認知症の人のお世話をする介護職員によくみられるのですが
認知症を「疾患」としてみてしまう失敗について膝栗毛でお話をしようと思います。
今日、うちの姉妹施設の虹の丘グループホームのカンファレンスを行いました。
毎回、カンファレンスには参加し、職員と意見交換を行っているのですが
どうしても認知症の人を「障害」を中心においた視点で介護が行われている点
なんとか医療と多職種の連携でもって、何とかしたい!と言う風に考えがちです。
医療と多職種連携は、とても良いことです。
認知症の人のお世話を自分たちだけでやり通すことは、逆に本人(当事者)の負担が大きく
決しておすすめ出来ない介護ではありますが、
例えば、レビー小体の疾患を抱える認知症当事者の方が最近では首の筋肉の拘縮が激しく
顔があがってしまい、その姿は起きたまま気道確保された状態の方について
介護スタッフはお手上げ状態で、なすすべもないという意見が出ました。
この顔があがった状態で飲み食いすれば、確実に気道に食物や飲料がはいります。
この状態を危惧した職員にとって、レビー小体の患者さんの筋拘縮には
なすすべもないのでしょうか?
ここで、この患者さんの寝姿について質問してみました。
すると、レンタルのソバ枕であおむけに寝ているとのこと。
私は、この寝姿こそ首周りの筋拘縮の最大の原因と思いました。
人は就寝時に、頭だけを乗せ小さなソバ枕を使うと、肩から首筋に非常に大きな緊張が起こります。
この首筋の筋緊張が、その周辺の筋肉を拘縮させているのではないかと考えたわけです。
早速、職員と話し合って、枕を変えることにしました。
羽毛までは不要ですが、少し大きめのビーズクッション等を使い、首だけでなく
肩から頭部全体を支えることが出来る枕に変更するわけです。
これにより、ある程度の筋拘縮は改善されるのではないかと考えています。
首周辺の筋拘縮、レビー小体も鑑み、全てを理学療法士のマッサージやリハビリに頼るだけでなく
生活全体を見つめなおし、その人の抱える問題点を洗い出す支援をしなければ
特に認知症の人は自ら進んで、自分の思いを表現できにくいのが特徴です。
私たちは代弁者であり、その為にも普段からの様子観察を通じて
その人のフレイル現象について考えなくてはならないと思います。
まずは、なぜ?違和感などについて考えることが大事です。