昨日は親父の誕生日だった。
93歳。とっくの昔に、親父の親父、要するに祖父の生きた年数を超えている。
爺さんも認知症で特養に世話になり、その後自宅に戻り自宅で息をひきとった。
そんな爺さんより10年を超えて親父は生きている。
残念ながら親父も認知症であり、二人の主治医(贅沢にもお抱えの医師が二人もいる)から
この夏は超えれないかもしれない。と言われているが昨日は、結構元気だった。
親父を連れて外食でもと思い、車いすの父を迎えに行った。
今日は何の日か知ってるか?との問いに、「俺の誕生日や!」と答えることができた。
おそらく朝から、グループホームの職員が繰り返し親父に語り続けてくれた結果だろうと想像する。
さて、どこで何を食べるか?を聞いてみたが、なかなか考えがまとまらない。
遠慮しているのか、生来のケチケチな性分なのか分からないが
親父はラーメン、肉、うなぎで迷っていた。肉を食いたい。と言うので、
焼肉を勧めたが、そこまで大げさな食事はしたくない!と言う。
あまり迷ってばかりなので、僕の思うように任せてくれるか?と確認しウナギを食べに行った。
このうなぎ屋さんは、親父とおふくろが、若いころからの馴染みで、
店主とは古いお付き合いのはずが顔を認識できない。
やはりところどころで断線しているよう。その割には旨いものはよくわかっている。
ウナギを食べながら「美味しいな!」を連発。店の外までお見送りをしてもらった時には
その都の日の光の下で店主の顔を思い出したようでしきりに懐かしそうな顔をして頷いている。
まあ、認知症の爺さんに悪気はないというけど本当かな~あ