昔、と言っても私の祖父の話ですし、私が幼少の頃の話ですからそれほど昔ではないのですが、夕食後の時間にテレビを観ながら居眠りをしている祖父の姿を、今の自分にダブらせて見てしまう。夕食を終えて一段落すると眠くなる。気がつくと観ていたテレビの番組が、いつの間にか終わって別の番組に変わっていることがある。そう言えば、テレビ番組も報道番組しか観なくなってきた。次第しだいに年老いていく自分がそこにあり、同じようにテレビをつけっぱなしで居眠りしている自分が横たわっている。
年齢を加えるというのは、全ての人間に平等に与えられる変化である。祖先のDNAをそのまま引き継ぎ、じいさん、ばあさんのように自分たちも変化していくということなんだろうな・・・と考えてしまう。
人間はいつかは老ける。加齢と共に社会はどんどん小さくなっていく。おぎゃ~と誕生して自宅の一部屋が自分の世界だった時から、小学校に通う頃には地元の地域が自分のテリトリーとなり、高校、大学と進むにつれて社会は大きくなる。社会人となるとこの地球が、又は宇宙が(宇宙飛行士などはそれにあたる)自分の世界となって、その後は年齢とともに大きく膨らんだ世界が小さくしぼみ始める。そして最終的には生まれた時と同じように一部屋が自分の世界へと変わっていく。この期間が日本では女性は86.05年、男性では79.29年(2009年7月16日発表)が平均値である。どのような老後を迎えるか?やはり仕事に精いっぱい振り回されながらも自分の老後を考えて正しく設計していきたい。そのお手伝いをするのが私たちソーシャルワーカーなんですね。
グループホーム太陽の家では、福祉関連の専門学校の生徒さん二人が現場実習を行っている。実習生の受け入れに関してはお知らせ欄でも紹介させていただいたが、今回の私のブログは、彼女たち実習生の一日を取り上げてみます。
実習生とは、既存の社会福祉事業所で実際の現場業務を通して、教科書の上で学ぶ理論としての社会福祉介護技術との違いを直接体験することで、より深く社会福祉を学ぶために設けられています。実習生としては、初めての施設で、それもどのような研修を与えてくれるのか分からない、と言った不安感も拭いきれない中の実習となります。もちろん、もう一方の側面として、自分が学んできた介護技術を実践の場で試してみれる期待もありましょう。
私がこの実習生に感じることは、短期間にどれほど介護に困難が伴い、難しい仕事かを学んでいただきたいと願っておりました。特に認知症介護は、専門性が問われるところです。お年寄りのことが好きです。だけでは介護は出来ません。お年寄りを客観的に観察(言葉は悪いのですが)しながら自立支援を実施するには、かなりのスキルが求められます。そのような現場実習を行っている彼女たちですが、とても真面目に研修を行っています。利用者様の評判も上々で、今日で3日目ですが、「私の孫のよう!」だとか、「一生懸命、やってくれる!ありがたいわア!」との声が聞こえます。
実習期間は1週間と短いのですが、この子たちに関しては、国家資格を取得し社会に出た時に、バーンナウト(燃え尽き症候群)などの理由で福祉の世界から去っていくことのないよう、出来る限り悪い面も、良い面も学んでいってほしいと思います。
あと数日、頑張っていってほしいと思います。そして、将来的に、この太陽の家で経験したこと等が自分たちの仕事の中に活かされるように心から願っています。