看護師や医師は業務独占。(業務を独占するという意味ではない!念のため) 社会福祉士、介護福祉士は名称独占。要するに医師や看護師ってのは免許を持っていないと業務に就くことができない職業であり、介護福祉士や社会福祉士ってのは、免許はなくても同様の業務は行えるが、その名称を名乗ることは出来ない職種である。そして、これらの職種の人々は、言ってみれば個人事業者なのである。医師や看護師は〇△□病院で働き、介護職員は全国に散らばる介護施設で働く。その道のスペシャリストであり、そこそこ経験と知識を求められる点では医師も看護師も介護職員も、ほぼ同じである。しかし、前にも書いたように、何が何でも〇□△病院や××老人施設でなければ働けない!と言うわけではない。
社会福祉士や介護福祉士の資格に合わせてケアマネジャーの資格を持っていれば、全国のどこの施設に行っても、ほぼ同じ内容の業務を行うことができる。だから個人事業者と言っても差し障りないのである。この個人事業者の集合社会が病院や施設を構成しているわけだから、離職率が高く、定着率が低い現実が問題となっている。当太陽の家においても同様、職員の定着率は、今でこそ安定はしてるものの、以前は糞ミソな状況で、職員同士のイザコザ、労使関係は最悪な時代が存在した。
今、毎日曜日ともなると新聞の折り込みチラシに混ざってくるのが寄合空人情報チラシである。本当に多くの福祉施設や病院が看護師や介護職員を募集している。入れても入れても辞めていく職員。それはそれで仕方ないことではあるが、事業主にとってみれば、この求人チラシの経費も馬鹿にならない。結構な金額を支払い、結構な経費を負担しながら新入職員を育てている。ようやく一人前となって仕事をしてもらえる頃となると退職を告げられる。経営者、管理者にとって一番心臓に悪い瞬間である。
ここで問題としたいのは、ここの人材が、その働く施設や組織のために働いていない点である。働いていないのか、働かせていないのかは後で述べるとして、看護師は患者のために自分の生きがいを設定し、介護職員は入居者の高齢者に焦点を当てて業務を行っている以上、そこにはチームワークは存在しない、ましてや、その施設がどうなろうと、知ったこっちゃない!のが職員ン側の言い分である。確かに、職員を一つの意志のない道具と考え、時間さえ努めてもらえればよい!と思い込んでいる経営者の元では、働く意気込みにも影響を及ぼすし、生き甲斐すら見出せない環境である。だからと言って、職員を育てようにも、トップ人事が考えるほどスキルアップや考え方の改善は容易ではなく、それこそ血の汗を流す努力を必要とされる難行である。経営者からすれば、これくらいの事、なんで理解できないんだ!と声高に喚き散らしたくなる気持ちも理解できる。
しかし、よくよく冷静に考えてみれば、施設あっての要介護者、要看護者であり、その中でお互いが専門性を駆使して必要なケアとキュアを執り行えることがベストで必要不可欠な問題であるとするならば、お互いにさらに歩み寄れる妥協点を探らずして、提供サービスの質の向上はあり得ない。行政が打ち出している雇用改善交付金など「金」の問題ではないようだ。(もちろん、ここで働く以上、その職員にも生活していかなければいけない責任がある。だからお金も必要である!)が、それでも、そこそこ居心地の良い働き場所が存在するならば、そこの場所で仕事を認めてもらいながら業務に合った金額の報酬を受けることができれば、それこそ一番理想とする職場となるのではないか!と考えている。
キャリアパス制度は、紙でそろえるのではない。職員の中に息づいて職員の目標とされるものでなければいけない。まだまだ開発途上ではあるが、太陽の家は、さらに職員の生きがいを追及して働き甲斐のある施設として改善に改善を繰り返していく。