どうも職員が気を利かせて僕の誕生日を祝いに来てくれたらしい・・・
胸のポケットに忍ばせた煎餅を取り出して、僕にくれるかと思いきや
「有難う!」と言って、自分のものにしてしまったのには笑えたけど・・・
お返しに「近江八幡のたねや」の水ようかんを食べしてあげたら
「これ、まずいの~う!!」と言って半分しか食べなかった。
日によって味覚が変わるらしい。先日は同じものを食べて「旨い!」と言っていたのに・・・
夏が終わるにつれ陽が短くなりつつあるが、まだ外は明るいので
散歩でも行くか?!と親父を連れて裏の田んぼ道を散歩しに行った。
途中でうちの田んぼは何処やった?と聞くと、あっちの方や!と的確に方向を指さす。
親父が示した方向へ車いすを押しながら、今度は数ある田んぼの中から我が家の土地の場所を聞いた。
その時に指さして示した場所、それが今回写真に収めた場所であり
ボケた親父が指し示す田んぼこそ、うちの水田であった。
親父は「もうあまり覚えてないけど・・・」と呟きながらも
何となく理解できているんだな・・・と思って少しうれしくなった。
そろそろ暗くなってきたから帰ろう!と親父の車いすを押しながら
「この景色、懐かしいな~ぁ」と言う親父に
僕は親子水入らずの時間を楽しんでいる気持ちとなった。
今日、実家を覗きに行った。
実家脇の小道に咲き誇る彼岸花
雑草に覆われて、随分と長い間誰の立ち入りもない路地に
真っ赤な花が帯になって咲いていた。
昔、こんなところに彼岸花が咲いていたなんて知らなかった。
如何に自分に風情を味わう余裕すらなかったことが感じられる。
思わず携帯電話のカメラで撮影してしまった。