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ブログ-施設長の部屋

2010/8/16
認知症特有の行動と対処

トイレットペーパーの固まりトイレットペーパーの固まりトイレットペーパーのコレクション

 認知症の高齢者特有のと書き出しましたが、紙が貴重な時代に生きた高齢者の方々は、人によっては認知症を患う中で、トイレットペーパーやティッシュペーパーを束ねる行為、それを大事に保管する行為、そして、保管してある事を忘れて、同じ行為を繰り返して、タンスや押し入れの中に偶然、大量の紙の束を発見する事がある。 うちのグループホームにおいても同じケースが見受けられた。紙に拘る気持ちは、そのまま、その人の生活歴に関係するが、そこには利己的な悪意は存在しないことを介護する側は理解しなければいけない。先にも述べたように、その人にとって『紙』は貴重品であると同時に、必需品である。そして、もしもの時の為に自分に必要な分だけ保管しておく必要性に、くるくると丸めて大事に保管しておく行為が、この事例にある行動です。

 一般的に家庭や一部施設において、このような行動を問題視する傾向があるが、この行動の元となる本人の気持ちを、もう一度じっくりと考えることで、問題となる要因の解決が必要と考える。例えば、太陽の家の利用者Aさんの場合、「不足」を非常に嫌う性格で、潤沢に物が溢れる生活を好まれる。常にトイレに行けば紙は用意されているものの、彼女の居室には「紙」は、人為的に必要分以外の余分は置かないようにしている。問題は、この点にあると考える。職員は、利用者が紙を隠す(隠すようにみえる)ことから、紙の無駄(・・・・視点を変えて、収集した紙の再利用先を考える必要がある)を防ぐ方向に考えがちである。

 必要最小限の判断は人によって違う、また記憶に障害を抱えたものと、そうでない者とでは当然基準に格差が生じる。この際、利用者の居室には、隠さなくても良い程の紙を表に出すことや、トイレットペーパーのロールの予備をトイレに準備する事。に徹することから、利用者の「紙の不足懸念」を払いのけることが可能と思われる。

 次に、このAさん、紙を細かくちぎって、ドアの隙間や窓の隙間に詰め込む作業を秘かに行っている。これについては、必死になってプライバシーを守っているのであり、決して隙間風が多いと言う理由では無い。グループホームは認知症高齢者の共同生活の場であり、1ユニット9名の利用者が個室ではあるが、共同の居間で過ごしたり、テレビを観たりして生活している。施設の廊下は、本人にとっては、差し詰め公道であり、居室が家の認識で生活している。実際は職員以外の他者が侵入することはあり得ない。しかし、彼女にとって、職員すら侵入者の一人なのだろう。介護するためと言いながら、何の許可も得ないで居室に入り、いろいろと着替えを取り出していく職員は、彼女にとっては文句も言えない高圧的な侵略者の一部と思っているかもしれない。

これを機に、グループホームの職員は、居室の扱い、入居者の感情についてもう一度考えてもらう必要がある。


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