行に出かけることも好きである。人によっては、あの鉄の塊が空を飛ぶことが信じられないと乗ることも嫌うご仁がいるが、私は滑走路から飛び立つ姿も、大空からゆっくりと舞い降りる姿も好きである。中部国際空港が完成してから以降、この鈴鹿上空も航路の一部となっているのか、結構低空で飛ぶ旅客機の姿を施設の上空に確認できる時もある。

 あの大きく広げた翼ですべるように滑空する姿は美しい。もちろん、私たちの地域では離発着の現場には少し距離を置く関係で騒音が問題になることはないからかもしれないが、あの流れるような流線型のシルエットは、美しい芸術作品のような気品まで感じる。とにかく、大好きである。

 私の年代の者にとって、(ちょうど、受験勉強のさなかに深夜ラジオを聴きながら机に向かっていた年代の者なら)馴染みのラジオ番組が、更なる飛行機に対する情熱を湧きあがらせてくれた過去を思い起こさせてくれる。あの当時は日本航空がスポンサーとして、城達也氏の甘い声でささやくように語りかける世界旅行への誘い「ジェットストリーム」という番組に聞き惚れながら、毎夜毎夜、深夜の12時にスタートする番組の中でまだ見ぬ世界へワープしていたものである。

 いまどきの若い人には、すでに懐メロと言われるような古い映画音楽や世界各地の名曲を流し、その時折々の世界の街の紹介は、その当時の若造の自分には好奇心と夢と希望に溢れ、将来、自分の足でいろいろな世界の街を歩いてみたいと夢を膨らませるのであった。

 飛行機には、本当にいろいろな思い出が詰まっているような気がして、今でも上空にジェットエンジンの音が聞こえてくると、ついつい上空に銀色にひかる機影を探し求めてしまうのである。

 私は思春期の頃をアメリカのカリフォルニアで過ごしていた。大学に通学しながらサンフランシスコ近辺の小さな町に暮らしているころ、時としてホームシックにかかることもあった。何という理由もなく急に家族が恋しくなり、日本が恋しくなる。(海外に出ると、やたらと国粋主義者になってしまうのですね・・・!)そんなホームシックの折に必ず出かける所が飛行場であった。自分の住まいからも近く、24時間閉鎖することなく絶え間ない飛行機が世界各地から飛来するサンフランシスコ空港は南サンフランシスコのBAYサイドにあって夜間は全体的にオレンジ色の照明で照らしだされた滑走路とターミナルビルは、遠目からも美しくロマンチックな雰囲気であった。あの当時は、飛行機のハイジャックも無く、搭乗客以外の者でも何の規制もなくターミナルに入れた。それも、アメリカは入国こそ審査は厳しいものの、出国に際してはとてもルーズな国で、国際便にしても出発ロビーまで見送りに入れるのである。

 そんな、ターミナルビルのボーディングデッキの椅子に腰かけて、色々な国々へ出発してく人々を見てると自分のさみしさが癒されて来るような気がしたものだ。飛行場独特のアナウンスの音やジェットエンジンの音を聞いていると、実際はどこへ出発する当てのない自分も、今すぐにでもサンフランシスコを後に飛び立っていくような錯覚を味わい、そして納得して家に帰る。そんな生活であったことも思い出されてくるのである。

 年を重ね、記憶も定かでなく、心身の調子も低下してくる状況は、あの時のサンフランシスコ空港の出国ロビーに居るように、色々な雑踏のにぎわいやいろいろな違った人種に取り囲まれながら、自分自身はどこへ行く当てもなく座っているだけ。ただ時間と空間だけが流れるように自分自身の周りを通り過ぎてゆくような感覚ではないだろうかと思う。何かをやりたいのだが、何をしたらよいのかが分らない。意思を伝えるにも言葉が伝わりにくい、面倒である。そんな環境が高齢者のまわりにあるのではないだろうか。

 自分が長年かけて築いてきたものが、次第次第に消えてゆく。出発ロビーにいる人たちが時の経過とともに機内に消え、やがて夢と希望を乗せた飛行機も長い滑走路から空の果てに向けて飛び立っていく。

 太陽の家を利用してくださる高齢者の方の気持ちは定かではないが、こんな僕が感じた寂しさや孤独感に似た環境に暮らしているのかもしれない。

2009/8/22
虐待と身体拘束に関して、もう一度、皆で一緒に考えてみましょう。

 本日付の私のブログでも書きましたが、虐待による死亡事事故(現時点で真相は不明)の発生を受けて、職場内の環境をチェックをもう一度行います。週明けから個別面談を開始し、職員さんの抱えているストレスについて質問したいと思います。

 認知症高齢者特有の記憶障害は、時として介護する職員の精神的なストレスとなり、些細なことが原因となり暴力事件、虐待、身体拘束につながることがあります。職員の皆さんには、毎日の精神的な負担軽減策をもう一度考えていただき、思い込むことのないよう注意していただきたい。

    虐待、身体拘束、ネグレクトをしない、させない、みすごさない!

 何か虐待などの疑いのある場合は、速やかに管理者または相談員、計画作成担当者まで一報を入れてください。職員同士だからという気兼ねを理由に放置することは、施設利用者にとって不利益となります。

2009/8/22
福島県の認知症高齢者グループホームにおける虐待殺人に関して

 今日、ある筋から緊急ニュースが入れられたが、それは、私たちと同業の認知症グループホームにおける入居者への虐待行為である。この事件は先月末にすでに発生しており、福島県に所在するグループホームの65歳(年齢はしっかりと覚えていない)が40歳の男性介護職員による暴行が元で死亡した事件が発覚。今日、第一発見者である男性介護職員が逮捕されたというのである。

 入居者の男性は比較的若い認知症の方であり、その死亡原因が内臓出血と窒息とニュースソースは発表していた。このニュースは一時、yahoo動画ニュースでも閲覧できていたが、今は検索しても出てこない。誰かが意図的に情報の操作をしているようである。

 私のブログでも度あるごとに認知症高齢者への虐待や身体拘束について書いてきたが、実際の問題としてこのような事件が発生してしまって、同じような施設を運営する者として、非常に恥ずかしいし悲しい気持ちとなる。

 太陽の家では、虐待や身体拘束は絶対にない。また、させない!と強く職員を指導し、同時に”してしまうような環境を排除するために、職員のストレスケアを行っている。しかし、このような事件が起きてしまうと、社会的な批判の対象となり真面目に対応している職員も同じように捉えられがちで、大きな憤りを感じてしまう。まだ、この事件の真相は伝わってこないが、二度とこのような痛ましい事件が起こらないように、管理者や経営者の方々には職員の様子をしっかりと観察していただきたい。

 来週早々にも、太陽の家の職員には話はするが、この事件を教訓にわれわれの施設では、間違ってもこのような事件が起こらないよう、もう一度、体制を見直し、職員間の風通しを良くし、思い込まないような環境の整備に努めるつもりである。

 


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