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ブログ-施設長の部屋

2022/11/11
認知症道中膝栗毛 第40話 (失語、失行、失認)

認知症も重度となると言葉が出てこなくなる「失語」

今まで出来ていた一般的な行動が出来なくなる「失行」

そして、人の顔やモノを認識できなくなる「失認」と言う障害が出現し始める。

認知症と診断されてから、どれくらいの年月で重度になってしまうのか?は

それぞれの人によって違うし、投薬の開始時期によっても違いは出る。

さて、これらの状態を客観的に考えてみると

一般的な普通の生活を送る上で、ご本人にとってはとても不便なことと思われる。

説明しようにも言葉が出てこない。思い出そうにも頭の中でグルグル回るだけで何も思い出さない。

だから、認知症の人は、自分の思いを正確に伝えることが出来ない。

伝えることが不得手となると、そこで自分の恥ずかしいところを悟られないためにも

作話が増える。要するに作り話であり、自分が思い描いてきた素晴らしい話が口からこぼれる。

失行に関して言えば、調理することが出来なくなる。火にかけたお鍋に、次は何を入れて炒めるのか?が

分からなくなる。又は、パソコンで文章を書くことが出来たお爺ちゃんが、パソコンの立ち上げから戸惑うようになる。

失認として一番困るのが、子供の顔を忘れてしまうこと。

浴、グループホームの入居者のご家族が面会に来て、全く赤の他人と接するような母親の素振りに

娘さんや息子さんが嘆く。そんな場面に遭遇することがある。

結局、認知症も重度となると、その人の若い、良い時代の記憶に満たされ

其のころの記憶だけが生き残っている状態であり、今の現実には受入れ難い状態なんである。

自分の親が、子供の顔を忘れた!と嘆くお気持ちは充分に理解できる。

でも、逆に古い、昔の記憶の中でゆったりと生きているのであれば

それはそれなりにお幸せなのかもしれない。と僕は思っている。

いずれにせよ、認知症の人の様々な障害に対して、周囲の人の理解と配慮があれば

認知症を患っていても、不足部分を補いながら生活を継続する事は可能です。

僕は、それが我々の仕事と考えている。 

2022/11/10
認知症道中膝栗毛 第39話 (アポリポプロテインE)

最近、アメリカのアルツハイマ―協会の冊子を読んでいるのですが、

結構、興味深い内容が書かれています。

その中で、アルツハイマー病に関して遺伝子要因について書かれている項目で

非常に面白い記事を目にしました。

それが、タイトルにも書きましたタンパク質の一つであるアポリポたんぱく質Eについてです。

アルツハイマー病の原因としてベータ―アミロイド蓄積による脳の器質変化が言われてますが

そのβアミロイドに絡んで、遺伝子の結合におけるアポリポプロテインE2、E3、E4のいずれかが

血中のコレストロールによって運ばれ、遺伝子の組み換えに関与しているという学説です。

まあ、これについては、かなり専門的な話で、私にはチンプンカンプン。

偶然、うちの事業所に専門医が往診に来てくれたので、質問してみたのですが

まだしっかりと研究しつくされていないとのことで、多少の影響は言われているという話でした。

ですから、ちょっと知ったかぶりして、この表題でブログを書き始めましたが、

其れよりも何よりも、親兄妹の親等の近いものにアルツハイマー病がある者は

アルツハイマー病となるリスクが高く、そして、合わせて喫煙者は更にハイリスクとなる。と言う

その学説を読んで、私自身、こりゃ確実にアルツハイマー病になるわ!と確信を持った次第です。

そう、そう、喫煙に関しては、認知症のリスクもそうですが、脳血管疾患、心臓血管疾患共に

ハイリスクだよ!とも書かれていました。

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写真上;カラマリフライ(Calamari Fly)

写真下;クラムチャウダー(Clam chowder)

※添付写真とブログの関連性は全くありません !!

カラマリのフライは美味しかったです。でも、コレストロールと尿酸が気になって・・・

2022/11/9
認知症道中膝栗毛 第38話 (時計絵描画テスト)

認知症の診断に、時計の絵をかいてもらうテストがある。

初期の認知症でも、定番の丸い時計を思い描いてもらう時に

いろいろなヘンテコリンな時計を描く場合がある。

こんな時は、要注意!速やかに認知症専門医を訪ねてみてください。

しかし、わざわざ、認知症が疑われる人の気持ちを傷つけるかもしれない

このテストには、細心の配慮が必要です。

ゲームに参加してもらうような流れから、簡単な丸時計を描いてもらうよう促しましょう。

これがきっかけとなって、専門医の早期診断に結び付き、適切な治療が開始されれば

その人にとっても幸せなことです。ただ、お薬は副作用もあります。

服薬に伴い、変化した状態をしっかりと記録し、主治医にお伝えください。

状態の変化を加味して、薬剤の調整を行ってもらいましょう。

では、先生に何をお伝えすれば良いでしょうか?

①いつもと違う行動、言動があった場合の日時、継続時間、その時の状態を簡単に記録する。

②怒りっぽくなったり、逆にふさぎ込んだりしていませんか?

③日中の過ごし方、夜間の状態、特に睡眠時間に関する情報があれば、どれくらいの頻度で変化したか?

お薬は医師の処方をしっかりと守って服用できるように心がけてください。

 
fig_cdt02.png

この時計の描画テストに際し、以下の点にご注意ください。

①数字のヒントを出さない。

②周りに時計を置いておかない。

(認知症の人は、盗み見することが得意です!)

2022/11/9
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2022/11/8
認知症道中膝栗毛 第37話 (異食行為の認知症)

 腹減って!腹減って!仕方ない!と言うのが、異食行為でもって家族を困らせる認知症の人です。

特に男性に多いように見受けられますが7,女性にだって異食行為はあります。

元より満腹中枢が壊れてしまって、腹いっぱいたべても満腹感を得ることが出来ない。

食事した直後から、食べ物を探し、目につくものを口に入れてしまう。

食物なら問題はないのですが、ことガラスのコップだったり、有毒な洗剤などを食べてしまう場合は

命に係わる問題です。

認知症となって、失認が始まり、重度な記憶障害があると

食物に対する認識が曖昧になります。

私たち健常な者では想像もできないものでも口に入れてしまいます。

こうなると赤ん坊が、成長途中に自分の舌をもって、食べれるものか否かを識別するように

認知症の人もあらゆるものを口の中に入れてかみ砕こうとします。

人間の摂理と言えば自然の行為なのですが

これは介護者にとって一番、苦労が伴うケースです。

さて、このようなケースについて、私たち介護のプロは

どの様に学んでいくか?ですが、

まず、異食行為の原因となる満腹感をどの様に支援していくか?を考えます。

介護スキルの中でリアリティオリエンテーションと言う手法があります。

これは、本人の認識を事細かに思い出してもらいながら、意識づけを行う手法です。

言い方は悪いのですが、犬のしつけと同じように、繰り返し、正当な支援を行いながら

本人に習慣づけてもらうよう働きかけをすることです。

次に、食品以外のものを見え場所、簡単に取り出せる場所には保管しない。

いたるところに鍵をかけるのではなく、必要以上の食物を保管しない。

同時に有毒となる洗剤や薬剤を目に追くところには置かない。

とにかく家中の、言うなれば断捨離を遂行し、口に入れて害になる者すべてを排除します。

そして、次に重要なこととして、本人の意識を他の対象物に置き換えるよう

いろいろな作業や余暇に振り替える支援を行います。

これらの支援を繰り返すことが重要となります。

いずれにせよ、これらの支援には大きな介護力が必要となります。

ある程度は、薬剤に頼ることも必要かもしれません。

てきせつな医療との連携が求められるところです。 

2022/11/3
認知症道中膝栗毛 第36話(昼夜逆転現象)

認知症も重度になってくると、昼と夜の区別がつけにくくなる。

見当識の障害と言うより、体内時計の調整が自分で出来ないことから起こる症状の一つです。

人減は、朝日が昇り、空が明るむことで自然と目が覚めて起床しなきゃいけないという思いになります。

若いうちは、陽が昇っても、空が明るんでも、関係なく眠り続けることはでできますが、

年齢を重ねることで、若い頃のように眠り続ける事が出来にくくなってきます。

これは、年齢と共に三半規管の機能低下が大きく影響するようで

これと同時に車の車庫入れがへたくそになったり、体の傾きを感じにくくなったりすることにもつながります。

さて、そんな高齢者の睡眠に対する態勢不良と言うか、機能の低下は

認知症の進行と共に、夜間の良質な睡眠をも阻害します。

周囲の者からすれば、何事もない事であっても

認知症当事者の人にとってみえれば、心配事や恐怖心やはたまた好奇心等の「興奮状態」の要因となったりするわけです。

そして、寝付かれない。元より、夜には寝るものだ!と言う認識が薄らいでいる認知症の人ですから

ただひたすら良質な睡眠を獲得する事が出来ず、ひとりで悶々とした夜を過ごしてしまう。

そんな悶々とした状態が続けば、健常な者でさえ、次第に眠気が襲います。

昼夜逆転は、このようなメカニズムで起こります。

認知症の人に限らず、適切な時間には睡眠モードに入れるよう環境を整えることから

良質な睡眠への改善は可能です。

寝る前のコーヒー等をのまない。過度のアルコールは睡眠の妨げになります。

また、大音量でテレビやラジオを聴いている。などなど・・・

そして、朝は、陽が昇ったら、必ず朝日を浴びる!

窓越しでも構いませんが、出来れば直接、陽の光を体全体で感じ、

軽く運動する事で、体内時計は狂いを修正し、正常な状態に戻してくれます。

認知症であっても、良質な睡眠をとること。

これが、薬よりも大事な特効薬です。 
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2022/11/2
認知症道中膝栗毛 第35話(仮想空間と認知症)

本当に、今どきのバーチャルってのは、よく分からない。

パソコン使って文章や表を作ることくらいはできる。

しかし、パソコンを定期的にアップデートしたり

新しいソフトをダウンロードするとなると、途端に分けわからず

下手をすると、とんでもないモノを拾いこんだり、機能を100%取り込んでいなかったり

先日なんて、自分が使っているメールソフトのOUTLOOKでも

メール送信できずに、信頼するパソコンのエキスパートにお手伝いしてもらいながら

ようやくメール送信できるよう直してもらったほどである。

とにかく。使われている言葉が理解できない。

日本語でコメントが表示されても、何のことを言っているのかさっぱり分からない。

これはもう、認知症の人の領域に入っているわけで、

複雑な言葉をつながりとして理解できない状態。

認知症の人と意思の疎通ができない。と言われるのが、この状況であり

一つ一つの言葉は理解していても、長いセンテンスとなると意味がつかめない状況。

こんな時は、非常に腹立たしいし、不安な気持ちとなる。

おそらく認知症の人も、同じ人間から話しかけられていながら

相手が言っていることが理解できない時ってのは、非常にイライラするのだろう・・・

パソコンの専門用語もしかり、ましてや、バーチャル空間を遊びとして使いこなす若者たち

漫画とCGの中にアバターを置いて、いかにも現実空間の中で交流するようなコミュニティってのは

尚のこと理解できない。

昔見たSF映画の世界が、今の世界に現実として存在している。

近いうちには車が空を飛び、テレビ電話が立体的に表現され、いかにもそこに相手が存在するように。

これはもう、イライラどころか、恐ろしい世界である。

あと10年。その頃には僕も機能低下をおこし、MCIの一人の爺さんと呼ばれているかもしれない。

50年前のアメリカには、フォードやシボレーなどのアメ車が堂々とした姿で走り回っていた。

30年前のアメリカには、日本車がアメ車に代わって道路を占有していた。

そして今の時代のアメリカには、テスラがすべての車を押しのけていたる所で目にするようになった。

時代の流れは確実にSF映画の世界に近づいている。

私がディメンチア(Dementia)となる時、日本はどんな世界に代わっているんだろう・・・

2022/11/1
認知症道中膝栗毛 第34話

さて、まだまだカリフォルニアでの視察旅行の写真は多くありますが

ここで、今までの写真を見て頂いたカリフォルニアの高齢者ケアについて私が得た感想を

皆さんと共有したいと思います。

アメリカ合衆国は、建国240年を超える今、多くの国から移民として渡米した人々の末裔と

新たにITの最新技術をもって移住した人々を交えて、色々な文化や気質が混在する国となりました。

ことSanta Claraに関して言えば、アジア系移民として一番多いのが中国人、次に韓国人と

アジア系だけでもフィリピン、ベトナム、インドネシア系の二世や三世の世代が活躍する時代です。

それぞれの国の文化は、アメリカ風に希釈され、アメリカの風土に合うように変化され受け継がれています。

日本の文化も同様、個人の記憶同様、年月とともに抜け落ち、忘れられ、自分の都合よいように解釈され

受け継がれていく。日本人の三世やその次の世代には、我々、生粋の日本人が持つ気概、歴史、文化の欠片もない。

完全にアメリカナイズ(?と言うか??)された独特の文化と気質をもっている。

これら新しい日本観なるものが、今の日本人の若者旅行者に酔て、日本に逆輸入されているのが

今の日本の都会ではやっている新しいトレンドの様であるが、このように独特の文化や作法は

年代を追うごとに変化していくものなのかもしれない。

さて、さて、 本題に戻り。なぜアメリカでは認知症の人が少ないのか?!ですが・・・

決してアメリカには認知症の人の数が少ないわけでなく

アルツハイマーを主体として、MCIの人、レビー小体、血管性認知症の人も多く存在します。

ただ、日本に比べると認知症で寝たっきりとなる人は少ない。

その要因として、日本人気質にある家族としての思いの違いが大きくあります。

つまり余命に対する意識の違い。延命に対する考え方と違い。そして、住環境にかなりの違いがあることが

要因として上げられると考えています。

写真を見てもらっても理解できるように、アメリカの道路は広い。そして、何よりも弱者優先の風土が浸透している。

訴訟王国として、弱者に対して不都合な点は、即訴えられる社会がある。

当然、企業としては、訴訟階位の為の予備策を講じていかなければ損害が広がる。

このような社会の中で、弱者であっても「普通」の生活を継続できる土壌が存在する。

MCIであっても、自覚症状がなければ車を運転し、「普通」の生活を継続していく。

日本では非常に危なっかしい生活のように見えても、アメリカの広い国土なら

そんな危険性もなく過ごすことはできる。

だから、認知症も急激に重度とならず、軽度のまま過ごしていく。

そのうちに認知症ではなく心筋梗塞、血栓、糖尿病などの疾患で命を失っていく。

食べる量、食べる資質の多さ等々、食生活や生活習慣が起因しての死亡率が多いのが

認知症を長引かせることに繋がらない。

そんな国がアメリカなのではないかというのが私の感想です。

 

2022/11/1
認知症道中膝栗毛 第33話 (画像その2)

img_2380.jpg

Mt.View市の市役所本館の写真。20年前のMt.View は小さな町でしたが、IT産業の発展により

市役所も斬新なデザインに生まれ変わりました。隣に私立の美術館も併設しています。下の写真は

市役所エントランスと二階、三階へつながるメイン階段の写真です。

img_2379.jpgimg_2378.jpgimg_2383.jpgimg_2386.jpg

市役所にて紹介された市立のシニアセンターの写真です。この施設の役割は自立している高齢者の

コミュニティの場であり、鈴鹿市でいえば社会福祉協議会のような役割を持っています。

自分で通ってきて、他者と交流したり、同じ趣味のサークルで楽しんだり、かなり自由に

老後を楽しめる施設です。このシニアセンターの敷地は、さすがに広く、同じ敷地内に

デイケアセンター(通所型です)、子供のナーシングケア施設の3つの施設が併設されています。

これらの施設利用には、メディケアなるアメリカ流、健康保険に加入していることが必要となります。


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